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日本のSIMフリー市場も賑わすファーウェイの秘密基地で最新スマホを見てきた

2015年04月30日 07時00分更新

 今やすっかり大手メーカーの仲間入りを果たしたファーウェイ。その本拠地とも言える中国の深センには同社の本社であり、開発・生産センターが集まった“ファーウェイキャンパス”が広がっています。今回はそこにある同社ショールームを見学してきました。

ファーウェイ
↑ここはまさしく“基地”なファーウェイ本社。

 ファーウェイ本社の敷地には高層ビルがいくつも立ち並んでいます。ここでスマホやらネットワーク関連など同社のさまざまな製品が開発されているわけです。付近を走る路線バスのバス停は“ファーウェイ基地”。そう、ここはまさしくファーウェイの秘密基地ともいえる場所なわけです。

ファーウェイ
↑食堂が巨大すぎて想像を超えていた。

 ここで働く従業員の数は数万人。それがお昼休みには食堂に一気に集まるわけです。そのためこの“基地”には食堂が数ヵ所あり、今回訪問したこちらは食堂だけでも2階立て構造。これだけの従業員の方々が一度に食事をとれるだなんて厨房はどうなっているんでしょう?

 ま、ファーウェイ本社の食堂の秘密はいつかまたということで、今回はショールームへと急ぎましょう。

ファーウェイ
↑最新のネットワークのことがすべてわかる!

 ファーウェイと聞くとすぐにスマホが頭に浮かぶと思いますが、同社はネットワークインフラも主力事業なのです。そのためショールームには4Gや5Gなど最新のネットワーク関連の展示も多数。数百Mbpsの高速通信のデモなど、これから実用化される技術をその場で体験することもできます。このネットワーク関連の展示は楽しむというよりも勉強になる、そんな感じです。

ファーウェイ
↑もちろんスマホなどの展示もあります。

 ネットワーク関連の展示は駆け足で見ても30分くらいかかるほどさまざまな展示物にあふれています。それらを見終わって頭の中が周波数のことでいっぱいになってパンクしそうになったころ、ようやく見慣れた端末関連の展示コーナーもありました。

ファーウェイ
↑最新モデルを中心とした展示。

 端末関連の展示コーナーは現行機種をずらりと並べるというよりも、最新モデルに絞った製品展示を行なっています。それぞれの端末は複数台が展示されているので来客が多くても大丈夫。希望のモデルをその場でじっくりといじり倒すことができるのです。

ファーウェイ
↑ひっきりなしに来客が訪れてます。

 このショールーム全体は世界中から来訪者がひっきりなしに訪れています。端末コーナーも最初はあまりお客さんがいなかったのですが、5分もするとまるで団体の観光客ツアーのようにたくさんの人がやってきました。

ファーウェイ
↑目玉はやっぱり『Huawei P8』。

 さて、端末コーナーで最も力をいれてディスプレーされていたのは発表されたばかりのHuawei P8でした。なおディスプレーがまだ“Ascend P8”になっているのはご愛嬌と言うことで……。果物の置物や小物が置かれており、カメラ画質も実際に試すことができます。また、SIMは入ってませんがWiFiにつながっているのでウェブページを開いて指の関節で画面をクリックしてスクリーンキャプチャーをとる、なんてP8の目玉機能も体験することが可能です。

ファーウェイ
↑P8のデュアルSIMモデルも置いてあった。

 筆者がロンドンで行われたHuawei P8の発表会では、デモコーナーに置かれた端末はすべてグローバル版となるシングルSIMモデルでした。一方、ここにはデュアルSIM対応の中国やアジア向けモデルも展示。このモデルは片側のSIMスロットがナノSIMとマイクロSDの共用スロットですが、その構造を確認することができたのはラッキーだったかも。片側は常に2Gになるので日本では需要がなさそうですが、MVNOのSIMを片側に入れて切り替えて利用するという使い道もあります。このP8がもし日本で出るならデュアルSIM版も投入してもらいたいものです。

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↑アクセサリー類もさまざまなモノを展示。

 端末はほかに日本でも出ている『Ascend Mate 7』や、オンラインチャンネル向けのHonorの最上位モデル、『Honor 6 Plus』などが展示されていました。そしてそれらスマホ用のケース、さらにはモバイルバッテリーやBluetoothヘッドセットなども純正品を豊富に展示。ファーウェイ自らもさまざまなアクセサリーを販売していることがわかります。

ファーウェイ
↑カラフル&薄型のモバイルバッテリーは結構使いやすい。

 実は中国のスマホメーカーは各社がモバイルバッテリーなどのアクセサリーの販売を強化しています。ファーウェイのこちらのバッテリーはその先駆けともいえる製品。パステル調ながらカラフルな色合いで厚みも薄く、カバンの中に入れても邪魔になりません。デザインも悪くないのでこれは日本でも売ってほしいですねえ。

ファーウェイ
↑自動車向けのルーターは結構オススメ?

 ほかにもLTE対応のモバイルルーターの展示もありました。その中でちょっと気になったのがこちらの製品。右のものは自動車のシガーソケットからUSBを給電するアダプターと、USB接続タイプのWi-Fiルーター。左のモノは日本でも発売された『Car Wi-Fi』ですね。自動車の中ってシガーソケットから電気が取り放題なだけに、この手の自動車向けWiFiルーターの普及をファーウェイは狙っているのかもしれません。

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↑スマートバンドはやはり金色が人気。

 そして、最新のウェアラブル端末、Bluetoothヘッドセットにもなるスマートバンド『TalkBand B2』も展示。本体が金色でベルトが革の製品が展示されていましたが、これが中国系の来訪者の方々にかなりの人気でした。でも、この金色って落ち着いた色合いですし、スーツの袖口からちらっと見えても意外と目立たないように思います。中国に限らず万国共通で受けそうな色合いかも。

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↑謎のスマホも発見。

 さて、ファーウェイはここのショールームのほかに、企業向けのビジネスソリューション専用のショールームも持っています。それだけビジネスの幅を広げているってことなんでしょうねぇ。そちらではたとえばこんな業務用のスマホも発見。LTEを使ったPTT(ピュシュ・トゥー・トーク)端末で、トランシーバーの用に音声のやり取りができるだけではなく、なんとその場のビデオ画面も同時に他の複数の端末に送ることもできます。

 もちろん業務用ですが、いずれ警察や消防署などで普通にこれが使われるようになるのかも知れません。

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↑Android搭載のイエデンワっぽい電話機も。

 そして、こちらは企業向けの電話機ですが、OSはなんとAndroid。8インチ1280×800ドットディスプレーを搭載し、200万画素カメラも本体上部に備えています。用途は複数の事務所間でのビデオ通話などで、ディスプレーは複数の通話先のビデオを分割して同時に表示可能というもの。これコンシューマー向けにLTEを内蔵して“Androidイエデンワ”として発売してくれないでしょうかね?

ファーウェイ
↑企業のショールームは新しい発見があって面白い。

 ほかにもサーバーなどを見せてもらいましたが、そこにあった単位は“PB”。この界隈の世界ではもはやギガやテラを超えた“ペタバイト”が当たり前のように使われているんですね。ほかにも実際に社内で使われているシンクライアント端末や、無人クレジット発行のATM端末があったりなど、普段はなかなか見られない製品が目白押しで見学時間はあっという間に過ぎていきました。やはり実際に製品を作っている企業のショールームは面白いものですね。

 ということで、機会があればまた訪問してみたいと思いますが、次回は本当、食堂レポートをぜひやりたいと思います。実際に食べてみましたが、安くてうまくてウハウハでしたよ。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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