話題のスマホゲームのクリエイターとスクウェア・エニックス安藤武博氏が対談する連載『召喚★アプリ神(ゴッド)』。週刊アスキー本誌で掲載しきれなかったインタビュー内容を3回に分けて掲載します。
第6回目のゲストはこの人、コロプラ『白猫プロジェクト』のプロデューサー浅井大樹さんと、プロジェクトマネージャー角田亮二さん。(前編、中編、後編)
なお、第6回のゲストはマーベラス『剣と魔法のログレス いにしえの女神』のプロデューサー板倉基之さんと、開発を担当しているAiming ディレクター下川昌平さん。このインタビューを読んで気になっていただけた方は、11月25日発売の週刊アスキーをチェックしてみてくださいね。
↑プロデューサー浅井大樹氏 |
↑プロジェクトマネージャー角田亮二氏。 |
■ 浅井氏が考えるこれからのスマートフォンゲーム
安藤:以前、浅井さんとこれからのスマートフォンのゲームがどうなっていくかというお話をしたときに、お金のいただき方や商品構成について、浅井さんの中に明快なイメージがあったのを覚えているんです。カードのようなものにキャラクターがのってパラメーターがあって、そういったものを所有するシステムは完成度が高いから今後もそうなっていくだろう、というお話しをされていましたよね。
白猫もカードではありませんが、3Dのキャラクターや武器、そこにひもづくスキルを所有したり集める喜びがあるんですが、その考え方は白猫をリリースされた今も変わっていませんか?
浅井:今現在は新作に目を向けていて、次はどうしようかなと考えています。何かを集めて自分の手元に置いておく、それが楽しいからお金を払うというモデルは日本であれば十分に通用します。でも黒猫を世界展開してわかったんですが、海外では通用しないんですよ。日本の市場は今レッドオーシャンで、もちろん世界中にレッドオーシャンはあるんですけど、先を見据えた時に一歩引いたところでゲームというビジネスを見ていかなければと思います。今おっしゃったようないわゆるガチャモデルがこの先も果たして最適なのかどうか、考えなければいけない時期かなと思っています。
安藤:今お考えの中で、これなら行けそうだ、というものはありますか?
浅井:厳密にはないですね。いろいろと試してからという感じです。
安藤:僕は『マインクラフト』は奇跡的なヒット作品だと思うんです。売りきりのアプリですが毎日すごい数の人が遊び始めていて、しかも長く遊ばれる。日本だけじゃなくて世界的にも受けているし、小学生にとってはデジタル世界のレゴブロックのようになっていて、とんでもないものをつくるみたいですね。
それも今ならではのエンターテインメントの形だと思いますし、マインクラフトがすごく受けていると考えると、ガチャガチャだけじゃないんだなと思います。黒猫に続いて白猫も世界展開すると思いますが、そういうチャレンジに踏み出し始めているという感じですか?
浅井:気持ちとしては踏み出し始めていますね。もちろん元の場所に返ってくる可能性もあるんですけど(笑)、上手くいくかどうかは企画次第だと思っています。
↑タウンについて角田氏は、「別のゲームをひとつ追加した気分」と語った。ゲームとしてのボリュームを増すと同時に、自分だけの町をつくり 出す楽しみが味わえる。 |
■ まだまだ進化する白猫と今後二人が目指すもの
安藤:白猫プロジェクトを遊んで思ったのは、スマートフォンのゲームのアクションRPGとして非常に完成度が高いことです。画面が縦持ちで片手で気軽に遊べるとか、インターフェイスのデザインであるとか、最適化のされ方が半端ないしストーリーの見せ方も練られている。でも、まだまだ伸びしろがあると思っているんですよ。お二人もいろいろお考えだと思いますが、いかがですか?
角田:そうですね、課題点も見えてきていますし、チームのメンバーにも今後やっていきたいことがあるみたいです。
安藤:差し支えなければ、どういう課題なのか教えてください。
角田:今回は端末ごとのぷにコンの感度調整に難儀したんですけど、あらゆる端末に対応できそうな手法が出てきたんです。次回はインターフェイス回りのチューニングがしやすくなると思います。
グラフィック回りも軽量化や最適化したいですし、今回タウンでLOD(遠近によって解像度を変え3D表示を最適化する技術)を実装したりと、技術的にもコンシューマーライクなノウハウが得られたので、より高い表現へチャレンジしていきたいですね。
全体的なビジュアルイメージも、スマートフォンのコンパクトな画面サイズだからこそデフォルメ感が生きていたと思うんですが、iPhone6 Plusで画面サイズが大きくなったとことで、大画面に映えるつくり方がこれからは求められるようになるのかなとも思います。
安藤:白猫プロジェクトはまごうことなき王道のRPGで、ストーリーもきちんとつくられていますよね。運営ものの定めでこれからも続いていくと思うんですけど、どこかで物語の区切りや、エンディングは入れる予定でしょうか?
角田:エンディングはいったん決めて動いておりまして、その先はおそらく第二幕という形になると思います。
安藤:先の展開も決まっているんですね、いいですね。ユーザーのみなさんがお話を進めるスピードは予想以上に早いと思うんですが、いかがですか?
角田:あっという間です。早く続きを、とご要望をかなりいただいています。
安藤:お話は浅井さんが考えられているんですか、角田さんなんですか?
浅井:シナリオチームがありますので、みんなで考えて、僕が見させていただいています。
安藤:第一幕の終わりまでは、チームの皆さんの中にあるという状態ですね。
浅井:そうですね、こんな感じで進みますよという道筋はできていて、運営といっしょにやっていく感じです。つい最近、想定していたステージが角田の一言でひっくり返るということもありましたが(笑)、アドリブで今あるアイデアを使いながらつくっています。
安藤:黒猫と白猫が文字通りヒットしている中、気が早いとは思うんですけどお二人の次のもの、これからつくってみたいもののイメージはありますか? 黒猫と白猫ときて、猫は一段落という感じですかね。
浅井:“子猫プロジェクト”というのを考えています(笑)。最初にそれっぽい名前をつけてしまうとそのまま行ってしまうかもしれないので、僕は安藤さんとは逆で、ある程度固まるまでタイトルを決めないようにしています。
安藤:いいですね、ミステリアスで楽しみです。角田さんはいかがですか?
角田:ユーザーさんが楽しめるコンテンツを追加して、白猫をパワーアップさせていきたいですね。
安藤:具体的にはどういったものをお考えですか?
角田:ぷにコンでいろいろなことができること、それが受け入れられるという実感がありましたので、さらに進化させて突っ込んだことをやりたいなと。ぷにコン自体も進化するかもしれませんよ(笑)。
安藤:ぷにコンという名前からして進化しそうですよね(笑)。コロプラさんって僕の中では、任天堂さんのように今までになかった遊びを生み出してくれると期待してしまう会社なんです。白猫もいろいろなアイディアに満ちていますし、RPGでまた違う遊びや、新しい遊びをつくってほしいなと思っています。最後に、ファンの皆さんに伝えたいことがありましたらお願いします。
角田:遊んでいただいている皆様のご意見は、きちんと運営に反映させていきたいと考えています。これからもよりお楽しみいただけるよう、創意工夫をしながら随時コンテンツを追加していきますので、今後も白猫をお楽しみいただければと思います。
浅井:弊社はアプリケーションを通してお客様とコミュニケーションを取らせていただくことが多かったため、きちんと声を聞いているのかどうかというご心配があったり、実際そういったご意見もいただきます。でもご意見はきちんと拝見させていただいていますし、最近はニコ生に出演させていただくなど、できるだけお客様と接する機会を増やしたいと思っております。ぜひ今後とも弊社のサービスで遊んでいただければと思います。
※記事の内容は10月19日現在のものです。
↑コロプラ『白猫プロジェクト』のプロデューサー浅井大樹氏(中)と、プロジェクトマネージャー角田亮二氏(右)、スクウェア・エニックス安藤武博氏(左)。 |
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