週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

【Imagine Cup 2012レポート5】快挙!日本は2チームが世界大会決勝に進出!!

2012年07月09日 15時30分更新

■ゲームデザインに2チームエントリー

 オーストラリアのシドニーで開催されている、マイクロソフト主催の学生向け技術コンテスト『Imagine Cup 2012』。今大会のメインのコンペティションは、ソフトウェアデザイン部門とゲームデザイン(XBOX/Windows)部門、ゲームデザイン(Windows Phone)部門の3つ。このうちソフトウェアデザイン部門に、東京高専チームが出場しているのは既報のとおりだが、日本からはもう2チーム、バンタンゲームアカデミー の『Team Esperanza』と、トライデントコンピュータ専門学校の『チーム*ブロッサム』が、ゲームデザイン(XBOX/Windows)部門に出場している。

 ソフトウェアデザイン部門は、日本大会の優勝者が無条件で本大会へと出場できるの対して、ゲームデザイン部門は世界中からエントリーを受け付け、予選で残った100チームの中からさらに上位のたった10チームだけが本大会への出場権を得る。ある意味、ソフトウェアデザイン部門よりも世界大会出場は狭き門。そこに2チームも選ばれたこと自体で、すでに大きな快挙といえる。

 Team Esperanzaの開発したゲームは、震災復興をテーマとした『BLUE FIELD』。地震と津波でがれきの山となった街を、重機やレスキュー隊といったユニットを使って処理していく、リアルタイムシミュレーションゲームだ。

Imagine Cup 2012

↑ガレキを処理して、街を復興させることで希望を見いだしたい。そんな思いを込めて作成したゲームとのこと。

Imagine Cup 2012

↑左からメインプログラマーの前川佳嗣さん、デザイナーの佐藤一実さん、プログラマー&英語翻訳担当の野村俊太さん。

 一方のチーム*ブロッサムは、かわいらしいキャラクターを使って、画面上の立体型キューブをひと筆書きで歩いていくパズルゲーム『ブルーム*ブロック』を開発。ゲームキャラクターは花の妖精をモチーフにしており、ゲームをクリアーすると寂しいゲーム画面が草花で埋められた美しい画面へと変化していく。

Imagine Cup 2012

↑絵本のようなかわいらしいデザインが素晴らしい。操作はXBOXのコントローラーかキーボードから行なう。

Imagine Cup 2012

↑左からプログラマーの馬場翔太さん、デザイナーの野中志帆さん、同じくデザイナーの内木穂乃香さん。


■第1ラウンドはプレゼン&審査員によるプレー

 ゲームデザイン(XBOX/Windows)部門の第1ラウンドは、まずプレゼンと質疑応答から。第1ラウンドでは10チームから5チームへと絞られ、最終決戦が行なわれる。

 最初にプレゼンを行なったのはTeam Esperanza。英語でのプレゼンテーションは完璧だったが、質疑応答ではレスキューが登場するゲームということで、審査員から死傷表現についてはどうなっているのか? など、かなり難しい質問がなされるなど、ハードな審査となっていた。

Imagine Cup 2012

↑ゲームシステムや操作方法などわかりやすく解説しており、筆者が見る限りではプレゼンは問題なし。

 チーム*ブロッサムは、4月に行なわれた日本大会でも優勝したチームだが、それまではチーム全員がまったく英語を話せないというレベル。そのため出場が決まった直後からみっちりと英語のレッスンを行ない、本大会では全員が堂々と英語でプレゼンが行なえるまでに成長していた。
 とはいえ、審査員からの英語の質問に受け答えするというレベルまではには達しておらず、急きょ質疑応答のみ本大会のソーシャルメディアメンバーとして参加していた森下将宏さんに通訳をお願いした(彼については別記事で詳しく紹介します!)。

Imagine Cup 2012

↑チーム*ブロッサムの質疑応答風景。右の男性が森下さん。通訳を入れるのはルール上は問題ないが、審査員の印象という点では大きなマイナスポイント。

 翌日はショーケース(展示場)にて、審査員が実際にゲームをプレーして審査が行なわれた。プレゼンだけでなく、実際にゲームがプレーでき、その完成度も重要なポイントとなる。

Imagine Cup 2012

↑チーム*ブロッサムのゲームを、声を上げて楽しそうにプレーする審査員。彼は時間ギリギリまで遊んでいたくらいはまっていた。


■運命の決勝進出チーム決定!

 ショーケースでの審査終了後、休憩をはさんで、出場チームがイベントホールに集められ、決勝進出チームの発表が行なわれた。その結果、見事トライデントコンピュータ専門学校の“チーム*ブロッサム”が選出された!

Imagine Cup 2012

↑ソフトウェアデザイン部門に続き、再び壇上で日の丸が! 取材に同行してきてよかった!!

 ゲームデザイン(XBOX/Windows)部門の決勝進出チームは下記のとおり。この5チームで決勝を行ない、優勝が決まる。

Radiant/アイスランド、Team Blossom/日本、Hotfix_Windows/ベルギー、The Doers/ブラジル、TANG Thai/タイ


■東京高専チームは第2ラウンドにチャレンジ

 一方のソフトウェアデザイン部門に参戦中の東京高専チーム『Coccolo』は、引き続き第2ラウンドにチャレンジ。第1ラウンドではプレゼンと質疑応答だけだったが、第2ラウンドではショーケースでのデモンストレーションも審査の対象となる。

 第1ランドで見せた安定したプレゼンは、第2ラウンドでも健在。さらに質疑応答も第1ラウンドではビジネス寄りの質問が多く、返答に窮することがあったが、第2ラウンドは技術者寄りの審査員だったようで、技術についての質問が多く、レベルは高いものの彼らにとって返答しやすい質問がされていた。

Imagine Cup 2012

↑審査員が増えたことなどおかまいなしに、第1ラウンドよりもさらにキレのあるプレゼンを行なう東京高専チーム。

Imagine Cup 2012

↑ショーケースでのデモンストレーション風景。実は大会参加チームの中で、いちばんの大がかりなセット。メディア向けのプレゼン中も多くの人が集まっていた。


■ソフトウェアデザイン部門で実に“6年ぶり”の決勝進出!!

 そしていよいよ、ソフトウェアデザイン部門の決勝進出チームの発表。第2ラウンドに進出した20チームの中から、6チームが決勝へと進出する。東京高専チームは自信のあらわれか、チーム全員で浴衣を着て登場(着付けに時間がかかり、女子チームの到着がギリギリだったのは内緒の話だ)。その自信を裏付けるかのように、見事、決勝進出の6チームに東京高専チームが選ばれた。

Imagine Cup 2012

↑これで今大会3度目の日の丸! 浴衣効果もあっていちばん目立ってます!!

 ソフトウェアデザイン部門の決勝進出チームは下記のとおり。日本チームの同部門での決勝進出は実に6年ぶりとなる。

uCHAMPsys/台湾、quadSquad/ウクライナ、Coccolo/日本、MobileEye/ニュージーランド、wi-GO/ポルトガル、Symbiosis/ギリシャ

 日本チームは、ソフトウェアデザイン部門とゲームデザイン部門で、2チームが決勝に進出するという快挙を達成。2チームともあとは決勝でのプレゼンを残すのみ。世界一も見えてきた彼らの挑戦を引き続きレポートしていきます!

Imagine Cup 2012

↑決勝に進出する、東京高専の“Cocclo”とトライデントの“チーム*ブロッサム”。決勝でのパフォーマンスに期待したい。

■関連サイト
ImagineCup公式サイト(英語)
ImagineCup世界大会応援サイト(日本語)
Imagine Cup Japan Facebookページ

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります