旅行をするために仕事をしている、旅バカライター中山です。9月はドイツで開催されたエレクトロニクスショーIFAへ取材に行ってきました。
巨大なIFA会場と巨大ロゴ |
↑IFA会場のベルリン国際見本市会場。全部で26ホール、総展示面積は16万平方メートルと超巨大(東京ドーム約3.4個ぶん)。 |
こういった海外取材の経費は基本自腹……IFA自体は1週間の開催ですが、せっかく自腹でヨーロッパまで行くなら、なるべく長く滞在しちゃおうと、26日間ほどヨーロッパをグルグルまわることにしました。
旅のお供は、デジタルトラベラー必携の"SIMフリースマホ"。長期間海外に滞在するなら、現地のプリペイドSIMを使ってデータ通信をしたほうが、ローミングやレンタルルーターよりも断然おトクだからです。
今回の相棒は、バンコクで購入した『iPhone 5』。一応、SIMロックを解除したドコモの『SH-10D』やロック有りの端末も持って行きましたが、SIMフリースマホはこれ1台だけ。アンドロイドのSIMフリースマホも持って行きたいところでしたが、ちょうど手元になかったのと、狙っている最新のSIMフリースマホが滞在期間中に発売されそうということで、それを購入して旅先で使っちゃおうという算段です。
■1ヵ国目:ドイツ(9月2日~9月11日)
というわけで、最初の訪問国はドイツ。IFA開催地のベルリンへ向かいます。日本からは直行便がないので、フランクフルトまで飛行機で飛び、そこからベルリンへ鉄道で移動します。もちろんフランクフルトからベルリンまで、飛行機を乗り継いでも行けるのですが、一緒に往路の旅程を組んだ同業ライター 石野純也氏 (@june_ya)が、昨年、航空会社のストにぶつかって移動で大変な目にあったので、ドイツ国内の移動は鉄道がいい! と希望したからです。
コンパートメントタイプの車両 |
↑ヨーロッパでは区切られたコンパートメントタイプの客車もまだまだ多いのです。カーテンの裏には電源もありました。 |
食堂車もある |
↑日本の鉄道では絶滅に瀕している食堂車も欧州鉄道では健在。 |
フランクフルトからベルリンへの切符は、あらかじめドイツ鉄道のウェブサイトから購入しておきました。ドイツ鉄道のサイトは英語表示にもできるので、海外からでも購入しやすいです。
ただし、車内検札で、プリントアウトしたeチケットと予約時に使ったクレジットカードが必要なので、忘れないようにしましょう。eチケット自体はPDFファイルとしてメール添付で届くのですが、私はすっかりプリントアウトするのを忘れていて、飛行機の搭乗直前に思い出し、成田空港のラウンジで慌ててプリントアウトしました。
ドイツ鉄道のサイトをチェック |
↑クレジットカードを使えば海外から予約可能。現地で買うより安い場合もある。 |
鉄道もeチケット |
↑航空券だけでなく鉄道もeチケットの時代。ちゃんとプリントアウトしておこう。 |
フランクフルトからベルリンまでは乗り換えも含めて5時間ほど。時間はちょっとかかりますが、飛行機よりも疲れないのがいいです。実は私、飛行機自体は好きなんですが、飛行機に乗るのは苦手なんですよね。気圧が変わると耳がキーンとなってすぐに抜けないので、気圧調整耳栓をしているくらい。
結果、今回の欧州内の移動は、鉄道を多く使いました。取材旅行ということもあり、カメラやパソコンといった機材で荷物が多く重いため、機内への預け荷物が別料金になったりするLCCは意外と不便なんです。ちなみにフランクフルトからベルリンまでは一等車で79.90ユーロ(約1万600円)でした。
ドームに覆われたベルリン中央駅 |
↑ベルリン中央駅の最上段は国際列車などが到着するホーム。階下に市内路線があります。 |
宿に着いたらまずは通信環境の確保。前回の世界一周のとき(関連サイト)はT-MobileのSIMを使いましたが、今回はMVNOのSIMを使用。ドイツではキャリアショップで海外からの旅行者でも手軽にSIMを買えますが、MVNOならもっと簡単で、スーパーや家電ショップでパッケージをレジに持って行くだけで買えるのです。今回は『blau』というMVNOキャリアのSIM(8.45ユーロ:約1100円)を購入しました。
スパーでSIMが買える |
↑スーパーや家電ショップの専用コーナーに各社のMVNOのSIMがズラリと並んでいます。これをレジに持って行って買えばオーケー。 |
ただしドイツではSIMを使用する際に住所などの登録が必要。キャリアで通常のSIMを買う場合は、店員さんがこの作業をしてくれますが、MVNOはPCなどを使ってウェブサイトから自分で登録する必要があります。しかもページはドイツ語表記。私はChromeブラウザーの全文翻訳機能を使いつつなんとか登録しました。
サイトで登録が必要 |
↑ホテルなどのネット回線を使って、MVNOキャリアのサイトにアクセスし、パソコンなどから登録する必要があります。 |
翻訳機能をフル活用 |
↑ドイツ語はまったくわからないので、右クリックメニューから自動翻訳を使用。完全には訳せませんがニュアンスはわかりますしね。 |
登録時にはドイツ国内の住所と電話番号が必要ですが、ホテルのアドレスを入力すればオーケー。日本の住所を入力してもエラーで登録できないので注意です。
また、購入したblauのSIMでは、いくつかプランが選択できますが、最初にチャージしてあるのは10ユーロだけ。それでは1GB/9.9ユーロ(30日有効)までしか申し込めないので、クレジットカードを使って残高を追加。5GB/19.80ユーロ(30日有効)を申し込みました。
開通のための登録作業 |
↑購入したSIMに電話番号やパスワードなどが記載されているので、ログインして開通作業をすすめます。 |
コースを選ぼう |
↑クレジットカードからチャージをしても、反映されるまで数時間、プランを選んでからまた数時間かかる。気長に登録しよう。 |
blauのAPNほか設定項目は下記のとおり。
APN:internet.eplus.de
ユーザーID:blau
パスワード:blau
ドイツにはblauのほかにも『congstar』や『FONIC』などいくつかMVNOのSIMが発売されていて、登録方法などは基本的に同じ。料金も大差はありませんので、見つけたSIMを購入すればオーケー。ドイツをはじめヨーロッパは日曜日にキャリアの店舗が閉っていることが多いのですが、大手スーパーや家電店なら開いている場合もあり、購入しやすいのもポイントです。
それと最近は通常サイズのミニSIMとmicroSIM、どちらにも切り取れるタイプのSIMがほとんど。ただしiPhone5から採用されたnanoSIMは非対応なので、nanoSIMを使いたい場合はSIMカッターが必携です。
SIMフリーiPhoneの必需品 |
↑nanoSIMは、キャリアショップでも取り扱いがない場合があるため、旅にSIMカッターは必携。 |
ドイツでの通信手段も確保したところでお仕事です。
取材の成果はIFAまとめページをご覧いただくとして(関連サイト)、滞在中の10日間はほとんど展示会会場の往復と、宿での原稿書きに費やされ仕事ずくめでした。初ベルリンでしたが、観光などほとんどしている余裕はありません。……ただし取材の疲れを回復するため、食についてはキッチリといただきました。
ドイツでお肉天国!! |
↑アイスバインやミートボール、ソーセージなど、ドイツ肉料理てんこ盛りのプレート。どこにフォークを入れても肉が刺さります。 |
ベルリン名物カレー・ヴルスト!! |
↑ソーセージにケチャップとカレー粉をまぶした料理。値段は3ユーロ前後からでベルリンの街中ではあちこちで売ってます。 |
ベルリンの壁 |
↑ベルリンの壁一部がIFA会場の入り口に飾ってありました。街中でもよく見かけるオブジェです。 |
ブランデンブルク門 |
↑ベルリンのシンボルとされているブランデンブルク門は見ました! 夜はライトアップされていてとてもキレイです。 |
ベルリン最終日となる9月11日。次の国へと移動する前に、市内にあるソニーの専門店『ソニースタイルストア』に立ち寄ります。実は数日前に立ち寄ったときに、狙っていた『Xperia Z Ultra』のLTE版がこの日に発売と聞いていたのです。
ソニースタイルストアへ |
↑ソニーのヨーロッパ拠点となる複合施設『ソニーセンター』にある専門店。 |
『Xperia Z Ultra』を購入! |
↑6.44インチの『Xperia Z Ultra』をゲット。行列にはなってませんが、ほかにも3人ほど購入している人がいました。 |
『Xperia Z Ultra』の現地価格は679ユーロ(約9万円)。日本でスマホを買う感覚からするとかなり高めですが、これはキャリアからの販売ではないため、購入サポートなどが付かないからです。ハイエンドスマホって、本当はこれくらいするんですよね。
さて。今回は、SIMフリー版のiPhone5と、手に入れたXperia Z Ultraをメインに旅を乗り切ることになります。Xperia Z UltraはnanoSIMなんで、SIMを切る必要もなくラクチンですね。
というわけで、買ったばかりのXperia Z Ultraをかかえて、ベルリン中央駅へ移動。そのまま次の訪問国ポーランドに向かいます!
■関連サイト
ドイツ鉄道
blau
Sony Center
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