週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

気持ちよくて笑っちゃう! ペンホルダー型スマホペン『Su-Pen』開発秘話(その2)

2011年11月01日 10時00分更新

 休日に趣味でつくりはじめたスマホペンが、いつの間にか社内でいちばん評判の良いペンになっちゃってた、というお話。今日は書き心地のこだわりと自宅での開発秘話に迫ります。

Su-Pen

『Su-Pen(スーペン)』 ●MetaMoJi ●価格2980円 
●全長 約106ミリ、重量 約20グラム 



ジョブズが聞くと怒るかもしれないけど
 なんで指で書くの? みたいな(笑)

 

Su-Pen

植松さん
「Su-Penの中身は4重構造みたいな、かなり複雑な構造をしていてですね。最初はかなり直感的につくったんですが、細かくタッチというものを分析していくと、書きはじめるときの”さわりはじめのタッチ”と、“クッと止まったときの止まり”と、“抜けるとき”ですよね。その3つのバランスがおかしいと書き味がすごく悪い、と。その対極にあるのが筆で、そこをすごく曖昧にしたものです。

 文字を書いたときにペンとか鉛筆に慣れた人たちなんていうのは、入りと抜きが紙に近い感覚でできるようにしたいと思ったときに、それを追求していくとどうしてもこう何重構造になる。それで今、製造コストがたいへんで困ってるんですけど(笑)。でも、ま、パラメーターを変えることで書き味をどんどんどんどん追求していける土台みたいなものを今回つくれたのかな~と思っています。」

Su-Pen

――もっと柔らかいのが好みの人用、硬いのが好みの人用というものも……。

植松さん
「はい。考えていこうと。」

浮川社長
「やるかどうかはあれですけど、型番がね(笑)」

植松さん
「『P101M』ってなってますよね。Pはペン、101はバージョンとかそういうのですが、Mは中ぐらいの硬さって意味のMなんです。」

su-pen

浮川社長
「鉛筆はHとかBとかあるでしょ? あのようにそのうちこうハードとね、ソフトを出そうと。まずミディアムだと。最近はね、もう万年筆を使う人は少ないけど、こだわる人はピッとしなり具合を見る。我々、若いときは結構あったんですよ、万年筆のこだわりって。」

Su-Pen

植松さん
万年筆の先の玉と形で、押していったときのしなり具合が変わるんですよね。あと真ん中の切り欠きの形とかも。あれは歴史の中で完成されてて、あそこまではいかないにしてもまあ、そういうこだわりをもって。

 
これからの時代、紙よりもこういうものに書く頻度がすごく多くなってくるだろうから、紙と同じようにそこにこだわりをもって出したほうがいいだろうなあと。7notesをやってるとそういう感じが特に出てきてですね。書き味にすごくこだわって、何度も何度も字を書いて(笑)。こだわるなら、「なんで指なの?」みたいな(笑)。ジョブズが聞くと怒るかもしれないけど、字を書くならペンを使おうよって。


「夜中に自宅で熱可塑性のあるものを
 フライパンの上で溶かして流し込んだりとか(笑)」

Su-Pen

植松さん
「なんとなく最初は趣味的にこだわりはじめて、休日の素材探しはすごくてですね……最初はスポンジとか脱脂綿とかいろんなものを試して全然だめだったりしたんですが。最後にはこう、熱可塑性のあるものを夜中フライパンの上で溶かして流し込んだりとか(笑)シリコンで型つくって流し込んだりとか工夫してやってた時期があって。試作の試作で、つくった瞬間だけは完璧なんだけど3日後ダメみたいなものもあったりしたんだけど。」

――表面が布とか?

植松さん
「そうですね。大きなところでタッチをつくるのは中身の構造ですけども、滑り具合をつくるのは何かといったときに、やっぱりゴムじゃないな~、やはり繊維かな、と。ガラスに対して繊維って滑りがとてもいいので。金属の網だと傷つけちゃいそうですし、あとちょっと滑りの感じが違うんですよね。金属だとちょっと滑りすぎる。ま、繊維ぐらいがちょうどいいなあと。……指紋も拭けますしね(笑)ちょうどこういうのがいいのかなあと。」

 さて、次回は『Su-Pen』本体のカスタマイズ性についてのお話です。(つづきます

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります