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OSVRに『Unreal Engine』無料化…加速するVR熱を写真で振り返り:GDC 2015

2015年03月14日 21時00分更新

 現地時間の3月2~6日、米国サンフランシスコにて実施した“Game Developer Conference 2015”(GDC 2015)は、2万6000人の業界関係者が集まって大いに盛り上がりを見せた。週刊アスキーでも5本の記事で現地をレポートしてきたが、最後のまとめとしてエキスポ会場で見つけた興味深い展示を振り返っていこう。筆者の興味のおもくまま、バーチャルリアリティ(VR)関連に偏っているのはご容赦ください。

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GDC 2015
↑GDCの会場は、アップルの世界開発者会議(WWDC)でも使われるモスコーニセンター。ノース、サウス、ウェストという3つの建物に分かれている。
GDC 2015
↑大きく、ノースは就職向けのブース、サウスがメインのエキスポ会場、ウェストがカンファレンスという切り分けだ。
GDC 2015
↑エキスポ会場では、入り口にSCEアメリカとマイクロソフト、中央にOculus VRとエピック・ゲームス、NVIDIAがブースを構えていた。

■新製品の体験が限られていたHMD勢

 VR系の花形といえば、ヘッドマウントディスプレー(HMD)だろう。今回はSCEが新型の『Project Morpheus』を、ValveがHTCと組んだ『HTC Vive』を発表したのだが、いずれも一般に向けて広く展示していなかった。来場者が触れたのは、Oculus VRの最新試作『Crescent Bay』や 、Razerが手がけるオープンソースの『OSVR』など発表済み製品だったが、それでも長蛇の列ができていた。

●ソニー・コンピュータエンタテインメント
GDC 2015
GDC 2015
↑SCEのブースは試遊台があったものの、Valveは商談ルームのみ。SCEはプレスや関係者、Valveは事前予約が通った一部のユーザーが体験できただけで、一般参加者にとってはなかなか寂しい状況だった。
●OSVR
GDC 2015
↑OSVRは、今年6月に199.99ドルで開発キットの出荷を目指してるVRHMD。ハード、ソフトともにオープンソースをうたっている。
GDC 2015
↑1月のCESで発表した時点ではPC周辺機器やコンテンツメーカーなど25団体が賛同を表明していたが、その後50団体まで増えている。Internet ExplorerやChromeに対するFirefoxのような存在で、特定企業の意向に沿わずに開発・運用できるのがポイントだ。
GDC 2015
GDC 2015
↑ハードウェアのスペック的には1920×1080ドット/60fpsでポジショントラッキングなしと、最新のHMDに比べるとやや劣ってしまうものの、アクセサリー用のUSB端子を備えているのが特長だ。実際にひとつのコンテンツだけ体験してみたところ、画面がきれいになったOculus RiftのDK1という印象。これからの発展に期待したい。

■VRの体験を深めるアクセサリーも続々登場

 VRHMDによるバーチャル体験では、あまりに映像がリアルなゆえ、自分の体が表示されなかったり、CGに触れないことが不満に感じるということがありがちだ。Oculus Riftの知名度が上がるとともに、そんな問題を解決してくれるPC周辺機器が続々と名乗りを上げ、ネットのクラウドファンディングで出資を募るというトレンドが起こっている。GDCのEXPO会場でも、そんな活況が反映されていた。

●Magic Leap
GDC 2015
↑昨年10月、グーグルから5億4200万ドル(約658億円)の資金を調達し、詳細が明かされないウェアラブルARデバイスを開発していると話題のMagic Leapも出展……していたのだが、キャリアセンターで人材募集していただけで具体的な展示はなかった。
●Noitom『PERCEPTION NEURON』
GDC 2015
↑筆者が一番気に入ったのが、中国企業のNoitomが展示していたモーションキャプチャシステムの『PERCEPTION NEURON』。数十からなる小型ユニットを体のあちこちに配置し、動きをデータ化してくれる。
GDC 2015
↑小型ユニットの位置は固定ではなく、手の動きを細かくとりたい場合は各指に、体全体をキャプチャしたいときは全身にと、自由に設計できるのがポイントだ。価格はソフトも含めて1500ドルという話だった。
●ミライセンス『4D Space Navigator』
GDC 2015
↑日本企業では産総研発のベンチャー、ミライセンスが触覚フィードバックデバイスの『4D Space Navigator』をデモしていた。
GDC 2015
↑デバイスが振動することで、CGの触感を指先に伝えてくれる。硬さや凸凹といった微細な表現が可能だ。
GDC 2015
↑その他、2013年のE3から大いに話題になったが、その後、なかなか製品が出荷がされないVirtuixの歩行デバイス『Omni』や……。
GDC 2015
↑同じくなかなか出荷されないSixenseのモーションコントローラーの『STEM』もブースを構えていた。
GDC 2015
↑会場にあったにも関わらず、見逃して非常に残念だったのが、嗅覚のVR周辺機器である『FEELREAL mask』。ジャングル、海、火、風といった4種類の香りをセットし、VRコンテンツに連動して再現できる。公式サイトにて249.99ドルでプレオーダーを受け付けている。

■開発環境の無料化で開発者が大量参入する!?

 ソフトの分野でなんといっても外せないのがVRコンテンツの開発環境で、Unity、Unreal Engineといった二大巨頭で大きな動きがあった。具体的には、Unityは最新バージョンとなるUnity 5をリリースし、無料版のパーソナルエディションで使える機能を大幅に増やした。Unreal Engine 4では、月額19ドルの定額料金から無料化に移行。四半期で3000ドル以上の売り上げがあったときに5%のロイヤリティーを払う以外は、フル機能で使えるようになった。

●Unity
GDC 2015
↑Unityブースでは展示のほかVRコンテンツ制作に関するセミナーなども実施。ちなみに写真右上にいるヒゲのおじさんは、Unity 5のキービジュアルにあしらわれているキャラクター。見た目のインパクトの大きさから、日本でも大いに話題になっていた。
GDC 2015
↑そうした人気を見越してか、ブース内にはオフィシャルでコスプレした方も! 謎の力の入れようにちょっと感動してしまった。
●Unreal Engine
GDC 2015
↑Unreal Engine 4では、NVIDIAが明かした最高峰GPU『GeForce GTX TITAN X』を使ったデモが目玉だった。
GDC 2015
GDC 2015
↑VRコンテンツはインディー系を中心に多数出展していましたが、筆者の時間が足りずに残念ながら回れず……。日本からはコロプラが『白猫VRプロジェクト』をデモしていました。

 というわけでHMD、アクセサリー、ソフトという3つのジャンルでVR系の盛り上がりがお分かりいただけただろうか。今年は6月16~18日に開かれるゲーム系展示会“E3”や、おそらく昨年同様、秋に開催するであろうOculus Rift開発者向けイベント“Oculus Connect”が大きな山場になりそうだ。2016年のGDCは、3月14~18日開催する。その頃までには大きく情勢が変わっていそうなので、ガジェットファンはぜひ注目しておきたい。

■関連サイト
ソニー・コンピュータエンタテインメント

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