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【SIMフリースマホと27日間世界一周 5】 野生の王国ジンバブエでSIMを探す男

2011年11月10日 19時00分更新

文● 中山智  編集●KONOSU

【前回までのあらすじ】→日本を旅立ったライター中山は、タイ、ラオス、南アフリカ共和国を経て、いよいよジンバブエ共和国へ。圧倒的な大自然の中でも快適に通信できるのでしょうか……?

※レポートは9月14日~9月16日時点のものです。

 南アフリカの次は隣国ジンバブエです。こちらも“世界最悪の独裁国家”、“年間インフレ率が220万パーセント”など、南アフリカに負けず劣らずの悪評のある国。なんでそんな国にわざわざと思う人もいるでしょうが、この国には、世界遺産にも登録されている世界三大瀑布のひとつ、ビクトリアの滝があるのです。

 南アフリカのO・R・タンボ国際空港からは、1時間40分ほどのフライトでヴィクトリアフォールズ空港に到着。さっそく空港内で通信会社のショップを探したのですが、どうにも見当たらなかったので、そのままタクシーを拾って予約したホテルに向かいました。

ホテルに到着
世界一周 ジンバブエ
↑世界的な観光地ということもあり安宿はあまりなく、1泊約1万円ほどのホテルとなりました。

 ホテルは大きなリゾートホテル。室内でのネットへの接続は無線LAN……ですが、どうも電波が弱いようで、窓際に行かないとつながりません。さらに、ときたま停電があり、その間はネットにつなげません。停電は数分間と短いのですが、バリバリ仕事に使うにはちょっとキビシイです。
 ひとまず街の中心部に出てSIMを入手することにしました。

ビクトリアフォールズ駅
世界一周 ジンバブエ
↑プラットホーム以外、なんにもないですが、ここがれっきとした駅。
SIMを探して街をウロウロ
世界一周 ジンバブエ
↑赤土でホコリっぽくアメリカ開拓時代のような雰囲気の街並み。
ジンバブエのSIMをゲット!
世界一周 ジンバブエ
↑ケータイショップで『Econet』SIMを購入。1枚5ドル(約380円)でした。

 さて。SIMは手に入ったものの、店員に訊いてもウェブサイトを見ても、パケット定額サービスについてはサッパリ情報がありません。そればかりか、通常のパケット使用料すらわからない。仕方なく、通常はSIMフリースマホのデータ通信機能と各種データの同期機能をオフ。Twitterやマップなど、ネットを使いたいときだけデータ通信機能をオンにすることにしました。残高の確認方法は、通話アプリから *125# へコールすればオーケー。APNなどの項目は下記のとおりです。

 APN : internet
 ユーザー名:空白
 パスワード:空白

 定額でないとはいえ、SIMは手に入ったので、いざビクトリアの滝へ。

 街から歩いていくと、30メートルおきに「マイフレンド!」と声をかけてきます。木彫りの置物やネックレス、さらには使えないジンバブエドル。ジンバブエドルはちょっと欲しいかなと思いましたが、闇両替になるような行為は違法。悪い警官とつるんでたりするとめんどうに巻き込まれそうなのでパスしました(へたれトラベラーですみません)。

 ちなみにインフレで一時は、100兆ジンバブエドル紙幣まで発行していましたが、現在は米ドルと南アフリカランドが流通していて、通常の支払いにはこのふたつの通貨を利用します。

いざ、世界三大瀑布へ!
世界一周 ジンバブエ
↑滝周辺は柵がしてあり、入場料30ドル(約2300円)が必要。この滝は、現地語で“雷鳴とどろく水煙”と呼ばれているそうです。

 ビクトリアの滝は滝幅約1.7キロ、落差は最大で108メートル。Googleマップで見るとわかるとおり、滝周辺は平原が広がっていて滝の部分だけ、パックリと裂けている感じ。滝周辺は遊歩道が整備されていて、見学しやすいです。

霧のような水しぶき
世界一周 ジンバブエ
↑大小300以上の滝がなんと4キロにも渡って落下。こちら側までしぶきが降り注ぐくらい。これでも乾期で水量は少なめ。雨期には1分間で5億リットルの水が流れ落ちるそうです。


大きな地図で見る

隣国へは徒歩で行ける
世界一周 ジンバブエ
↑隣国ザンビアへは橋が架けられており、徒歩で渡りきることができます。
橋の上からの眺め
世界一周 ジンバブエ
↑国ごとに呼ばれ方も変わり、ジンバブエではヴィクトリアフォールズ、ザンビアではモシ・オ・トゥニャ。

 隣のザンビアに歩いていけるとはいえ、国境ですので橋の両サイドで出入国管理を通る必要があります。しかも、ザンビア、ジンバブエともにビザが必要。それぞれの国で入国時にビザの購入ができますが、ザンビアに行って、ジンバブエに戻ってくるときにも再度必要です。それぞれザンビア入国に20ドル、ジンバブエ再入国に30ドル。さらにジンバブエ側の滝周辺も公園になっていて、入場料に20ドル。結局両国で滝をみると、合計で100ドルとかなりの金額に。世界遺産とはいえちょっと割高ですね。

橋を渡ってザンビアへ
世界一周 ジンバブエ
↑鉄橋は大型トラック1台が通れる幅。大量の荷物を積んだトラックがガンガン通過していきます。
ザンビア側から見た滝
世界一周 ジンバブエ
↑先ほどと反対側からの風景。滝の落差さがよくわかります。

 滝見物をひととおり済ませたあとは、船で川の上流を回るクルーズ(40ドル:約3000円)に出かけることにしました。クルーズでは野生の象やカバを発見。

美しいサンセットクルーズ
世界一周 ジンバブエ
↑オプショナルツアーに参加! 軽食にお酒とソフトドリンク飲み放題なので、結構おトク。
野良ゾウ!
世界一周 ジンバブエ
↑象の群れを発見。大小といるので親子でしょうか?
野良ゾウが泳いでる
世界一周 ジンバブエ
↑別の島まで泳いでいくゾウ。一部の島は人間の上陸が禁止になっているそうです。
野良カバ!
世界一周 ジンバブエ
↑遠くて小さくしか撮れず、しかも頭しか見えませんが、れっきとしたカバです。

 実は、ホテルのまわりでも野生の動物をチラホラと見ることができました。さすがはアフリカといったところ。

侵入する野良サル
世界一周 ジンバブエ
↑ビクトリアの滝周辺にいたサルと同じ種類のサルが、ホテルのベランダにも侵入してきました。
街を歩く野良イボイノシシ
世界一周 ジンバブエ
↑ライオンキングそのまま。本当にこんなにブサイクだったとは……ホテルや街中をウロウロしてました。

 ところで街中はほぼ全域3G、隣国ザンビアも3Gで届いてました。街で購入したSIMには、20ドル(約1520円)をチャージしておいたのですが、結局、2泊3日の旅程で帰国時までに利用したのは15ドルほど。

 以上がジンバブエおよびザンビアでの滞在。ビクトリアの滝や野生の動物など、見どころは多いのですが、公園の入場料などが高く、街にはこれといったレストランもないので、ホテルでの食事となり滞在費は割高。さらにネット環境もキッチリ仕事ができるほど整っていないのが残念なところ。せっかくの観光資源もこれではもったいない感じです。 

なんと出国時に空港で発見!
世界一周 ジンバブエ
↑帰りにふと見るとショップはありました。到着時はお休みだったとのこと。

 次回は、ヨハネスブルグを経由して、ドイツのミュンヘンに向かいます!

●関連リンク
Econet

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