スマートフォンのスペック競争はCPUやディスプレーサイズ、メモリー容量だけではありません。いまや3G対応は当然。最近ではLTEの高速データ通信可能なスマートフォンも続々登場しています。
ところが中国から変な製品が出てきましたよ。まったくべつのアプローチを使った“高速データ通信対応”スマートフォンが登場したのです。この機能の搭載は世界初かも?
パッケージが大きいJugateの謎スマートフォン |
大手から無名までその数は100とも言われる中国の携帯メーカー。最近は無名メーカーもスマートフォンを続々と市場に送り出しています。今回紹介するJugateは実は怪しい中国携帯“山寨機”ではメジャーなメーカー。そんなメーカーから謎めいた機能を搭載したスマートフォンが登場したのです。
見た目はどこにでもありそうな中華スマホ |
GSMのデュアルSIMカード対応 |
スペックは平凡。4インチのディスプレイー、650MHzのCPU、500万画素カメラなど。パッケージにはHSDPA対応なんて書いてありますが、フツーにGSMだけの対応です。AndroidのOSバージョンは“2.3.5”。最近中国ではどこでもよく見かける、ごく一般的なミッドレンジ端末です。
電池カバーにはドロイドくん |
龍のカバーはいらないような気がする |
本体はブラックとホワイトの2種類があります。電池カバーにドロイドくんがプリントされているのはワンポイントでかわいいかも。
パッケージには半透明なカバーがついているのですが、これが龍のデザイン。端末のイメージとあまり合わないセンスはやっぱり中華系製品だからでしょうか?
頭のカバーが気になるぞ |
とまぁ「なんだフツーの安物スマートフォンなのか」と一言で片付けてしまいそうな製品なのですが、よーく見ると本体上部に大きいゴムのカバーがかかっています。ヘッドホン端子やマイクロUSB端子を隠すにはちょっと大きいですよね。これいったいなんなんでしょ?
ミニでもマイクロでもないUSB端子を搭載 |
カバーの半分を開けてみると、なんとそこにはUSB端子! PCなどと同じいわゆるA型の端子を搭載しているのです! ってことはここにUSBメモリーやらUSBケーブル経由でHDDなどがつながっちゃう?
付属のマイクロSDリーダーを接続してみる |
ところがUSBメモリーをいくつか挿してみたのですが認識しません。パッケージに入っていたUSB対応のマイクロSDカードリーダーは問題なく使えたので、これでテストしてみましょう。
ファイルマネージャーでアクセス |
カードリーダーに入れたメモリー内のファイルを表示 |
マイクロSDカードリーダーを端末のUSB端子に挿しても、ギャラリーにはメモリーカード内の写真が出てきません。どうも専用のファイルマネージャーを起動しなくてはならないようです。起動すると“sdcard”と“usbdisk”が出てくるので“usbdisk”を選択、あとはフォルダを開けばファイルの一覧となるので、希望のファイルをタップすれば表示されます。
それってもしかしてLAN端子なのか? |
さてこれだけでも結構珍しい&便利な製品なのですが、カバーはまだ半分しか開けていません。ではもう片方にはなにがあるのでしょうか? カバーを全部はずしてみると、そこにはなんとなく見慣れた端子が備わっています。あれ、これってもしかしてフツーのLAN端子(RJ45)?
なんとLANケーブルが付属していた |
実はパッケージのなかには巻き取り式のLANケーブルも入っているのです。中華スマートフォンの多くはGSM対応なので通信速度は遅く、無線LANがなければその低速通信速度で我慢するしかありません。しかしこのJugateの端末は、家庭やオフィス、ホテルなどに高速な有線LAN回線があればそれを利用できちゃうってわけですよ!
イーサネット設定があるのです |
さっそく端末とルーターをLANケーブルでつなぎ、設定画面を出します。すると普通のスマートフォンには見られないEthernet configurationという項目が見られます。ここから有線LANの初期設定が可能です。
有線接続は快適だ! 面倒だけどね |
てなことで有線LAN経由でネットアクセスしてみましたが、結構快適です。また回線は無線LANより安定しているので使い勝手は意外と悪くないかも! とは言えケーブルがつねにつながっているので部屋のなかを動き回るのには不便ですし、壁の有線LANジャックが遠い位置にあるとケーブルを這わすのも面倒。ま、ほかのメーカーが追従することはなさそうですねぇ。
山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局
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