この7〜9月、niconicoは全国10ヵ所で“ニコニコ町会議 全国ツアー2014”を展開している。8月3日、その3ヵ所目となる、“ニコニコ町会議 in 愛媛県 宇和島市 『宇和島Hawaiianフェスティバル』”が実施され、約3000人の来場者と、約20万人のネット視聴者を集めた。台風直撃で町会議史上、最悪ともいえる状況をものともせずに大いに盛り上がった現地をレポートしていこう。
niconicoではここ3年、毎年4月に千葉県の幕張メッセにて“ニコニコ超会議”という10万人規模のイベントを開催している。歌ってみた、踊ってみた、演奏してみた、ボーカロイド、ゲーム実況、生放送、描いてみた、ニコニコ技術部、料理、つくってみた……など、niconicoの各カテゴリーを地上にだいたい再現するという壮大な企画になる。
町会議は、その超会議の町バージョンとして3年前にスタート。来てほしい場所をユーザーから募集し、その土地のお祭りと併催するというスタイルで全国に出張してきた。そもそも「IT企業がなんで全国ツアー?」と謎に感じる人も多いかもしれないが、niconicoの有名ユーザーが出演することもあって、どの開催地もめちゃめちゃ盛り上がります。
今回の愛媛県宇和島市は、四国の南西部にある人口8万2000人の自治体。コラボした『宇和島Hawaiianフェスティバル』は、2001年、ハワイのオアフ島沖で起こった、宇和島水産高校の練習船とアメリカ海軍の原子力潜水艦が衝突した“えひめ丸事故”に端を発する。この事故をきっかけに宇和島市とホノルル市は姉妹都市になり、10年目にあたる2011年、悲劇を風化させないため、両都市の良好な関係を築いていくためにイベントが始まった。キャッチコピーの“笑顔のために”は、ちょっとniconicoに近いですよね。
しかし、町会議を実施した8月3日の天候は、非常に厳しいものだった。台風12号の影響で四国では激しい雨が降り続き、高知や徳島、和歌山の9ヵ所で観測史上、最多雨量を記録。約25万世帯に避難勧告が出され、床上・床下浸水、がけ崩れなども発生していた。ネットで、橋すれすれに増水した河川、道路にあふれる水、住民を救助に向かったパトカーが水没する写真などを見かけた人もいるはず。
実は宇和島はそこまでひどくはなく、常に曇っており、ときおり激しく降ってはやむという状況だったが、それでも高速道路が交通止めになったり、鉄道が運休したりと、イベントの集客的にはかなり不利な状況だった。そんな中でも3000人も集まってくれたというのは、かなりの奇跡なのではないだろうか。しかし、町会議は昨年も天候に悩まされたとはいえ、今年も1ヵ所目の長野が豪雨、2ヵ所目の宮崎がカンカン照り、3ヵ所目の愛媛が豪雨と受難が続きます。
↑13時にオープニングセレモニーがスタート。MCで生主の百花 繚乱さんは「今日、雨降って人が来てくれるか不安だったんですが、不安が吹き飛びましたね」と挨拶。ニワンゴ社長の杉本氏は「ひとりでも会場に来てくれるんだったらやろうというのが町会議」と発言して会場を盛り上げていた。
↑イベント誘致のきっかけをつくったユーザーの一人、古賀大希さんは、「体調とかに気をつけて、みなさんで盛り上げていきましょう!!」と語っていた。百花 繚乱さんのファンとのことで、舞台上で対面をはたした両者ともすごくうれしそうでした。
↑宇和島市市長の石橋氏は、「大勢の方、多分宇和島市民より他の方が多いんじゃないかと思います。遠くから天気の悪い中、来ていただき感謝しつつ、歓迎の意を述べたいと思います」と挨拶。
↑宇和島は、ちょうど400年前の1614年、伊達政宗の長男、伊達秀宗が宇和島城に入場し、宇和島伊達氏が成立した土地としても知られている。ステージ上に13代目当主、伊達宗信さんが登壇して、市長らと一緒にテープカットに参加していた。
↑オープニング後には、恒例のラジオ体操。壇上では写真左から、踊ってみたユニット“むすめん。”のメンバーである“あおい”さん、気まぐれプリンスさん、白服さんがお手本を見せる。さりげなく市長の石橋氏が後ろで参加してたのに感動してしまいました。
■豪雨にも負けずに“踊ってみた”
町会議の企画は、ステージとブースに大きくわけられる。ステージでは、ゲストの有名ユーザーだけでなく、来場者もトラックの舞台にあがって、歌や踊りを披露する。その様子はニコニコ生放送を通じて、全世界に生中継されていた。……ってな感じでさらっと流しておりますが、現地は再三の雨で、湿度が80〜90パーセントはあるんじゃないかという超じめじめな環境。悪条件の中で、最後まで滞りなく放送したのは、かなりスゴいことと言えるだろう。
↑“町歌ってみた”は、抽選で選ばれた来場者がカラオケできるというもの。ユーザーを案内するのは、声真似で有名なじゅん☆じゅんさん(写真左)と、地元の愛媛から選ばれた町MCの“べべりんこ”さん(右)。
↑長野と宮崎の町会議で姿を見せていた、あまちゃんファンの方(中央)がなんと愛媛にも参戦! あまちゃんオフ会の方々と一緒に、“潮騒のメモリー”の替え歌という“山彦のメモリー”を歌ってました。
↑じゅん☆じゅんさんも、事務員Gさんのしっとりしたピアノをバックに、ボカロの名バラード“rain stops, good-bye”で美声を響かせていた。
↑白服さんも、夏にぴったりなボカロ曲“夏恋花火”で観客を魅了する。この頃はだいぶ雨脚が強くなっていたが、雨具を持っていないお客さんもそのままぬれながら応援していた。見る方も気合いが入っています。
↑“町踊ってみた”では、課題曲の振り付けをみんなで覚えて、その成果をみんなの前で発表する。今回は、むすめん。のオリジナル曲“サマービーナス 〜真夏のアイドル〜”と、梅とらさんのボカロ曲“虎視眈々”の2曲が選ばれて、2回にわけてレッスンしていた。テレビ愛媛のキャラクター、ビビットくんも含めて、参加者がめちゃくちゃ多い!
↑サマービーナスの発表風景。会場の地面は砂で、雨のせいでかなりぬかるんでいたが、それでもみんな必死に踊ります。そしてビビットくん、子供に大人気。
↑虎視眈々のレッスンは、白服さんが歌ってみたに出演するため、あおいさんと気まぐれプリンスさんの2人で実施。みなさん雨の中でも傘なしで必死に先生の教えについていきます。
↑発表の頃には、非情なことにさらに土砂降りが加速。そんな悪条件でずぶぬれになりながらでも踊り切る姿がまぶしいです。
↑時間的には虎視眈々の踊ってみたの前になるが、会場のお客さんを集めてじゃんけん列車をするという“大人数遊び”も実施。やぐらの上に、クサカアキラさんが上って音頭をとってました。
↑最後は残った3人が、みつどもえでじゃんけん。7回連続で勝利した強運の“セイレン”さんが、出演者全員のサイン入りTシャツをゲットしていた。
↑ステージ演目の合間には、町実況ブースからの中継が流されていた。写真の“さつき が てんこもり”さんとクサカアキラさんのほか、事務員GさんやべべりんこさんがMCとなり、出演者や来場者を呼んでトークしたり、じゃこ天や鯛めしなど宇和島市の名物を紹介していた。
↑町にニコニコカーで繰り出して、地元のよさを伝えるという中継では、千野ちゃんがレポーターを担当。フラダンスを練習して……。
↑町会議の会場からほど近い、Hawaiianフェスティバルのステージで披露します。
↑さらにフラダンスの途中で、持ちネタである土俵入りをはさんで会場の喝采を集めていた。
↑宇和島の名産を紹介するコーナーでは、地元のお祭り“うわじま牛鬼まつり”で使われている“牛鬼”が登場し、町実況ブースに突撃するという勇姿を見せた。
その1はここまで。その2もお楽しみに!
■関連サイト
・ニコニコ町会議2014全国ツアー 公式サイト
■お知らせ
ニコニコ超会議の全国ツアーバージョン“ニコニコ町会議2013”全祭りのほぼすべてを記録したレポート記事の電子書籍が発売中!
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります