■2ヵ国目:ポーランド(9月11日~9月14日)
IFA取材に行くついでに、欧州をぐるぐる回って帰ってこようという今回の旅。次はドイツのベルリンを離れ、鉄道で一路ポーランドの首都ワルシャワに向かいます。
ワルシャワ中央駅到着 |
↑ベルリンから乗り込んだのは鉄道ベルリン・ワルシャワ・エクスプレス号。乗車時間は約6時間。 |
実は当初、ドイツからポーランドに行く予定はなく、ウクライナへの交通費を調べていたんですが、ベルリンから飛行機で飛ぶよりもワルシャワから飛行機で飛ぶ方が数万円も安かったのです。というわけで、あまり期待していなかったポーランドのワルシャワですが、これがデジタルトラベラー的に大当たりの国でした!
大当たりの理由は3つ。その1は、物価が西ヨーロッパと比べて安く、特にホテルがとても安かったこと。9月のヨーロッパは観光シーズンなので、ホテルはどこも高く、日本のビジネスホテルクラスでも1万円以上はざら。それがワルシャワで泊まったホテル『Premiere Classe Varsovie/Warszawa』は、1泊156.40ズローティー(約5000円)で予約できました。
数泊なら十分の広さ |
↑ビジネスホテルクラスの大きさですが、ひとりで数泊するなら十分の広さ。 |
シャワーはちょっと狭め |
↑バスタブはなく、カーテンで囲うシャワーブースがあるだけのスペース。 |
理由その2は、食費も安いこと。このところの円安傾向で、日本円に換算すると高めになってしまうのですが、それでもドイツより2割から3割は安い感じ。1ヵ月近い旅行ですと、この違いが最終的に大きな差になりますからね。
ガッツリ食べても安い |
↑1プレートにカツレツにライスと野菜を炒めたもの3品をチョイスして、21.30ズローティー(約680円)。 |
ケバブ屋も多い |
↑ヨーロッパでよく見かけるケバブ屋。10ズローティー(約320円)くらいから食べられます。 |
理由その3は、SIMが買いやすいこと。これは重要ポイントです。山根博士のレポート(参考記事)にもあるように、空港や駅のコンビニ的な売店、ヨーロッパの大手家電量販店『Saturn』でデータSIMを販売しています。しかも『Plus』というキャリアのSIMは、LTE対応なのです。
Saturnで購入 |
↑ワルシャワ中央駅前のショッピングセンターにあるSaturn。 |
SIMを購入 |
↑各種SIMを販売。レジに持って行くだけで買えます。パスポートなどの本人確認証も不要。 |
LTEは現在各国でサービスがスタートしていますが、プリペイドでも使用できる国は少ないです。さらにPlusのLTE対応SIMの価格は、300MBが9ズローティー(約288円)、1GBが15ズローティー(約480円)と激安。有効期限を見たら2年近く先まで使えるようなので、今度ポーランドに来たときすぐに使えるよう、予備も含めて3枚ほど買っちゃいました。
使い勝手もよく、SIMをスマホに挿入してAPNを設定するだけでオーケー。開通作業などは必要ありません。設定項目は下記のとおり。
APN:plus または internet
ユーザーID:空白
パスワード:空白
早速、ベルリンで現地購入した、ソニーのLTE対応端末『Xperia Z Ultra』に挿入! 電波をキャッチしてAPNを設定すると問題なくLTEで通信できました。しかも、屋外で測定したところ、下りで87.33Mbpsと爆速!! ホテルの室内ではアンテナピクトが2本と弱めですが、それでも10Mbpsオーバーを計測しました。まだLTE端末を使っているユーザーが少ないためかもしれませんが、かなり快適です。というかホテルのWiFiよりも断然高速なんです。
LTEが下り87MBと超速い!! |
↑日本でもこんなスピードで計測したことありません。正直、目を疑いました。 |
そういうわけで、ホテルのWiFiよりも、スマホでテザリングをしたほうがネット環境は快適そうですが、PCを接続するとなると1GBではすぐに使い切ってしまいそう。……と言ってる間に使い切りました。そこで、追加料金をチャージして、利用できるデータ量をアップさせることに。
チャージ用のPINコードは、駅の券売機から購入可能です。英語表記に切り替えられるし、タッチパネルを選んでいくだけで買えるので便利。クレジットカードでの支払いもオーケーです。
ホテルのWiFiより断然速い!! |
↑ホテルのWiFiにつなげたPCは下りで0.5Mbps以下。LTEで接続した方が速いです。 |
切符以外も買える券売機 |
↑鉄道の切符だけでなく、ケータイのチャージもできる券売機。これは便利です。 |
1)キャリアを選ぶ |
↑“RELOAD YOUR PREPAID CARD”をタッチすると、キャリアの選択画面に。今回は『Plus』を選択。 |
2)チャージしたい金額を選ぶ |
↑今回は50ズローティー(約1600円)ぶんを購入。 |
3)レシートにPINコード |
↑支払いが完了するとPINコードがかかれたレシートが出てきます。 |
購入したPINコードの入力方法は、通話アプリから“*123*PINコード#”と入力して通話ボタンを押すだけ。しばらくするとチャージ完了のSMSが送信されます。
さらにPlusの公式サイトにアクセスして、SIMカードの台紙に書かれている電話番号とパスワードでログインすると、現在使用できるデータ量が確認できるという仕組み。特にデータパッケージの申し込みなどは不要で、チャージした料金に応じたデータ量がボーナスとして追加されるシステムです。追加されるボーナスは下記のとおり。
●10ズローティー:7.05MB(7日間有効)
●20ズローティー:745.5MB(14日間有効)
●30ズローティー:1.15GB(30日間有効)
●50ズローティー:4.1GB(60日間有効)
●75ズローティー:6.4GB(90日間有効)
●100ズローティー:12.15GB(120日間有効)
すでに最初の1GBは使い切っていたので、チャージした50ズローティのボーナスぶんとして4.1GBのデータが利用できるようになっていました。
利用可能なデータ量を確認 |
↑公式サイトから残りどれくらい使えるかが確認可能。利用期限も書かれています。 |
ちなみに“Nocny Transfer”は、深夜1時から朝7時までの時間限定ナイトパッケージ。1回申し込めば無料で50GBまで利用できるため、夜型の私はこちらも重宝しました。もし使い切っても10ズローティーで追加できます。
さて。ここまで便利でハイスピードなPlusのLTE対応SIMですが、残念ながらiPhone5ではLTEを利用できず、3Gだけでの接続となってしまいました。LTEの周波数は1800MHzなので対応はしているはずなのですが、どうもiPhoneは正式に対応したキャリアのLTEだけしか認識しない仕様のようです。このあたりは、Androidのほうが融通がきいて使いやすいですね。
あと、ドコモでSIMロックを解除した端末でも、1800MHzに対応していないとLTEは使えないので注意です。
iPhone5では使えず |
↑“4Gをオンにする”の表示にならず、LTEは使用できません。APNなどの設定は“モバイル通信ネットワーク”から行ないます。 |
というわけで、深夜は気兼ねなくLTE接続ができるため、ワルシャワ滞在中は夜中に仕事して昼間はのんびり、という生活スタイルに。雨も降っていたのであまり観光らしいことはできませんでしたが、世界遺産となっている、ワルシャワ歴史地区周辺は少しだけブラブラ。
古いけど新しい街並み |
↑一見すると歴史ある感じですが、第二次世界大戦で破壊されたあと、「壁の傷やヒビにいたるまで」と言われるほど忠実に修復されています。 |
雨が恨めしい…… |
↑旧市街のワルシャワ王宮広場前。ここも完全に破壊されたあと外装も内装もすべて忠実に再現されたもの。晴れていたらもっとキレイなのに……。 |
名(迷)車トラバント! |
↑旧東ドイツの大衆車トラバントを発見。東ドイツ末期には製造品質の低下から“ボール紙のボディの車”と揶揄されたクルマです。 |
ふらりと入ったレストランでは、せっかくだからポーランド名物も食べてみようかと“ピエロギ”をオーダー。ピエロギは東欧からロシアあたりでよく食べられる西洋餃子です。ジャガイモやタマネギ、挽肉をいれた本当に餃子に近いタイプもありますが、今回食べたのは、ラズベリーを入れて甘くしたサワークリームをかけたスイーツ餃子。
甘い餃子だと……!? |
↑日本の餃子よりも皮が厚く、もちもちした食感。見た目は完全に餃子なので戸惑いますが、おいしいです。 |
店員さんかわゆす |
↑ピエロギを食べたのは『Zapiecek』というチェーン店。ここの店員さんと制服が実にカワイイ!! このまま日本にも出店しないかな。 |
マーケットで世界最強のお酒発見 |
↑ポーランドもウオッカが名産。なかでも『スピリタス』はアルコール度数95%と世界トップクラス。 |
以上で、ポーランド・ワルシャワの滞在は終了です。鉄道で空港に向かい、次の目的地ウクライナの首都キエフに向かいます。ポーランドは西ヨーロッパに比べて物価は安いし、モバイル通信事情は良いし、女の子はカワイイしで旅先としてはかなりオススメ! LTE対応SIMも買いだめしてあるから、晴れのシーズンを狙ってもう一度行きたいと思いました。
チョピン? |
↑空港にある鉄道駅の案内板。CHOPIN(チョピン)って何だろうと思ってましたが、『ワルシャワ・ショパン・空港』ですね。作曲家フレデリック・ショパンはポーランド出身でした。 |
さて、次はいよいよウクライナへと向かいます!
■関連サイト
Premiere Classe Hotels
Plus
Zapiecek
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