みなさん、こんばんは。MacPeople元・編集長の吉田でございます。1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。
6回目に取り上げるのは、Centris/Quadraシリーズ。QuadraはMacユーザーには憧れのマシンでしたね。特に700の惚れ惚れするデザインは素晴らしかったです。最高性能を誇ったQuadra 840AVは当時の編集部でかなり人気でした。ただ、メモリーの増設が激しく面倒だったことを記憶しています。Appleはこのあと、セパレート(デスクトップ)型のMacのメンテナンス性を高めるために、画期的なボディーデザインを採用することになります。
Quadra Centris(Centris 610/Centris 660AV/Quadra 700/Quadra 80/Quadra 900/Quadra 840AV)
Macintosh Quadraは、Macintosh IIの正統な後継機として1991年に登場した。低価格版のCentrisシリーズも1993年にラインアップに加わったが、こちらは短命に終わった。
68040時代の幕開けとなったQuadra 700
のちにバラエティーに富んだ展開を示すことになるシリーズの最初のモデルであるMacintosh Quadra700/900は、そろって1991年に登場した。これらは当時の最新鋭CPUだった米モトローラ社の68040をMacが採用したことによって生まれたマシンだ。いずれも25MHzのクロック周波数で動作するCPUを内蔵しており、マシン性能に大差はない。とはいえ、両者は本体デザインも含めて性格の大きく異なるマシンだった。
Quadra 700は、Macintosh IIcx/IIciのデザインを、ほぼ受け継いだコンパクトなモデルとして設計された。ただし、IIcx/IIciが横置きを前提にデザインされていたのに対し、Quadra 700には縦置きを可能にするための変更が加えられている。具体的には、フロッピードライブと天井カバーの間にある飾りのスリットを水平から90度回転させている。機種名も縦置き状態で正しく読める向きになった。さらに、縦置きで安定するように専用の脚も用意された。もちろん、この脚を取り払えば、IIcx /IIciと同じように横置きすることも可能だった。このデザインは残念ながら、後発のモデルには引き継がれなかったが、デザインとメンテナンス性で評価された。
縦置きにも横置きにもできる秀逸なボディーデザインで人気を博したQuadra 700 |
DSPを搭載した第3世代のAVシリーズ
Quadra 800から半年ほどあとに発売された Quadra 840AVの見かけは、800とほとんど変わらない。しかしCPUはさらに強化され、名前の数字が示すように40MHzの68040となった。これにより、当時は歴代最速のMacとして注目を集めることになった。
800との最も大きな違いは、名前の数字の後ろにあるAVの文字が示すように、オーディオ/ビデオ機能を強化したことだった。具体的には、CPUとは別に米AT&T社製のDSP 3210を搭載していた。DSP(Digital Signal Processor)は、アナログ信号をデジタル信号に変換する役割を担う。Sビデオとコンポジットビデオの入力ポートも備えていたことから、ビデオとオーディオをリアルタイムで取り込み、デジタル処理によって編集して、メディアなどに出力できた。
DSPを内蔵し、68K Macの最高峰として憧れの的だったQuadra 840AV |
さて、絶賛発売中のMacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!
|
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります