※レポートは9月3日~5日時点のものです。現在は洪水被害の拡大により、外務省では10月24日現在、首都バンコクの危険情報を“渡航の是非を検討してください”に引き上げています。また、多くの旅行会社もアユタヤ方面へのツアーを中止しています。渡航はご自身の判断によりご判断ください。
27日間世界一周の最初の訪問地は、タイのバンコク。なぜタイなのかというと、東南アジアのなかでもトップクラスのネット環境が充実している国なのです。旅の最初ということもあり、ネット環境の充実したタイである程度の仕事をこなしてしまおうという計画です。
タイのネット環境がどのくらい充実しているかというと、ほとんどのホテルで無線LANサービスが提供されています。一泊2000円~3000円の安宿でもそれは同じ。通信速度もおおむね下り数MbpsとADSLクラスなので、問題なしです。しかも無料サービスが多く、逆に高級ホテルのほうが、別途通信費が必要だったりするケースもあるので、安宿のほうが通信環境は良い場合もあります。
空港でSIMが買える |
↑バンコクのスワンナプーム空港にある、タイの携帯会社のひとつTrueのカウンター。 |
さらに、タイはSIMが購入しやすいのもポイント。税関審査を通ったあとの到着フロアには、『AIS』や『True』、『DTAC』といったタイの大手通信事業者のカウンターが設置されています。
ここで注意したいのが、3G通信を使いたい場合は、『True』か『DTAC』をチョイスすること。『AIS』は使用している周波数が900MHzと特殊なため、SIMフリーiPhoneや、SIMロックを解除したドコモの端末では通信できません。
ちなみに、『True』と『DTAC』も850MHzとややマイナーな周波数を使っていて、イー・モバイルの端末や、海外端末のなかには対応していないものもあるので注意です。
Hi-Speed Net SIM |
↑Trueが提供している、3G対応のSIM。 |
タイには年に数回訪れるため、SIMはすでに購入済み。今回はカウンターでチャージしてもらうだけですみました。ちなみにSIMを購入する場合は、199バーツ(約500円)です。
『True』はiPhoneの販売を行なっていることもあり、iPhoneにSIMを挿すと、APNなどの設定は自動で行なわれます。Andoridなど自分で設定する必要がある場合は下記のとおりです。
APN:internet
ユーザー名:空白
パスワード:空白
また、『True』では下記のようなパケット定額サービスが提供されています。
●1日定額(2G)/39バーツ(約100円):D1
●1日定額(2G)+WiFi 3時間/49バーツ(約120円):D2
●100MB(3G)+WiFi 5時間/129バーツ(約320円):V1
●500MB(3G)+WiFi 10時間/399バーツ(約980円):V2
●1GB(3G)+WiFi 無制限/699バーツ(約1700円):V3
※渡航時の価格です。
パケット定額を申し込む場合、SMSアプリから9789あてにメッセージを送信して行ないます。たとえば、1GBのパッケージを申し込みたい場合は、9789あてに“V3”と入力して送信すればオーケー。あとどれぐらいのデータ量が使えるか知りたい場合は、同じく9789あてに“B”と記入して送れば、メッセージが返信されてきます。
最新モデルも買えるMBKセンター |
↑巨大なデパートMBKセンターの4階にはケータイショップが建ち並んでいる。 |
タイが通信天国な理由のひとつに、端末の買いやすさがあります。その総本山といえるのが、BTSのナショナルスタジアム駅そばにあるデパート『MBKセンター(マーブンクロンセンター)』。ここの4階はフロアのほとんどがケータイショップとなっており、最新モデルから中古品まで、さまざまな端末を購入できます。
Evo 3D買いました |
↑フラフラとウィンドショッピングしていたら、最新機種が売ってたのでつい買っちゃいました。 |
データ専用SIMもある |
↑『i-Kool』のデータ通信専用SIM。『TOT』という通信事業者のMVNOだ。 |
またMBKセンターでは、端末だけでなくSIMも購入可能。通話のできる通常SIMだけでなく、データ専用SIMなども販売しています。たとえば『i-Kool』は500MBの通信が可能(開通から10日間有効)で99バーツ(約250円)。開通作業や定額の申し込みなども不要で、端末に挿してAPNを設定すればすぐに使えるので便利。「通話はいらない」というユーザーにはこちらがオススメ。また、このSIMは周波数に2.1GHzと一般的な帯域を使用しているので、『True』や『Dtac』で3G回線が利用できない端末にもピッタリです。
ただし、3G接続のみで、郊外の3G圏外になると通信できなくなるので注意。バンコク市内専用といった感じです。
APNは下記のとおり。
APN:internet
ユーザー名:空白
パスワード:空白
寝台列車で北上 |
↑寝台列車で次の訪問国ラオスへ向かいます。 |
バンコクでは快適な通信環境のおかげで仕事がはかどり、周辺国に足を伸ばす余裕ができました。が、移動にあまり費用をかけたくないので、寝台列車で隣国ラオスに行ってみることに。バンコクからラオス国境まで760バーツ(約1900円)です。
列車に乗り込み、車内の写真を付けて「今晩は寝台車」とツイッターでつぶやくと、同業の鉄ちゃんライター シババタススム氏から「おおっ、プルマン式の2段寝台だ!いいですね! 」なんて返信が。なんにでも名前があるもんですね(笑)。こんなやりとりができるのもSIMフリースマホ+現地SIMならではの楽しみです。
iPad2にはこのSIM |
↑『DTAC』のデータ専用SIM。通常サイズとmicroSIM共用。 |
寝台車の乗車時間は約12時間。さすがに道中暇なので、iPad2でウェブブラウジングやツイッターで時間つぶし。この12時間のために、iPad2で使用するSIMもMBKセンターで購入しておきました。
利用したのは『DTAC』の『iPhone INTERNET SIM』。APNは下記のとおり。
APN : www.dtac.co.th
ユーザー名:なし
パスワード:なし
100MBで89バーツ(約220円)とi-Koolとくらべて割高ですが、3Gだけでなく2Gでの通信にも対応。さらにmicroSIMのサイズに切り取れるので、iPad2にそのまま挿すことができます。
動画サービスなども利用したので、さすがに終点のラオス国境に着くころには100MBを使い切ってしまいました。
国境の駅ノンカーイ |
↑寝台列車の終着駅ノンカーイ。買い出しなのか大きな荷物をもった人が多い。 |
国境まではトゥクトゥクで |
↑駅からは乗り合いのトゥクトゥクで国境に向かう。といっても乗車時間は数分。 |
追記: 現在タイは洪水被害でたいへんな状況。タイに赴任している30年来の友人も洪水対策に奔走しているとのこと。これ以上の被害や犠牲者がでなければいいのですが……心配です。
※『True』のパケット定額サービスにWiFiが含まれていなかったため追記致しました。キャンペーンでデータ容量が増える場合もあるためその都度チェックしてみてくださいね。
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