型破りなアナウンサーとして名高い、ニッポン放送の吉田尚記アナが「本当に語りたい相手」と、結論を決めない熱いトークを繰り広げるトークライブ「#jz2 吉田尚記の場外ラジオ」が月イチで開催されています。
vol.6(8月22 日開催)は、現役の芸人さんであると同時に大学の教員のサンキュータツオさんがゲスト。実は吉田アナとサンキュータツオさんは共通項が多いそう。2人ともアニメ好きなうえ、落研出身で同じ年に就職活動を行い、2人ともニッポン放送を受けて内定が出たのは吉田アナだけだったとか。かなり気心が知れているという2人が語り合ったトーク内容の一部をご紹介します。
サンキュータツオ(以下サ):日本語学者の誰もが共有してることだと思うんですけど、「正しい表現」ってないんですよ。
吉田尚記(以下吉):正しいも何もない、と?
サ:その当時、マジョリティーが使ってた言葉が正しいってことだけなんです。例えば「全然」に関しても、明治期、大正期に漱石とか芥川の用例で、「全然いい」って表現があるんです。ところが、昭和の一時期から、「全然」と組み合わせるのは「○○ない」じゃなくちゃいけないって国が言い出したんですね。その教育を受けた人たちが、そうじゃなきゃダメって言い出してるってだけの話なんです。
吉:なるほど。確かに、この話のほうが「全然」正しいと思う。いま、「全然」を言った瞬間にすごく意識的になってる自分がいましたけど(笑)。
サ:それは「全然」が強調形になってるからなんですよ。「まったく」という意味ではない、別の意味を獲得している。「全然」が出世してるんです。「まったく」とか「全然」とかは、似たような言葉なんだけど、残っているのには何かの理由があるんです。本来だったら言葉って淘汰されていくんで、同じ意味の言葉はなくなるはずなんです。でも「美しい」と「きれい」と「うるわしい」が残ってるのには、それぞれ理由があるんです。
吉田尚記アナウンサーによるまとめ
(イベントでの対談をふり返った感想をいただきました)
「肩書をフリにして生きている」とは、イベント中にタツオさんがおっしゃってた言葉ですが、大学講師で芸人でもあるタツオさんと、アナウンサーである私。お互いに、その職業から従来想像される領域からは、だいぶはみ出して生きています。「アナウンサー」と伝えるので、「きっとネクタイ締めててまじめな人が来る」と思っていた方を驚かせてしまう、というのをよくやっちゃってます。でもこれこそが「言葉」の限界なんじゃないかと思うんですよね。
「言葉」は、それ自体で全てではなくて、ドロドロした世界に付いたタグのようなもの。そうすると最後に重要なのは、その「言葉」がどんなドロドロした沼から生まれているか、つまりはどんな人、もっと言うと、どんな覚悟を持って生きているかが、言葉の大切さの原点なんだよなー、ということに思い至りました。日本語学者、芸人さん、アナウンサーとして、言葉が大好きな私達。こんな楽しいセッション、なかったです!
現代日本語学の研究者であり、大学生と大学院生の授業やゼミを持っているというサンキュータツオさん。授業をするときとネタをやるときの差についても語っていらっしゃいます。このトークの全貌は、MacPeople11月号(9月28日発売)に掲載中です。
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このイベントではトーク内容をリアルタイムに樹形図状の「アイディアプロセッサー」に記録しているのもポイント。ゲストの背後にある大きなスクリーンにどんどん飛び出すキーワードが記録され、話が脱線する様子が視覚化されていく過程が見られます。今回のアイディアプロセッサーです。全体像は公式FacebookからダウンロードできるPDFでチェック!
「#jz2」=ジョーゼツというイベント名の通り、毎回予定時間に終わらないほど熱いイベント。吉田アナや著名なゲストが超間近で見られます。チケットは2000円。イベントと同時に、Ustreamでのリアルタイム放送も行われているので、遠方の方はそちらをどうぞ! 次回のvol.8(10月24日開催)は、声優さんにして劇作家でもある浅沼晋太郎さんがゲスト。チケット好評発売中です!
■#jz2関連リンク
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ハッシュタグ「#jz2」でTwitterを見るとイベントの盛り上がりぶりが伝わってきます。
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