(C)デジ一 写楽 |
旅バカライター中山です。ここ最近日本での仕事が忙しくて、海外旅行に出かける時間がとれません。なんとか短期間でも海外旅行したい! とストレスを貯めていると、香港在住の携帯評論家山根博士から、「キャセイパシフィック航空から日帰りでも楽しめる香港弾丸ツアー用のチケットが出てるよ」と教えてもらいました。
なかなか休みが取れない人にピッタリのプランです。 |
これは『週末・日帰りウルトラ弾丸香港旅』というチケット。キャセイの深夜便を活用して週末に香港へ日帰りや0泊2日で行ってしまおうというものです。姉妹会社の香港ドラゴン航空と合わせると、香港との便を東京(羽田・成田)、大阪、名古屋、福岡、札幌、沖縄の6都市7空港から毎日20便以上も運行させているからできるスケジュールなんです(出発地は成田、羽田、大阪、名古屋)。
しかも旅行者が多い週末でも料金は2万1000円。燃油サーチャージなどを合計しても3万円以下とおトクな料金。これは行くしかないでしょ! ということで、弾丸電脳街香港旅行にチャレンジしてきました!!
2015年5月23日朝/成田空港発
今回は成田空港を午前便で出発し、翌朝に成田へ到着する0泊2日の行程です。成田空港の駐車場は、早朝便利用者向けに駐車場の割引サービスを実施しているため、横浜の自宅からはクルマで向かいました。成田空港には7時40分頃に到着。
0時から8時のあいだに入庫するか、22時~2時のあいだに出庫した場合、6時間以上48時間以内の駐車が割り引きサービスで半額になります。48時間を超える駐車の場合は1日ぶんの料金が割引となります。成田空港は、LCCなどの就航が増えて早朝便が増加しているので、朝早く成田に向かう場合は、自家用車を使うのもアリなんです。
空港カウンターでサッと身軽にチェックイン! |
ほぼ日帰りに近いので、手荷物だけでスムーズにチェックイン。そのまま空港をブラブラしつつ、9時35分のCX509便出発時間に合わせて搭乗します。
香港までのフライト時間は4時間ほど。キャセイパシフィック航空はシートモニターが用意されていますが、さらにウレシイのがUSBポートや電源も用意されているところ。
シートモニターの下にUSBポートがあり充電可能。スマホが置けるようになっているのも◎。 |
電源はシートのしたにありました。 |
キャセイパシフィック航空のエコノミークラスの機内食。 |
今回は0泊2日ということで、香港での宿は用意していません。そのためいちばんネックになるのがスマホの充電です。もちろんモバイルバッテリーも持ってきてはいますが、機内で充電できれば、フル充電の状態で飛行機を降りて使えるのがうれしい。
さらに、スマホに保存してある音楽や動画、ゲームもバッテリー残量を気にせず楽しめるので、機内で退屈せずに過ごせます。
13時25分/香港国際空港着
フライトはスケジュールどおり、13時30分ごろ香港国際空港に着陸しました。約4時間で香港到着!受託手荷物はないので、イミグレーションと税関だけでサクッと香港に入国できます。
到着ロビーに出てみると、山根博士が待っていました。あいさつもそこそこに「並んで!」とうながされたのが、携帯キャリアショップです。
香港といえばこのお方、山根博士です。到着ロビーで合流しました。 |
香港の携帯キャリアCSLのショップがターミナル1の到着ロビーにあります。 |
今回の滞在用に購入したのは旅行者向けとして販売されている、CSLのLTE対応SIM。8日間5GBの通信が可能で、価格は118HKD(香港ドル、日本円で約1890円)です。ちなみに5日間有効で1.5GBほど通信可能な88HKD(約1410円)のパッケージもありますが、今回はあえて高いほうのパッケージを選びました。その理由はのちほど……。
CSLの『Discover Hong Kong Tourist SIM Card』。SIMのサイズは購入時に店員さんに伝えましょう。 |
さっそく持参したiPhone6に購入したSIMを挿します。開通作業などは必要なく、スマホに挿すだけでオーケー。APNの設定なども不要で、すぐにLTEを掴みました。Androidなどで設定が必要な場合は、下記のとおりです。
APN:pccw
ユーザー名:空白
パスワード:空白
通信環境が整ったところで、電脳弾丸ツアーの移動開始です。まずは香港内をスムーズに移動するため、『オクトパスカード』を購入。非接触タイプのプリペイドカードで、日本のSuicaと同じように、チャージしておけばタッチで支払いできます。
オクトパスカードは150HKD(約2400円)。100HKDぶんがチャージされていて、残りの50HKDはデポジットになっています。山根博士によると、0HKDになってしまった場合チャージしないと使えませんが、1HKDでも残っていれば一度だけデポジットぶんから減算されて使えるとのこと(-35HKDまで)。これも現地在住の山根博士ならではの香港テクです。
地下鉄駅などには、残高をチェックできる機械も設置されています。 |
ここで香港在住山根博士からのワンポイントアドバイス。到着ロビーにあるオクトパスカード販売カウンターは混雑していることが多いので、エアポート・エクスプレスのホームまで行って、右手に進んでいったもうひとつのカウンターで買うのがオススメとのこと。
こちらは到着ロビーにあるカウンター。何人も並んでいます。 |
ホームにあるカウンター。並んでいる人はほとんどいなくてスムーズ。 |
14時30分/バスターミナル→上水駅
続いて空港併設のバスターミナルへ移動し、A43の路線バスに乗り込みます。空港から香港市内へ行くのではなく、中国本土に移動し、世界一の電脳街“深セン”に行こうというわけです。深センはひと昔前の秋葉原のような、それ以上の雰囲気を味わえる街とのことで、期待が高まります。
香港と言えば定番の2階建てバス。A43は20分おきに出ています。 |
運よく2階最前列をゲット! 眺めが最高です! |
バスの運賃もオクトパスカードで支払えるので、乗車時にリーダー端末へかざすだけでオーケー。料金は30.9HKD(約500円)です。
バス乗車中に「CSLのSIMで中国ローミングできるように登録しておいて」と山根博士から言われました。今回購入した『Discover Hong Kong Tourist SIM Card』は、中国本土とマカオ、台湾での特別ローミングプランが用意されています。料金は40HKD/日で、40MBまで利用可能。
申し込むためには40HKD以上がSIMにチャージされている必要があります。8日間有効のプランは購入時に48HKDがチャージされているので問題なし。一方5日間のほうは30HKDしかチャージされていないので、申し込みできません。
これが短い滞在ながら8日間のプランを購入した理由。もちろん、中国本土にいく予定がない場合は5日間有効のSIMカードでじゅうぶんです。
ローミングプランの申し込み方法は、通話アプリから“*131#”へダイヤル。あとは英語の画面表示にしたがって進めていくだけなので、難しくはありません。
“*131#”にダイヤルすると、メニューが表示されます。 |
申し込みが完了すると、確認のSMSが。 |
まずは“上水駅”までバスで約50分。そのまま地下鉄に乗り換えて、国境の“羅湖”へと向かいます。地下鉄もオクトパスカードを改札口にかざすだけとラクチンですね。羅湖駅は上水駅から1駅。22.4HKD(約360円)でした。
上水駅からは地下鉄。地上駅ですが地下鉄です。 |
地下鉄東鉄線の終点、羅湖駅に到着。駅は中国本土へ向かう人でいっぱいです。 羅湖駅は香港の出国審査場に直結していて、人の流れに着いていけばオーケー。香港での出国審査を終えて、そのまま歩いて行くと中国本土に入国。そこで中国への入国審査をします。
15時50分/中国入国
特にトラブルもなく、中国の入国審査と税関を抜けて深センに到着しました。ここから深センの電脳街“華強北路”までは地下鉄で向かいます。ここはオクトパスカードが使えないのでICカードが入ったコインのような形状のキップを購入。乗るときにかざして、降りるときにコインを改札口に(貯金箱のように)戻します。最寄り駅となる華強路駅までは5駅。料金は3元(約60円)でした。
我々が到着した際はあいにくの天気でしたが、遠目から見た場合の街並み。 |
地図でいうと駅の下側一帯が、有名な深セン電子街です。 |
家電やスマホショップが建ち並ぶ華強北路。 |
華強北路は、ひと昔前の秋葉原のような様相の街で、いたるところにPCやスマホ、家電ショップの入ったビルがひしめき合っています。中にはPCを分解したパーツ屋、ロット売りがメインの問屋まで混沌としながらも熱気のある街です。
ビルの中は小さなショップが並んでいます。 |
深センで販売しているのは中国向けということもあり、日本で使うためのPCやスマホを購入するには向いていません。ですが、いまや世界の工場となった深センということで、スマホ系のアクセサリーは豊富です。特にiPhoneやGALAXYなどグローバルモデルなら日本版でも使えるものが多いのでオススメです。
iPhoneなどのケースが大量に展示されています。 |
Apple Watch関連のアイテムもたくさんありました。 |
1時間半ほどあちこちの電脳ビルと堪能して深セン探索は終了。今回は弾丸ツアーですので早足で来たルートを戻り、再度香港に入国! 旅行者と香港在住者の入国審査ゲートは別になるので、間違えないようにしましよう。
18時/香港再入国→深水歩駅
無事、香港に入国できたら、羅湖駅から地下鉄に乗り込み、いよいよ香港中心部を目指します。山根博士が「香港に来たらここを見ないと!」と連れてこられたのが、“深水歩”です。羅湖駅から深水歩駅までは、2駅乗り継いで50分ほど。オクトパス使用で運賃は37.9HKD(約610円)です。
深水歩駅C2出口をでて桂林街をまっすぐ進む。 |
屋台が何軒も立ち並ぶ深水歩の桂林街。 |
香港はあちこちに露店が建ち並ぶ屋台街が有名ですが、この深水歩は“SIM屋台”が出店しているのです。店頭には香港キャリアだけでなく、中国本土のキャリアも含めて、さまざまなパッケージを大量に販売。最近は近隣の東南アジア諸国や、日本で使えるSIMも旅行者向けに販売しているようです。
多種多様なSIMが露店で大量に販売。だれでも手軽に買えます。 |
海外で使用するSIMも販売。日本国内用の案内も。 |
さすがSIMフリー先進国の香港。お手軽にSIMが購入できるんですね。価格を気にしなければ、コンビニでも買えます。日本もこれぐらい早くあちこちでSIMが買えるようになると良いですね。
19時30分/旺角先達廣場
SIM屋台をチェックしたあとは、ケータイマニアの聖地“先達廣場”へと向かいます。最寄り駅は旺角駅で、深水歩駅から2駅。オクトパス使用で4.2HKD(約70円)です。
旺角駅D2出口からまっすぐ進めば先達廣場。 |
先達廣場は、ビルの中に100軒以上ものケータイ端末ショップが営業しています。山根博士によると、以前ほどの勢いはなくなってしまったそうですが、いまだに世界中のスマホが集まっていて、ウインドーショッピングをするだけでも楽しめます。
小さなショップのウィンドーに、世界各国のスマホが新旧問わず陳列されています。 |
“二手”と書かれているのは中古品を指すのだそうです。 |
ビルの中をウロウロしていたら、山根博士の顔馴染みの店員さんから「いい端末入荷したよ!」と声をかけられました。まるで卸市場のようです。このとき見せてもらったのが超高級ケータイメーカー、Vertuの中古スマホ。中古ながら5万HKD(約80万円)ですって!
「いいなぁ欲しいなぁ」とVertuのAndroidスマホをなめるように見る博士。 |
このように、非常にレアなスマホも扱っているのが先達廣場の魅力。ケータイにちょっとでも興味のある人には、やはり先達廣場は観光スポットとして今でも外せないですね。
20時30分/深井陳記燒鵝
さて。1日ぐるぐると回って、すっかりと腹ぺこ状態。山根博士の案内のもとやってきたのが『深井陳記燒鵝(Sham Tseng Chan Kee Roasted Goose)』という地元のレストラン。先達廣場から歩いて5分くらいの場所にあります。
香港らしいネオンが眩しい深井陳記燒鵝。 |
店先には名物のローストグースが吊されています。 |
このレストランは鴨やチャーシューなど肉料理がメインで、ご飯とセットになった定食メニューを多く取りそろえています。営業時間も朝7時から夜中の0時30分まで営業しており、朝食~夕食だけでなく、カフェとして使うお客さんも多いそうです。香港というと豪勢な中華料理をイメージしがちですが、外食文化が浸透している香港では、普段の食事はこういったレストランでサッと済ませるのが定番のようです。
ローストダックやチャーシューの盛り合わせプレート。198HKD(約3200円)。ローストダックはパリパリの皮目を楽しむもので、肉はよく噛み締めると旨味が強くなる。 |
これはあげた豆腐を炒めた料理。胡椒が利いていておつまみに最高。60HKD(約960円)。 |
21時10分/旺角
お腹も満腹になったところで、旺角周辺でショッピング。といってもお土産ではスマホの購入です。旺角周辺は大手の家電量販店が数多く出店しており、スマホも豊富に取り扱っています。
香港の家電量販店の双璧『Broadway』。 |
こちらも大手家電量販店の『FORTRESS』。 |
こういった家電量販店は22時30分くらいまでオープンしているので便利。クレジットカードも使えますし、購入時にはディスプレーフィルムやケースなどオマケにくれることも多く、山根博士も香港で端末を買うときは家電量販店を利用することが多いそうです。
日本では見かけないWindows Phoneもこんなにたくさん! |
今回の旅では、旅行用にWindows Phone『Microsoft Lumia 435』を購入。Windows 10 mobileのリリースも近く、旅先でプレビュー版も試せますしね。購入時に起動チェックをしてくれるので安心です。
店員さんと一緒に起動チェック。 |
おまけとして、ディスプレーフィルムとケース、マイクロSDがもらえました。 |
ちなみに先達廣場のそばには、“女人街”という衣類やカバンなどを取り扱った露店が集まる屋台街もあります。ガイドブックなどでは定番のスポットで、ちょっと変わったTシャツなど、いわゆる普通のお土産をさがすなら行ってみましょう。
先達廣場の道路向かいが女人街の入り口。 |
こちらもかなり混沌とした露店街で、香港らしさを味わえます。 |
お菓子を売っている『優の良品』でお土産を軽く購入したら、最後に甘い物を食べて弾丸電脳街の旅を〆としましょう。こちらもサクッと食べられる地元のデザートチェーン店『発記甜品(ファッゲイティムバーン)』を利用しました。
店内が若者で賑わっている『発記甜品』。 |
暑い香港で火照ったカラダを冷やすため、マンゴーかき氷をチョイス。価格はメモし忘れましたが日本円で500円前後です。 |
10時20分/旺角出発、空港へ
香港市内でのお楽しみは終了。いそいで帰国の途につきましょう!
旺角のバス停からバスに乗って空港に向かいます。ここで、電脳街を案内してくれた山根博士とお別れ。ちなみに香港のバス路線はアルファベットと数字で路線番号が割り振られていますが、“A”から始まる路線が、空港バスとなっています。
空港バスは20分おきに運行していて、約50分で空港に到着。料金は33HKD(約530円)です。ここまでの移動でオクトパスカードの残高は4.6HKD。前述のようにオクトパスカードは一度だけデポジットぶんを使って、マイナスの残高になっても乗車可能なので、今回はチャージなしで1枚のオクトパスカードを使い切ることができました。
「ふふふ、全部計算していたんだよ」とバスを見送る山根博士のドヤ顔が忘れられません。
旺角から空港行きはA21番。 |
空港には11時頃到着できたため、出発の2時間前にチェックインできました。ここでひとつ注意点があります。香港国際空港は24時間空港なのですが、空港内のショップはほとんどが23時頃に閉店。深夜便の場合は空港でお土産を購入できない可能性が高いので、買い物はすべて市内で済ませておきたいところ。
香港国際空港のカウンター。さすがに深夜便なのでカウンターは空いていました。 |
帰国のフライトはCX524便で、日付が変わった深夜1時の出発です……が、当日の香港は暴風雨警報が出されるほどの雷雨で、フライトスケジュールが大幅に乱れていました。CX524便も2時間ほど遅れての搭乗開始。搭乗後もしばらく機内で待機となりました。
とはいえ、早朝から動いてほぼ休みなく深センと香港を見て回ったので、機内に着くなり爆睡。気が付いたら日本上空でした!
5月24日早朝/成田着
CX524便の到着予定時刻は6時25分。ただ、今回は4時間ほど成田到着が遅れてしまいました。天候による遅れなので、こればかりはしかたないですね。
とはいえスケジュールどおりなら、帰国便を月曜日に設定してそのまま会社に出勤なんてこともできる時間です。ちなみに空港駐車場に駐めておいたクルマの駐車料金は、早朝割り引きのおかげで2060円でした。
以上で香港0泊2日弾丸ツアーは終了! かかった移動費用と通信費は下記のとおり。
成田-香港往復航空券代:2万8310円(燃油サーチャージなどを含む)
香港内移動(オクトパスカード):150HKD(約2400円)
深セン内移動:6元(約120円)
香港プリペイドSIM:118HKD(約1890円)
空港駐車料金:2060円
合計 3万4780円
なんと3万円台前半で済んでしまいました。これなら食事代を入れても4万円以下で海外旅行ができたことになります! これはかなりおトク。
また、香港ドラゴン航空を使えば、深夜1時45分に羽田を出発。復路は香港を夕方の17時55分に出発して、23時15分に羽田に戻ってくるというフライトスケジュールも選択可能です。
『週末・日帰りウルトラ弾丸香港旅行』対象のフライトプラン。すでに完売の路線や日程もありますが、キャンセルで空きがでることもあるとのこと。 |
今回は旅程に深センを組み込んだので、かなり駆け足なスケジュールとなりましたが、香港だけに移動を絞れば、もう少し余裕のあるスケジュールも可能です。弾丸旅行なので、あれもこれもと欲張るプランではなく、筆者のように“スマホ系デジタル”をテーマにしたり、“香港の名所にあるポータルキー(Ingress)をゲットしまくる旅”や、スタンダードに“香港美食食べ尽くし”など、テーマをしっかりと決めて、移動するポイントを絞ってスケジュールを決めるのが、旅行成功へのポイントかと思います。
キャセイパシフィック航空では、この『エコ得 スペシャル ウルトラ弾丸』運賃を7月11日まで販売中(旅行期間は7月12日まで)です。航空券は前日まで購入可能なので、週末のスケジュールが直前まで決められない人でも、「明日香港行っちゃおう!」なんてことができちゃいます。
旅好きだけど時間が取れない! という人は是非、弾丸電脳街旅に旅立ってみてはいかがでしょうか?
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