ニコニコ町会議といえば、この夏、niconicoが地方のお祭りとコラボして開催しているイベントのこと。7月13日の岩手からスタートし、香川、鹿児島、島根、山形を回った。今回の長崎に続き、山口、北海道、東京、名古屋と合計10ヵ所を回るスケジュールになっている。
8月25日には、6ヵ所目となる長崎県の諫早市小長井町(いさはやしこながいちょう)で実施し、“こながいまつり”と合わせて約7000人の来場者を集めた。今回も週アスが会場の様子を写真たっぷりでレポートをお届けしていくぞ!
■長崎は今日も雨……だから初の屋内開催!
ニコ動は4月末に千葉の幕張メッセにて“ニコニコ超会議”を開催。国際展示場の1~8ホールを貸し切って、歌ってみたや踊ってみた、演奏、ゲーム実況、描いてみた、技術部など、各カテゴリーをほぼ再現するという大規模な内容だった。会場にはなんと安倍首相も来場して新聞など取り上げられました。
ただ、いくら楽しそうな超会議でも、地方に住むユーザーにとっては、行きたくても親の許可がおりなかったり、お金がなかったりといろいろとハードルが高くて縁遠い存在だ。ということで、ニコ動自体が地方に出向いて、超会議の出し物をぎゅっと凝縮して楽しんでもらおうというのがこの町会議になる。
開催地はイベント名のとおり、基本的に“町”がつく場所を選んでいる。小長井町は2005年の合併で諫早市の一部となった町で、長崎県では東側、有明海の西側に位置している。残念ながらこの日の天候は大雨洪水警報が出るほどの悪天候だったため、催し物の多くは室内で実施することとなった。
↑会場となったのは、小長井駅の近くにある小長井文化ホール。写真でいうと、左手前の黄色いトレーラーややぐらがあるところが町会議で、右奥のテントの固まりがこながいまつりになる。
↑雨脚が強くなったり、止んだりと不安定な天候だったため、ステージイベントや一部のブースは屋内に移された。しかし今年の町会議は、熱射病も出るほどのカンカン照りか、ずぶぬれになる雨という2択しかないのが過酷です。
↑小長井町の人口は5000~6000人規模だが、この日は住人を超える人が集まったため室内が大混雑……。
↑来てくれる方々をもてなすために、今回も円陣で気合いを入れます!
↑こながいまつりは、アマチュアバンドや三味線の演奏、カラオケ大会、ダンスコンテスト、花火大会などがセットになったお祭り。町会議の出演者がこながいまつりのステージにお呼ばれして挨拶する一幕もありました。
↑町会議は、ユーザーの「うちに来て!」という声を元に運営が自治体と交渉に入る。小長井町のきっかけをつくったヒトミさん(写真中央の女性)は、オープニングで「最後までニコニコしてくれるかな?」と会場に呼びかけて観客を盛り上げていた。生放送では、彼女のかわいさに魅了されたユーザーから「(結婚しよ)」という進撃ネタのコメントが投げかけられる。
↑小長井振興会の川本会長は、「長崎には来年10月に2回目の国体があり、7つの競技が開催されます。ぜひ国体の方にもおいでいただきたい」とPRしていた。一緒に登場したゆるキャラのがんばくん、らんばちゃんには、“リア獣”とのコメントも。
■熱気のスゴかったステージ
町会議の出し物は、ステージとブース展示に大きく分けられる。ステージは小長井文化ホールの3階に設営し、歌ってみた、踊ってみた、演奏してみたという音楽のほか、生放送の視聴者に雰囲気を伝える会場中継、地元の方による名物PRなどの企画を楽しめた。ステージ前にはずっとお客さんが滞留していて、移動するのもひと苦労。雨が降っていたせいもあって、湿度もぐぐっと上がってかなり蒸す感じに……。
↑ステージ企画で目玉のひとつが、大勢の前で気持ちよくカラオケできるという“町のど自慢”。毎会場、競争率が高くて抽選になっています。小長井町では、長崎出身の歌手、草野仁さんが『サライ』を歌って、「えっ、もうエンディング!?」と驚くぐらいの一体感で感動を呼び起こしていた。
↑ゲストユーザーのトップバッターは、演奏してみたから“くちぶえ村の村長”さん。音符メガネがインパクト大ですが、日本や世界の口笛大会で何度も上位入賞をはたしている実力者です。フンメルの『トランペット協奏曲 第三楽章』でハイパーピヨピヨタイムを見せつけて、会場とネットを魅了してました。
↑さらに歌ってみたの雄大さんと、『天空の城ラピュタ』の『君を乗せて』でコラボ。まるでCMで使われるような鳥肌モノのステージなので、ぜひタイムシフトで観てほしい。
↑歌ってみたの“あう”さんは、『Fire◎Flower』と『いーあるふぁんくらぶ』を熱唱。かわいらしい見た目にだまされちゃいけない、芯のある声で歌い始めると、一瞬で「おおおーっ!」と会場を沸かせていました。
↑雄大さんのソロは、MISHAの『It's just love』とbuzzGさんのボカロ曲『星の唄』。さすが音大の声楽科出身だけあって、迫力がスゲー!今回のステージはじっくり聴かせる系が多くて心が洗われます。
↑忘れちゃいけないのが、お客さんをステージに上げて、みんなで一体となって歌う大合唱のパート。課題曲となったアニメ『デジモンアドベンチャー』のオープニング曲『Butter-fly』を大声で歌います。
↑踊ってみたからは、仮面ライアー217さん、れいちぇるさん、さっちゃそさんという美女3人が参加。希望者を募って振り付けを伝授し、ステージで発表するという流れだ。室内で狭い中、30人ほどのユーザーが集まって熱心に練習していました。
↑ひとつ目の課題曲は、ボカロ曲の『威風堂々』。3人が所属するユニット“牛泥棒”が振り付けのオリジナルだ。1時間に満たないレッスンで覚えるのは“無理ゲー”な難易度なのだが、みんながんばって踊ってました。
↑2つ目は、さっちゃそさんが振り付けたボカロ曲の『スイートマジック』。みんなで楽しそうに合わせる感じが、これぞ踊ってみたの醍醐味という感じで素晴らしいです。
↑会場中継もバラエティーに富んでます。ゲーム実況で町会議MCのドグマ風見さんが、いつものように来場者を捕まえて無茶ぶりトークをかましたり……。
↑ユーザー生放送のマッスル宮崎さんが、ふんどし一丁で“スラ”(石を運ぶためのソリ)引きにチャレンジしたり。
↑ゲーム実況の人気ユニット“最終兵器俺達”から、バットマンマスクのこーすけさんと、目出し帽のヒラさんの2人が、こながいまつりの出店をレポートしていました。右の写真は、マスクの下からから揚げをほおばるヒラさんの貴重な(?)食事シーン。
↑地元紹介では、ドグマ風見さんが嵐の中、会場のすぐそばにある有明海に出向いてシャコ取りにチャレンジ。カニやカキ、アスパラ、ナスなどの名産品も紹介した。
■笑顔にあふれていたブース系の出し物
ブース系の出し物は、小長井文化ホールの3階と、屋外の駐車場に分かれていた。屋外は不利な天候だったにも関わらず、多くの人が傘をさして列にならんでいて、イベントにかける意気込みが伝わってきた。
↑何と言ってもスゴかったのが、マッスル宮崎さん。まずマイふんどしを持参する時点で気合いが違います。ブースでは肉体美を見せつけて人だかりを集めたり、大合唱のステージでは飛び回ったりと、MVPモノの活躍でした。
↑ゲーム実況では、こーすけさんとヒラさんが『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』などの対戦ゲームを、Hakaseさんと赤石先生さんが箱庭ゲームの『Minecraft』を担当。
↑Minecraftでは、フルーツバス停やめがね橋など、長崎の名物を製作していました。目の前でゲーム実況のトークを聞いて、ほかのユーザーと一緒に笑ったり突っ込みを入れたりできる機会はかなり貴重! 残りの4会場に行く機会があったら、ぜひ参加してみてください。
↑絵師のせらみかるさんは、似顔絵コーナーを担当。メインステージと同じホールの後ろという騒々しい場所だったにもかかわらず、集中して1枚の白板に220人を描ききってました。
↑似顔絵コーナーの隣には、無料の輪投げコーナーを用意。3つ以上入れたら景品がもらえます。ぐぐっと1階に移動し、屋外に出ると、生放送主で町会議MCの百花 繚乱さんが自ら焼くたこ焼きブース。こちらも毎回、無料で配ってます。
↑物販も大人気で、雨のため傘をさしての行列となっていた。その隣には、500円でニコ動のユーザーIDをカード化できる“ニコニコ住民票”コーナーも。
↑参拝者の様子を生中継する“町ニコニコカー神社”。いつもは車の後部に神社を設けているが、雨のためモニターなどが出せずに初めてテントでの開催となった。ナビゲーターは、よしもと所属で長崎住みます芸人として活動中の長崎亭キヨちゃんぽんさん。
↑13時30分から始まった夢の宴も、あっという間に時間が経ってエンディングを迎える。最後にみんなで“ニコニコ盆踊り”を踊って〆。
↑盆踊りでは、ドグマ風見さんがやぐらに上がるのが恒例だが、今回は室内なのでやぐらはナシ。というわけでマッスル宮崎さんとドッキングすることに。しかし、ドグマさんを下ろさずに踊ってたマッスルさんマジマッスル。
↑踊ってみたのメンバーが楽しそうに踊る一方で、他のカテゴリーの方々は振り付けがあやふやでやや戸惑い気味。でもみんなで輪になって一体になれればいーんです!
というわけで長崎の諫早市小長井町における町会議も、大成功で幕を閉じた。わずか50枚程度の写真で伝えるのはなかなか難しいが、町会議はめちゃめちゃ楽しいイベントなんです。筆者もほぼ毎週末をこの取材にあてていて、正直、仕事的にも家庭的にも色々と支障が出てきてますが止められない。
何がそんなに魅力なのかといえば、笑顔があふれているからです。出し物が楽しかったり、有名ユーザーに会えたりして自然と出てくる来場者のうれしさ。イベントをやりきった出演者やスタッフ、ボランティアの達成感。異常なほど若者が集まって活気あふれるまつりを目の前にできた地元の方のよろこび。こんなにいろいろな“ニコニコ”が集まる場所が、魅力的じゃないわけがないでしょ!
↑クロークも用意しているので、コスプレすることも可能。あちこちで即席の撮影会が行われてました。
↑出演者の空いた時間には、運がよければ一緒に写真を撮ったり、サインをもらえたりするかも!? ちなみに左のドグマさんと握手してる方は、鹿児島の町会議にもいらしていたドグマさんの生放送をきっかけに結婚したカップルさんです。
↑運営を支えたボランティアの精鋭たち。1日仕事で本当に大変なんですが、他では得難い貴重な体験ができます。興味のある人は、残り会場で応募してみてはいかが?
↑最後に全員でパチリ! 次は8月31日、山口県下関市豊北町の“豊北夏まつり”にお邪魔します~。
■関連サイト
ニコニコ町会議 全国ツアー2013
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