これから10年のネットデジタルのトレンドは、ソーシャルメディアによる透明性(transparency)と、デバイスのほうはまったく逆の不可視(invisible)だろう。GoogleのARメガネこと“Glass”の発売は、2014年第1四半期になると見られている。すでに骨伝導からイヤホンタイプに変更になるなど、フォルムが明らかになっているが、それに先立って新しく開発キット(GDK)が公開された。
Google Glass |
我々が生活している社会を包み込む空間は、いまや情報そのものとなった。それは、光ケーブルが走っていたり無線データが飛び交っているということではない。あなたのいる“位置”と“時間”と“行動”といったいままでも当たり前あったものが、いつでも情報に置き換え可能となったからだ。デバイスとクラウドによって、まるで無から価値を生み出すデータ錬金術とでもいうべきものが、すなわち“ビッグデータ”の正体のひとつだともいえる。
Google Glassの開発キットの発表にあわせて、たとえばメガネを通してみた単語を翻訳する“Word Lens”というアプリも紹介された。メガネが介在することで、街中になんでもなくあふれていた文字列の意味が変わるという強烈なデモンストレーションではないか? Googleは、2004年にGoogleマップとGoogleアース、2007年にストリートビューを開始、2011年にはレストランガイドの“ZAGAT”を買収している。メガネの登場は、そうした流れのひとつの到達点でもある。
メガネ型デバイスに関して、それが「本当に普及するのかどうか?」という議論は、もちろん産業的には重要なテーマである。しかし、このデバイスほど我々がいままでつきあってきたコンピュータシステムが、これからどんな意味を持つのかのヒントになるものはないと思う。この1個の商品が売れるのか? みんなが身につけるようになるか? というのは、グーグルという企業にとってはたぶんそれほど大きな問題ではない。ネットデジタルの大きな流れの中で、いままで“ウェアラブル”と呼ばれていたデバイスが、ちょうどよい熟成加減だというだけなのだ。
さて、そんなわけでGoogle Glassをどうとらえるかは、すなわち今後10年から20年のネットデジタルを考えることでもある。ということで、ここから宣伝になってしまうのだが、Google Glassに関するセミナーを角川アスキー総研でやらせてもらうことになった。Google Glassのアプリケーション開発や研究グループに関わるシーリスの有山圭二氏と、このテーマに最もふさわしいと思える小説『Gene Mapper』の作者である藤井太洋氏が登場。今後20年間のメディアやライフスタイルについて考えたいと思う方は、ぜひご参加ください。
有山圭二氏(左)、藤井太洋氏(右) |
Google Glass × 藤井太洋
~新GDKに見る実力とGene Mapper的「未来」~
・開催概要
日時:2013年12月16日(月)
受付開始 16:30/開演 17:00/終了予定 21:00
会場:内田洋行「ユビキタス協創広場CANVAS」2F
登壇者:有山圭二氏(C-LIS CO., LTD.)、藤井太洋氏(作家)、遠藤諭(聞き手:角川アスキー総合研究所)
参加費:3000円(懇親会費込み)
※Google Glassをお持ちの方は無料!
主催:株式会社角川アスキー総合研究所
共催:株式会社内田洋行
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