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【SIMフリースマホと海外ぶらり旅】ラオスの古都で、サトルは象使いになった

2014年12月06日 10時00分更新

文● 中山智  編集●KONOSU

■滞在先:ラオス(2014年11月22日~25日)

 SIMフリースマホを片手に、フラフラ世界を旅している旅バカライター中山です。フラフラしていたら出版不況の大波にのまれてしまい、お仕事の依頼が少なくなってしまいました。

 これではいけない!とイロイロ思案した結果、“資格を取って自分の価値を高めよう!”という意識高い系な結論に達し、ネットで資格について調べていたところ、“ラオスで象使いの免許を取った”というブログをいくつか発見。こんな資格があるなら取りにいかねば!名刺に“象使い”って書いてあったらステキやん!

■いざ、ラオスの古都ルアンパバーンへ!

 そんなわけで、自分が象に乗っている姿を想像したら、いてもたってもいられなくなり、気がつけばラオスに飛んできちゃいました。約3年ぶりのラオス。前回の旅は首都のビエンチャンでしたが、今回はルアンパバーンという地方都市です。

 ルアンパバーンはラオスの北部の都市で、1975年の共産主義革命が起こるまで当時のラオス王国の王宮があり、日本の京都のような古都。市街地自体が世界遺産にも登録されていて、世界各国から観光地として注目されています。

 日本からはラオスへの直行便はないので、タイのバンコクやベトナムのホーチミンなどから乗り継ぎで来るのが一般的。今回はバンコクからバンコク・エアウェイズを使って、ルアンパバーン国際空港へとアクセスしました。

【SIMフリースマホと海外ぶらり旅】サトル、象使いになるの巻
↑バンコクからはバンコク・エアウェイズを使用。そのほかタイ航空やラオス国営航空もバンコクからの直行便を就航しています。

■空港で現地SIMを購入

 ルアンパバーンの空港に着いたら、まずは現地SIMの入手から。といっても小さな空港なので、税関を抜けたらすぐにカウンターを見つけられました。

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↑インフォメーションデスクのような簡素なカウンター。
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↑よく見るとラオステレコムの看板が置いてあります。

 店員さんにSIMについて聞いてみると、プラン表を見せてくれました。英語も通じるので購入しやすいです。

 通信プランは、5GB(30日有効)プランが13ドル(約1540円)、10GB(30日有効)プランが19ドル(約2250円)、無制限(30日有効)プランは39ドル(約4610円)とのこと。支払いは米ドルのほか、現地通貨のキップでも可能です。

 今回、開通作業やプランの申し込みなどは、店員さんにスマホを渡してお任せしちゃいました。

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↑データ通信のプラン表。簡単な物でもこうやって見せてもらえるとわかりやすいです。
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↑店員さんのスマホは珍しくWindows Phone。

 外国人観光客の購入者が多いのか、AndroidとiPhoneそれぞれにSIMを購入しましたが、手馴れた手つきでサクサクと作業を進めてくれます。ちなみに、APNなどの設定は下記のとおりです。

 APN : tcnet
 ユーザー名 : なし
 パスワード : なし

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↑購入したラオステレコムのSIMカードがこちら。標準、micro、nanoと3種類に切り抜けるタイプです。
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↑空港でのスピードテストの結果。3Gでの接続ならまずまずといったところ。

■ルアンパバーンの街歩き

 ルアンパバーンの中心街はメコン川沿いにあり、元王宮を利用した博物館や数多くの寺院が点在しています。といっても、見どころは王宮を中心に半径1キロメートルくらいに集まっているので、1時間ほど歩けばグルッと回れてしまうほど。ホテルやレストランも数多くあるので、旅行しやすい観光地です。

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↑街中の移動はトゥクトゥクと呼ばれる、3輪タクシーが主流です。
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↑ラオスの伝統的な建築のほか、コロニアル風の建物も多く、オシャレな雰囲気。
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↑こちらはラオス寺院のなかでも、最高の美しさと言われているワットシェントーン。
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↑寺院の中は金の仏像と細かな模様が施された内装で美しいです。

 また、毎朝早朝にはこれらの寺院から僧侶が托鉢に出かけます。オレンジ色の袈裟を着たたくさんの僧侶が列を成して歩く姿は圧巻。地元の人だけでなく、観光客もツアーなどで喜捨を体験することができます。

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↑毎朝6時くらいからスタート。寺院ごとに数十人の僧侶が一列で歩いてきます。
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↑炊きたてのご飯やお菓子などを喜捨。観光客も自由に見学や体験できますが、ラオスは敬虔な仏教徒が多いので、くれぐれも失礼のないようマナーを守って見学をしましょう。

 寺院などの観光と並んで人気なのが、ナイトマーケットでの買い物。メインストリートのシーサワンウォン通りの一部が、夕方6時~21時くらいまで歩行者天国になり、ナイトマーケットが開催されます。

 販売しているのはTシャツや置物などのお土産品がメイン。特にモン族などの少数民族による手作りの品物も多く販売されています。観光客向けのマーケットですがほかの国とは違い、店員さんの強引な声かけや客引きがあまりないので雰囲気も良く、のんびり買い物ができるのでオススメです。

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↑歩道はもちろん、道のど真ん中にもテントが並べられるナイトマーケット。
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↑カバンや洋服など、色鮮やかな少数民族のハンドメイド製品が多数出品されています。
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↑ランプシェードなど雰囲気の良い工芸品もたくさんありました。

■日本人のクチに合うラオス飯

 ラオスの主食はカオ・ニャオと呼ばれるもち米ですが、麺類もよく食べられています。また東南アジアの国では唯一の内陸国のため、肉料理が多いのも特徴。特にひき肉を香菜と炒めたラープが代表的なラオス料理となります。

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↑ルアンパバーン名物のカオ・ソーイ。肉味噌入りの麺料理です。1万5000キップ(約220円)。
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↑ブタのひき肉を炒めたラープ・ムー。あっさりしてご飯に合う。3万5000キップ(約510円)。
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↑ルアンパバーン名物のカオ・ソーイ。肉味噌入りの麺料理です。1万5000キップ(約220円)。

 タイ料理のように極端に辛い料理は少なく、香草を使っていてもそんなにクセのある味ではないので、あっさりしていて日本人でも食べやすいです。料理が口に合う点もルアンパバーンは旅行しやすいポイントですね。

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↑メコン川沿いのレストランは雰囲気も良く最高です。
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↑街の中心部での速度計測結果。屋内に入ると1Mbpsを切ることも。

■いざ、エレファントキャンプへ!

 さていよいよ今回の旅の目的、象使いの免許取得にチャレンジです。ルアンパバーンの街中にはいくつかツアー会社があり、象使いのトレーニングツアーを扱っています。

【SIMフリースマホと海外ぶらり旅】サトル、象使いになるの巻
↑シーサワンウォン通りにあるツアー会社。あちこちに象の置物が置いてあります。

 ルアンパバーンの近郊にはエレファントキャンプやエレファントビレッジと呼ばれる施設がいくつかあるようで、ツアー会社によっては象の体験搭乗だけで、トレーニングツアーは取り扱っていないところもあります。またツアー会社によって料金もまちまちなので、いくつか回って自分のスケジュールや目的に合ったツアーを選びます。

 今回は1日のトレーニングで、終了後に修了証を発行してくれるツアーを選びました。料金は70万キップ(約1万300円)。トレーニングツアー当日は、9時にほかのツアー客と集合し出発。ルアンパバーンの街からクルマで30分くらいの距離にあるエレファントキャンプに向かいます。

 ちなみにスマホの電波は、エレファントキャンプ周辺だと2Gの接続になり通信速度が遅く、TwitterやFacebookの更新も厳しい状況。写真付きの投稿は無理でした。

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↑エレファントキャンプに到着するやいなや、象の姿が目に飛び込んできました。
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↑熱烈な歓迎をしてくれる象たち!!
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↑こんなに近づいても大丈夫だよ!

 到着後すぐに、象の体験搭乗がスタート。最初は背中に装着したシートに乗り込んで1時間ほどのお散歩です。ここではツアーで一緒になった人と2人で乗り込みます。

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↑専属の象使いが頭に乗って、ツアー客は椅子にこしかけます。
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↑川沿いをゆっくりと象に乗ってお散歩です。

 体験搭乗がすむと、いよいよ本格的なトレーニングスタート。まずは専用の青いトレーニングウェアに着替えて座学から。世界中で数が減ってしまっている象の保護を目的としてエレファントキャンプが作られていることや、象を操縦するためのかけ声などを学びます。

【SIMフリースマホと海外ぶらり旅】サトル、象使いになるの巻
↑象使いについて教えてくれるのは、講師、自称ホンダさん。

 「パイ!」が進め、「ハオ!」が止まれ、「トイ!」が後ろ、「ヤァヤァ!」がダメ、など、象語についての講習です。

【SIMフリースマホと海外ぶらり旅】サトル、象使いになるの巻
↑操縦するためのかけ声はほかにもたくさんあるそうですが、まずは基本的なかけ声だけ覚えます。

 1時間ほどの座学が終了したら、実地訓練に入ります。今度は体験試乗のようなシートではなく、象の頭の部分に直接乗り込みます。馬のように手綱や鞍はなく、そのままの“直乗り”状態。

 そして習ったばかりの象語を早速叫びます!
 「パイパイパイパイ!」

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↑まずは後ろに担当の象使いも乗り込んで二人乗り。
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↑慣れてきたらひとり乗り。といってもすぐそばに担当の象使いさんが付いてきてくれます。

 キッチリと訓練された象たちなので、訓練といっても決められたルートを回る感じ。また、基本的には象は専属の象使いの声を覚えているそうで、その声に反応して動きます。といっても途中で止ったりするので、座学で教わったかけ声を叫んで象を操縦する訓練をします。

【SIMフリースマホと海外ぶらり旅】サトル、象使いになるの巻
↑ジャングルの小道を1時間ほど乗りっぱなし!

 いったん昼食での休憩のあと、ふたたび象に乗り込み、今度は象との水浴びや川渡りを体験します。ちなみに完全に川の水の中に入るので、象のトレーニングを受ける場合は、あらかじめ下着ではなく水着を着込んでおくのがベスト。

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↑ヒャー! 象と一緒にズンズンと川の中に入っていきます!
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↑鼻を使ってバシャバシャと水をかけてくる象も。この写真の撮影はXperia Z1。防水スマホはこういうときに威力を発揮しますね。
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↑そのまま向こう岸まで象に乗ってズンズン進みます。
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↑さらに村へと進み、小学校へ寄り道するなど。

 以上でトレーニングは終了。座学が約1時間で、象に乗っている時間はトータルで4時間弱。かなり長時間乗りっぱなしです。象の頭は固くはないし、変な臭いもないので長時間乗っていても問題なし。意外と頭に毛が多くて、たわしのように固くてチクチクしますが(笑)。

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↑まつげも長いですが、頭頂部もけっこう毛深いんですよ。
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↑トレーニング終了! ありがとう!!

 エレファントキャンプでシャワーを浴びたあと、街に戻るとトレーニングの修了証がもらえます……。が! ここで事件が!

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↑名前がSATORU(サトル)ではなくHATORU(ハトル)に! 間違えられた!!

 ここで取得できる修了証は、公的な資格ではないので、履歴書に記載したり動物園に行って象使いとしてバリバリ働けるというわけではありません。ですが、実際行ってみるまで、こんなに長く象に乗る時間があるとは思っていなかったので、大満足のツアーです。

【SIMフリースマホと海外ぶらり旅】サトル、象使いになるの巻
↑最後に講師の自称ホンダさんと記念撮影。ちゃんと名前を修正した修了証をもらいました(笑)。

 落ち着いた雰囲気で見どころも多く、ほかでは体験できない象使いのトレーニングも受けられるルアンパバーン。SIMフリースマホがあれば、現地SIMもサクッと購入できるので、旅先としてかなりオススメですよ!

※外務省からラオスの一部地域について“渡航の是非を検討”と“十分注意”の警告が出されています。渡航の際には現地情報をチェックして十分ご注意ください。

■関連サイト
ラオステレコム

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