週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

【SIMフリースマホと27日間世界一周 11】 最後の訪問地NYはSIMに優しくない国

2011年12月30日 17時00分更新

文● 中山智  編集●KONOSU

【前回までのあらすじ】→日本を旅立ったライター中山は、タイ、ラオス、南アフリカ、ジンバブエ、ドイツ、クロアチア、ハンガリー、イギリスを経て、いよいよ最終地、アメリカに向かいます! 

※レポートは9月27日~9月29日時点のものです。

 西回りで地球を移動してきた世界一周旅行も、いよいよ最終訪問地のニューヨークです……が、私、アメリカってあんまり好きじゃないんですよ。好きじゃない理由は2つあって、ひとつは入国審査が厳しいこと。

 iPhoneが登場する数年前、ケータイを6台くらい持って入国しようとしたら、「これは何だ?」と聞かれて説明するのにひと苦労。ケータイもムダに持ってたわけではなく、日本用や各国の周波数に合わせて用意したら、結局その台数になってしまったわけで。結局なんやかんやと、荷物を全部出させられ、あのときの気分の悪さがいまだに心をざわつかせるんですよね……。

 それと、もうひとつが“ケータイやSIMを買いづらい国(=楽しくない)”ということ。アメリカは世界標準のW-CDMAから外れた規格を採用しているキャリアが多く、SIMフリー端末を持ち込んでも使えるキャリアが少ないのです。さらにW-CDMAもマイナーな周波数を使っていたり、キャリアでのSIMの購入も意外とめんどうだったりと、結構ハードルが高い。

 というわけで、アメリカだけ滞在する旅行であれば、日本のキャリアの定額ローミングを使うか、モバイルルーターをレンタルしたほうがラクチンです。

キャリア定額のローミングを使う方法
世界一周 アメリカ
↑日本のキャリアの定額ローミングは、各社ともおおよそ1日3000円弱。数日程度ならいいけど、長期間滞在するとかなり割高。
高速通信タイプのルーターを日本でレンタル
世界一周 アメリカ
↑グローバルデータなら、LTE対応のモバイルルーターを1日1580円でレンタルできる。エリア内なら高速通信が可能だ。

 この世界一周旅行記では、宿泊した国ごとにSIMを購入して、SIMフリースマホに差し換えながら使っていましたが、上記の理由でアメリカでは唯一、SIMを購入しませんでした。

 ではどうしたかというと、実は2011年7月にもニューヨークに来ていて、その時に購入したプリペイドのAndroid端末を再利用!

プリペイドタイプのAndroid端末
世界一周 アメリカ
↑LG電子の『Optimus V』。CPUのクロック周波数は600MHzのエントリーモデル。129.99ドル(約1万100円)で購入。
家電ショップで購入しました
世界一周 アメリカ
↑購入したのは、家電ショップの『RadioShack』。プリペイド端末は家電ショップ内で販売されていて、手軽に購入できるんですね。

 7月に購入したケータイは、Virgin mobileというキャリアのプリペイドプランを利用します。料金をチャージするためのカードはスーパーマーケットやコンビニなどで手軽に購入できます。

 ちなみに購入した際に、インターネット接続は“35ドル(約2730円)でつなぎ放題”のプランに設定していました。残高が0ドルだったので、40ドルぶんチャージしてしばらく待っているとプランが再開し、自動的に接続可能になりました。

チャージカード
世界一周 アメリカ
↑スーパーなどの一角に、こういったカードがぶら下がっているので、対応するキャリアのカードを購入すればオーケー。

 ニューヨーク滞在は24時間もなく、本当に1泊だけ。さらに飛行機はコンチネンタル航空を利用したため、ニューヨーク州のとなり、ニュージャージーにあるニューアーク国際空港に到着し、日本への出発も同空港なので、宿泊は空港隣接のホテルです。

ちょっと割高のホテル
世界一周 アメリカ
↑空港隣接のホテルなので、1泊1万5000円と割高。しかもインターネット接続は有料。アメリカは高級ホテルほどインターネット接続が有料なのでキツイ。

 さて。アメリカで使用するスマートフォンの準備も整ったので、街へ! 

 ニューアーク国際空港からニューヨーク市内へは、バスまたは鉄道で移動する方法があるんですが、バスのルートがイマイチわからなかったので、鉄道をチョイス……これが大失敗でした。

 まず列車が待てど暮らせど来ない。どうも何かのトラブルでダイヤが乱れているようです(入り口でアナウンスしてくれたらいいのに)。仕方がないのでバスに切り替えようと、改札でキップの払い戻しを頼むも「現金がないので払い戻せない。センターに問い合わせろ」の一点張り。あきらめてホームで列車を待つこと1時間……。

 やっと市内行きの列車が到着し、待ち合わせていたほかの乗客も喜んで飛び乗ったのですが、今度はこの列車が、少し動いては止まり、少し動いては止まり、結局電車の中に1時間以上缶詰に。市内に着いたときにはすっかり日が暮れていました。

電車のなかでひたすらツイート
世界一周 アメリカ
↑列車のなかに閉じ込められてしまったので、することもなくひたすら、ツイッターをいじってました。

 なんともしょっぱい最後ですが、これで今回の世界一周は終了です。

 宿泊した国は全部で11ヵ国。アメリカをのぞくすべての国で、SIMカードを購入して過ごしましたが、スマホで仕事先と連絡をとりあったり、テザリングでPCから情報を調べたりと、日本国内と同じように仕事ができました。

 日本にいないとできない作業もありますが、仕事をしながら、世界をあちこちフラフラするのは楽しいですね。

 また機会があれば、チャレンジしてみたいと思います。それではみなさん、よいお年を! Happy New Year!

●関連リンク
Virgin mobile
 

【編集より】
 SIMと共に旅する世界一周旅行記、いかがでしたか? 

 もし今後、行ってほしい国や、調べてほしい海外の通信環境などがあれば、ぜひ、この記事のRTか @yenma @konosukyoko あてにお知らせください。気が付くとふらりと海外に出かけてしまう中山氏が、あなたの代わりに調査してきてくれるかも!? (といっても自腹マイル旅行なのでお約束はできませんが^^)

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります