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BLEやiBeaconの“現場の声”がわかった 日本Androidの会2月定例会レポ

2014年02月16日 11時00分更新

 日本Androidの会は、都内会場において“BLEのイマ-その技術と実装事例の紹介”をテーマに2014年2月定例会を実施した。

日本Androidの会2月定例会レポート
↑今回の2月定例会コーディネータを担当した石塚宏紀氏。

 今回テーマに挙げられたBLEとは“Bluetooth Low Enagy”の略称で、非常に少ない電力で通信できる規格で、ボタン電池などを使った端末やセンサーとのデータのやりとりに利用できる。

 Androidではバージョン4.3(Jelly Bean)以降から標準採用、iOSではBLEを基にした技術“iBeacon”をiOS7から実装している。今回はAndroidの普及を目的とする同団体にも関わらず、Android、iOSの双方を扱った講演が設けられた。

日本Androidの会2月定例会レポート
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 最初は“iBeaconとBLEとHardwareアクセサレータ”というテーマでGClueの佐々木陽氏が登壇。自作のBLE実験用のiOSアプリからわかったiBeaconの各仕様について解説し、UUIDマッチングの必要有無や、iOSではOSレベルでiBeacon機能が実装され、対応アプリを多くインストールしたとしても省電力性が確保される旨などを語った。

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 また、今後のスマホ関連アクセサリー(Appcessory)についても触れ、市販されているBLEモジュールのおかげでガジェットづくりがラクになり、今後よりたくさんの製品が生まれ「ケータイショップがおもちゃ屋になっているかも」と予想していた。

 

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↑アプリックス 研究開発本部係長の日向清孝氏。
日本Androidの会2月定例会レポート
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 続く講演はアプリックス研究開発本部係長の日向清孝氏による“Beaconを使った近距離測位の電波特性”。Beacon電波を利用した近距離測位の原理や実証結果について解説。壁や床などから来る反射波の干渉などにより、実測したデータにノイズが入ることやそのノイズを除去すれば、アップルのiBeaconでも採用されている対数スケール(至近、近い、遠いの3段階)で利用できる程度の結果は算出できるとしていた。

 

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↑tabの浜中誠氏。
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 3つ目の講演は、“頓智ドット”から今年1月に社名変更をしたtabでiOS/Androidクライアントの担当をする浜中誠氏が担当。“おでかけスクラップサービス「tab」がiBeaconの導入で進化する理由”というテーマで、アプリサービス『tab』で“あしあと機能”としてiBeaconを採用した理由を語った。

日本Androidの会2月定例会レポート
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 さらにiPhone5s・5c発売日にApple Store 渋谷向かいのパルコで実施したキャンペーン“iBeaconでベーコンバーガーをゲット!”についても紹介し、キャンペーン実施により“iBeacon”という名称の知名度の低さ、対応デバイスであるiPhone4Sと非対応のiPhone4の違いのわかりにくさ、iBeaconそのものの安定性といった問題点を挙げた。

 

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↑日本Androidの会 秋葉原支部の江口和幸氏。
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 最後の講演としては日本Androidの会 秋葉原支部の江口和幸氏と大坂泰弘氏が担当。同支部が1月12日、13日に開催された“アキバ大好き祭り”でのBeconを利用したスタンプラリー(ビーコンラリー)の実証実験結果を中心に報告した。

 アプリの必要要件をAndroid4.4以上のNexus端末に限っていたにも関わらず2日合計で29名の参加者がいた。一方で当日にすでにビーコンのパラメーターを解析するユーザーがあらわれるなどセキュリティー上の問題も浮き彫りになった(ビーコンラリーは開催日ごとにパラメーターが変わる仕様で、実害は回避できた)。

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↑秋葉原支部所属、クレスコ・アイディーの大坂泰弘氏。
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 また、大坂氏はNFCとiBeaconの違いを力説。両者の特徴をうまく利用すれば、より効率的で魅力的なサービスが生まれると説明した。

 

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 定例会の閉会時には、3月21日に開催される『Android Bazaar and Conference 2014 Spring』について告知。このイベントは今回で10回目を迎え、前回の“ROAD TO REBOR(多様性とその先に)”に続き、“ANDROID REBorn!(次の5年へのクロスポイント)”と銘打ち、会場は同イベント史上最大級となる秋葉原UDXで開催される。

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↑日本Androidの会名誉会長の丸山不二夫氏。

 さらに、日本Androidの会名誉会長の丸山不二夫氏は、先日プレビュー発表された『Mobile Chrome Apps』により、Firefox OSやTizenのようにAndroidでもHTML5アプリが動くようになり、それが次期バージョンであるAndroid5.0の目玉になるでのはないかと述べ、定例会を締めくくった。

■イベント情報
『Android Bazaar and Conference 2014 Spring』
日時:2014年3月21日(金・祝) 10時~18時15分(仮)
会場:秋葉原ダイビル/UDX
入場料:無料(イベント後懇談会は別途有料)
イベントページ(外部サイト

●関連サイト
日本Androidの会 公式サイト

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