急速に存在感を増した「Unity」最大の武器とは?
ゲーム開発環境「Unity」は2005年、米ユニティー・テクノロジーズ社が誰でもゲームが作れるようにと「ゲーム開発の民主化」を掲げて誕生した。いまや全世界で約250万ユーザーが利用するほどに成長し、日本でもその人気は絶大だ。日本で4月に開催されたUnityのカンファレンスイベント「Unite Japan 2014」のチケットは、用意した1200 枚が事前に完売したという。
数あるゲーム開発環境の中でこれほどUnityが普及した理由のひとつに、2010 年に始まったユーザー同士で素材やプログラムを売買できるオンラインストア「Asset Store」が挙げられる。Asset Storeには世界中の開発者が制作したUnityで使える素材や拡張機能(アセット)が何千点と並ぶ。無料で使えるアセットも多く、3Dモデルのデータやサウンドといった素材以外に、ゲームシステム自体も入手可能。こうしたアセットを組み合わせれば、コードを1行も書かずにゲームを開発することも夢ではないのだ。
テキストアドベンチャーが気軽に作れるアセット「宴」
「宴」は、コードを書かずにExcelの編集だけでテキストアドベンチャーゲームが作れてしまうアセットだ。価格は65ドル(約6500 円)だが、無料の体験版もある。なお、以下はUnityがダウンロードされているという前提で話を進めていく。Unityを使ったことがない場合は個人利用であれば無料で使えるBasic版をUnityの公式サイトから事前に入手し、インストールしよう。
「宴」のインストール方法
Unityを起動した状態で、「宴」の公式サイトから無料体験版をダウンロードする。公式サイトのトップ画面にある「無料体験版」ボタンをクリックしよう。
次に、ミニクイズゲームのサンプルプロジェクトをダウンロードする。宴の公式サイトの「ドキュメント」ページから「チュートリアル用パッケージ『Unityちゃんクイズ』」のリンクをクリックする。
Unityエディターで「QuizComplete」のゲームを起動し、画面中央のPlayボタンを押すと、「QuizComplete」のゲームが起動する。無料体験版を使っている場合は、画面の右上に無料体験版を示す「宴」のロゴマークが表示される。
最初はテキストアドベンチャーゲームでいうタイトル画面が表示される。「はじめから」をクリックするとゲームが始まる。
ユニティちゃんが画面に表示され、3問のクイズゲームに挑戦できる。Excelファイルどおりにシナリオが再生されているので、細かいことはわからなくてもExcelファイルと照らし合わせて確認してみよう。
Excelファイルの「Start」シートを開き、シナリオ冒頭のセリフを入力してみよう。キャラクター名の横にセリフを追加できる。「Arg1」の列にキャラクター名、「Text」の列にセリフを足そう。記述が終わったら上書き保存する。
Playボタンを押して実際の表示を確認してみよう。今回はキャラクター名を「こはく」、セリフに「君は何問正解できるかな?」を追加した。Unityエディターに戻ってゲームを起動すると、先ほど入力したセリフがゲームに反映されている。
MacPeople10月号(8月29日発売)の新連載「3時間でUnity」では、Unityの公式キャラクター「ユニティちゃん」が登場するクイズゲームと3DのRPG風ゲームのサンプルプロジェクトを使い、体験版の「宴」の基本操作やゲームのカスタマイズ方法を解説しています。ぜひ、チェックしてみてください。
このほか、MacPeople10月号(8月29日発売)ではサブスクリプションライセンスの登場でモバイルゲーム開発の新潮流になること必至のUnreal Engine 4を32Pにわたって総力特集。また、Macの選び方からXcodeの使い方まで紹介する「アプリ開発はじめの一歩」、たった3つの方法で収益をアップさせる「アプリのダウンロードを増やす方法」など盛りだくさんの内容となっています。ぜひお手に取ってみてくださいね。
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