ボーカロイドの世界に欠かせないのは、歌や演奏、踊りといった“やってみた”のジャンル。10日夜、札幌で行なわれた初音ミクのトークライブ『つながる世界 SNOW MIKU 2012』では、中国の伝統楽器“揚琴(ようきん)”によるボカロ曲の“演奏してみた”が実演された。
揚琴は、西洋のダルシマーにルーツを持つ楽器。西洋ではツィターを経てピアノに進化したが、中国ではオリジナルの姿のまま残った。本体には150本以上の弦が張られていて、それを無臭ゴムが先に付いた竹のスティックでたたいて音を出す。二胡などといっしょに演奏されることが多い。
演奏者の金亜軍(きんあぐん)氏は、7歳で揚琴に初めて触れて、40年以上続けているという正真正銘のプロだ。この日は『Packaged』、『炉心融解』、『裏表ラバーズ』、『ハジメテノオト』の4曲を披露した。ときに激しく、ときに繊細に演奏する様はまさに“プロの犯行”。……と、まぁとにかく音を文章で語っててもアレなので、まずは動画で見てみてください!
●炉心融解
●裏表ラバーズ
優雅な音色に時間を忘れて聞き入ってしまう。何となく三国志の世界を連想してしまったのは筆者だけ? 残念ながら圧縮音源では高域の音の響きが収まらないため、会場で聴くよりもまろやかさが落ちているが、それでも雰囲気は感じ取ってもらえるはず。生のほうが圧倒的に迫力が違うので、興味をもったらぜひライブにいってみるべし。
ちなみに金氏に演奏の依頼が来たのは割と直前で、「それまでは残念ながら初音ミクを知らなかった」(金氏)レベルからのスタートだったという。「札幌に来たらいつもラーメン屋に行くことを考えてるけど、今回は余裕がなくてひたすら初音ミクの曲を考えていた」と謙遜していたが、いざ演奏を初めてみれば見事なパフォーマンス! さすがの“プロの犯行”に会場から惜しみない拍手が送られていた。
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