“ニコニコ町会議”といえば、動画コミュニティーサービスの“niconico”の全国ツアーイベントのこと。今年は7月14日の岩手を筆頭に、香川、鹿児島、島根、山形、長崎、山口、北海道、東京、愛知という10ヵ所を回っている。9月7日には8ヵ所目となる北海道室蘭で実施し、町会議単独で1万人、併催した地元のお祭り“スワンフェスタ2013”と合わせて7万人の来場者を集めた。現地の熱狂ぶりをスミからスミまでレポートしていきます!
■今年の町会議で初! 過酷じゃない天気
まず町会議を知らない人に向けて簡単に説明しておこう。ドワンゴは今年4月末、幕張メッセを貸し切ってニコ動をほぼ地上に再現する“ニコニコ超会議2”という大規模なイベントを実施した。ユーザーを巻き込み、歌ってみた、踊ってみた、演奏してみた、ボーカロイド、ゲーム実況、描いてみた、技術部、動物、フードなど、様々なカテゴリーの出展が入り乱れる様は、まさにカオスの一言。その超会議をぎゅぎゅっと濃縮して地方にお届けするのが、町会議になる。
室蘭の会場は、海風が香る室蘭港の中央埠頭だった。今年の町会議はキビしい天候が続き、8月31日に予定していた7ヵ所目の山口県下関市豊北町は、台風の影響により中止となっていた。さかのぼると過去6回のうち3回は猛暑、3回は雨天。室蘭の予報通も雨だったが……。みんなの願いが届いたのか、ときおり青空も見えるくもりにとどまり、とても快適にイベントを楽しめた。
↑室蘭は北海道の南西部、札幌市の左下、函館の右上あたりに位置する人口約9万1000人の市だ。製鉄や造船、精油など重化学工業が主要な産業になる。個人的には、町会議の対岸に工場や風車が見えたのにハートをつかまれました。
↑スワンフェスタ2013は9月7日、8日の2日間にわたって開催した。ライブやダンスに加えて『獣電戦隊キョウリュウジャー』のショーや花火などの企画を用意。昨年の人出は、お祭り全体で6万人とのことなので、町会議も来場者アップに貢献できた?
↑目玉は、豚肉とタマネギの串を焼き、タレと洋からしで食べる“室蘭やきとり”の露店。豚なのに焼き鳥なのはさておき、辺り一面においしそうな香りの白煙が立ちこめてました。
↑スワンフェスタに負けないよう、町会議メンバーも出演者、運営スタッフ、ボランティアの全員で円陣を組んで気合いを入れます。
↑オープニングでは、室蘭市の青山市長が「スワンフェスタ2013は、室蘭を代表する観光名所である白鳥大橋の開通を祝って平成10年から始めて今回で15回目になります。室蘭やきとりや花火大会、各種様々な催しがありますので、どうぞみなさん最後まで楽しんでください」とビデオレターで挨拶。生放送のコメントでは、一緒に出演していた市のマスコットキャラクター“くじらん”の足につっこみが入っていた。
↑スワンフェスタの白川実行委員長も登壇。「室蘭は港町で、昔はここに白鳥がたくさんいたそうです。私たちはこの港を中心に生活しています。室蘭市民の間に港を入れて室蘭市港民ということで取り組んでいきたいと思っています」と意気込みを見せていた。
↑町会議は、ユーザーが「うちの町で開いて」という呼びかけをきっかけにして、自治体に開催を打診する。見事、室蘭に呼び込んだ“はむにゃん”さんもステージに上がり、「まさか来るとは思ってませんでした。全力で楽しんでいきましょう!」と会場に呼びかけて拍手を受けていた。
↑オープニングの最後には、歌い手でゲーム実況者の“湯毛”さんが遅刻して謝る一幕も。前日、関西と伊丹で空港を間違えて飛行機に乗れず、当日午前の便で新千歳空港まで来て駆けつけたという。
■常に人だかりがスゴい! ステージイベント
町会議は、やぐらの正面にステージトラックを設置し、その周りをテントが取り囲むというレイアウトになっている。例えば、ステージでユーザーが熱唱している中、ゲーム実況のブースから笑いが聞こえたり、奥で踊ってみたのレッスンに熱中していたりと、いくつもの企画が同時に盛り上がって幕張のカオスを再現する。
室蘭では、特にステージ系がオープニングからエンディングまで人だかりができる活況ぶりだった。ニコ動における北海道といば、数百人が集まる踊ってみたオフが定期的に開催されるなど、団結力が強いことで知られる土地だ。そもそも1万人という来場者数が他の会場に比べて多いことに加え、コスプレイヤーも目立っていたなど、様々な点で北のパワーを肌で感じられた6時間だった。
↑“町のど自慢”は、抽選で当たるとステージトラックの上で歌えるという企画。毎回、人気が高く抽選必至だが、室蘭は「何この列!?」と思ったら抽選待ちの行列だったというぐらいに長かった……。
↑有名ユーザーの町のど自慢では、タイツォンさん(右奥)が出演。助っ人としてアリレム(左手前)さんもステージに上がって、2人で『ココロオドル』と『恋愛サーキュレーションRap ver. タイツォン』の2曲を熱唱。2人とも北海道出身で、仲が良いせいか息ピッタリのラップでした。
↑もうひとり、湯毛さん。本来はゲーム実況のために呼ばれたのだが、熱血ボイスで『ローリンガール』と『CHA-LA HEAD-CHA-LA』を歌い上げていた。それにしてもステージ前の人だかりが本当にスゴい。
↑お客さんをステージに上げて、客席も一緒に歌い上げる大合唱の様子。今回は『いーあるふぁんくらぶ』が課題曲だった。この一体感がたまらない!
↑演奏してみたからは、バイオリニストのてっぺい先生が出演して、『ルカルカ★ナイトフィーバー』と『ナイト・オブ・ナイツ』を弾き上げる。青空にひびき渡る激しい弦の音が最高です。ルカルカでは客席にいた、ミクとリンのコスプレイヤーさんが踊っていました(ルカじゃない!)。
↑踊ってみたでは、コスプレダンスユニット“アルスマグナ”から、九瓏ケント先生(左)と朴ウィトさん(右)の2人が参加。
↑課題曲は『Smile again』と『ギガンティック.O.T.N』。まずは45分ほどレッスンをするわけですが、とにかくみんな積極的に参加していました。北の大地の本領発揮だ!
↑本番の様子。これだけの人数をこれだけの人々が囲んでいたため、スワンフェスタに向かう人々も「何事!?」と足を止めてました。
↑歌や演奏、踊りの合間には、生放送の視聴者向けに会場レポートが挟まれていた。写真はM.S.S ProjectのKIKKUN-MK-IIさん(左)、ゲーム実況者のドグマ風見さん(右)が物販ブースのせんとすさんを突撃。
↑会場にいたコスプレイヤーさんに話をきいたら、きっくんのファンということが判明。このあと握手をしてました。
↑スワンフェスタの会場にもお邪魔して、屋台グルメを堪能したり。中央のバットマンは、ゲーム実況グループ“最終兵器俺達”のこーすけさん。
↑タイツォンさんと湯毛さんもレポーターを勤めます。北海道ダンサーズのメンバーに遭遇して紹介するの図。
↑生放送主のクサカアキラさんとてっぺい先生のコンビもおもしろい。アキラさんが百花 繚乱さんが焼いたたこ焼をほおばってほめると、すかさずてっぺい先生がファイナルファンタジーのレベルアップファンファーレを演奏。
↑毎会場で恒例となっている“ドグマチャレンジ”は、ワークショップコーナーのボルタづくりに乱入。室蘭は工業地帯の夜景がきれいということにちなんで、ファイナルファンタジーVIIの魔晄炉をボルトとナットで再現するのに協力していた。
↑ユーザーさんも多く参加して、みんなでつくり上げたアートです。
↑地元紹介コーナーでは、先ほどYTRに出ていたくじらんが登場。「ペヤングより焼きそば弁当のほうが認知度が高い」や「鳥の唐揚げではなくザンギと言います」など、北海道あるあるコーナーも盛り上がりました。
■笑顔にあふれていたブース系企画
ゲーム実況に町フード、輪投げ、似顔絵といった各ブースも、ステージに負けずにアツい! 物販などをのぞいて、大半がタダで楽しめるわけですから、いろいろ回らないほうが損というワケです。
↑毎回人だかりがスゴいゲーム実況ブースでは、左手前からきっくん、湯気さん、こーすけさん、Hakaseさん、りーちさんの5人が出演。
↑ゲームをしながらのゆるゆるトークで集まったお客さんをなごませます。箱庭ゲーム『Minecraft』で北海道を代表する初音ミクやエゾジカなどをつくって、エンディングでお披露目してました。
↑百花 繚乱さんのたこ焼きブース。オープニングとエンディングのMC以外はひたすら焼き続けて500個以上は提供していました。無料なので、檜原村や名古屋の町会議に参加するならぜひ味わっておくべし。
↑夏祭りらしい輪投げコーナー。3個以上入れると、Tシャツなどの景品がもらえちゃいます。
↑似顔絵コーナーは、絵師のせらみかるさんが担当。1枚の大きな白板に170人以上のお客さんを描いてました。これもスゴくいい記念になります。
↑物販コーナーも大人気で売り切れが続出……。その隣では、500円でニコ動の登録情報をカード化できる“ニコニコ住民票”が提供されておりました。
↑ワークショップコーナーは、ボルタづくり以外に“たいたにあ”さんによる書道も企画。いわれた言葉を見事に書き上げる様にほれます。140枚以上は描いたそうです。
↑ユーザーから出展をつのる“町ユーザーマーケット”では、水口リバモリウムさんがイラストや化学をテーマにしたオリジナルのカードゲームなどを販売。その隣では、別のカードゲームに興じる方も。
↑参拝に来た方をPS Vitaで生中継する“ニコニコカー神社”は、吉本芸人のピグマリオンさんが担当。アピールしたいコスプレイヤーが数多く並んでいたのが記憶に残ってます。
↑ニコニコカーの1号機は例によって落書きの餌食に。もう描くところが残ってないのです……。
↑さらにニコニコカーの隣には、痛車5台が集結してました。オーナーの方々の勇姿。
↑「これで会社に通勤してますが何か?」という方もいらっしゃって、愛がひしひしと伝わってきます。
↑エンディングでは、この室蘭町会議の前日にニコ動に歌ってみた動画を投稿してちょうど話題になっていた演歌歌手の小林幸子さんが、次の檜原村の町会議に参加することが明らかになる。ラスボス降臨に会場から驚きの大きな「えー!」が飛び出す。
↑ラストは、ニコニコ盆踊りをみんなで踊ってシメ!……のはずが、人が集まりすぎたため、出演者を囲って見ることに。
↑明かりがともった提灯の下で踊るというシチュエーションはまさに夏祭りそのもの。非日常の宴が終わりを告げます。
↑町会議はコスプレクロークを用意しているので、衣装を持ってきて会場で着替えることも可能です。初音ミクのクリプトン・フューチャー・メディアが札幌にあるせいか、ボカロキャラのコスプレが目立ちました。
↑みなさん個性がスゴいです。個人的には、なかなか衣装の再現が難しそうな例の麻呂コスをされてた方にMVPを上げたいです。
↑動画や生放送を通じて、画面の向こうに見ていた有名ユーザーを間近にできるのも醍醐味です。運が良ければ一緒に写真を撮ったり、サインをしてもらえるかも!?
↑今回もこの会場にあふれる笑顔を見るためにがんばりました。次は16日、東京都檜原村にお邪魔します!
■関連サイト
ニコニコ町会議 全国ツアー2013
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