みなさん、こんばんは。MacPeople元・編集長の吉田でございます。1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。
9回目に取り上げるのは、PowerPC搭載のモニター一体型マシン。このころは、コンシューマー向けの低価格Macは、Performaというシリーズ名で販売されていました。とにかくモデル数が多く、のちに不良在庫となりAppleの経営を圧迫したモデルもありましたね。注目マシンは、やはりPerforma 5420/5440ですね。国内では初のブラック仕様なだけでなく、PCIスロットを搭載するなど、同時期に販売されていたPower Macintoshシリーズに迫る性能を備えていました。
PowerPC一体型(Performa 5210/Performa 5440/Power Macintosh 5500/225)
Performaは、家電量販店などで販売することを前提に初心者向けの製品として当初は計画された。発売当時は、Windows 95の攻勢によりアップルが苦境に立たされた時期と重なる。Performaの終焉後は、Power Macintosh 5500シリーズが後を継いだ。
PowerPCを搭載
一体型として初めてPowerPCを搭載したのは、1995年に登場したPerforma 5210だった。このマシンに採用されたCPUは、クロック周波数75MHzで動作するPower PC 603。フロッピードライブ、CD-ROMドライブ、ステレオスピーカーなどを内蔵している点では、68K CPUを搭載したPerformaと変わらない。しかし、5210のCD-ROMドライブは、一般的なトレータイプに変更されていた。本体のデザインは、台座を除く全体がひとつのかたまりに見える、より一体感の強いものに変更された。
また、内蔵するCRTのサイズが15インチになったことで、重量は20kgを超えてしまった。この15インチCRTは、5400シリーズなど5000番台の型番を付けられた一体型Performaに受け継がれていく。表示性能は、最大832×624ドットで256色、640×480ドットで約3万2000色だった。
(2014.2.10 11:10追記)国内初のブラックPerformaについての記述を修正しました。
PowerPCを搭載した一体型Mac、Performa 5200シリーズ |
PDSからPCIへ
一体型に限らず、PowerPCを搭載する以前のMacは、拡張スロットといえばPDSと相場が決まっていた。これはCPUの信号をそのままコネクターに集めたものであり、一般的なインターフェースの拡張から、CPUを置き換えるアクセラレーターカードまで実現できるという汎用性が高いものだった。しかし、信号はCPUごとに異なるため、CPUやその周辺回路が変更されるとPDSの仕様も変更せざるを得ず、互換性が失われてしまう。そこで、CPUが変わっても仕様の変わらない互換性の高い拡張スロットが求められた。
Performa 5400シリーズには、Performaでは初めて拡張スロットとしてPCIが採用された。これによりMacintoshの拡張カードの互換性は、Macシリーズ間ではかなり高くなった。なお、Performa 5400シリーズのPCIスロットは、内部スペースの制約のため1基だけだった。しかし、それ以外に2次キャッシュメモリー用のスロットを備えていた。このスロットの仕様はほとんどPDSと同様だったので、CPUアップグレードカードを装着することができた。
ブラックPerformaとして注目された、Performa 5440 |
さて、絶賛発売中のMacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!
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