レグザサーバーには、レグザリンク・シェアに加えて、もうひとつ大きな特徴がある。地デジ6チャンネル分を常に録画し、HDDに蓄積することで、最大15日分のタイムシフトを実現するというものだ。『DBR-M190』には4TB、『DBR-M180』には2TBのタイムシフト専用HDDが搭載されており、そこに地デジ6チャンネルぶんの放送が常に録画され続けるわけだ。最大15日分というのは、『DBR-M190』で、録画画質を“AVC低画質”(映像ビットレートは約4Mbps)に設定した場合で、画質設定を高めたり、タイムシフト用HDDの容量の少ないDBR-M180では録画可能日数が短くなる。
タイムシフト録画された番組は、通常の番組表とほぼ同じ形式の“過去番組表”を表示し、時間をさかのぼって見たい番組を選択することになる。通常の番組表は、未来の番組を調べたり録画予約するために用意されているものだが、時間をさかのぼって過去の番組を調べ再生できるというのは、なかなかおもしろい感覚だ。展示機はまだ開発中のため、過去番組表など最終の形とはなっていなかったが、通常の番組表と同じくスムーズに動作し、快適に過去の番組を検索し再生できた。もちろん、タイムシフト録画された番組をBDに保存することも可能なので、録画のし忘れはほぼ完璧に解消できるだろう。
“過去番組表”を表示したところ。タイムシフト録画で蓄積されている番組は、この過去番組表から選択して再生可能だ。 |
また今回は、まだアプリが完成していないということで、タイムシフト録画データをレグザタブレット側で再生するデモは行なわれなかったが、もちろん製品版ではタイムシフト録画データもレグザタブレットで再生可能になっている。レグザサーバーとレグザタブレットがあれば、レグザサーバーに蓄積されている録画データと受信している番組を、すべて離れた場所から楽しめることになるわけだ。こう考えると、やはりレグザサーバーとレグザタブレットはセットで買うしかないと言っていいだろう。
過去番組表の操作方法は、通常の番組表とほとんど同じ。番組表を過去にさかのぼって表示させて、観たい番組を選択できると考えるとわかりやすいだろう。 |
タイムシフトの録画可能日数は、録画画質によって変化する。最もビットレートの低い“AVC低画質”を選択することで、最長日数のタイムシフトが可能となる。 |
ところで、レグザサーバーとレグザタブレットを利用したレグザリンク・シェアの展示スペースには、『REGZA Phone IS11T』も展示されていた。『IS11T』でもレグザリンク・シェアの機能が利用できる。
IS11Tは録画番組の配信のみに対応。『RZプレーヤー』アプリではなくプリインストールの『DiXiM Player』を使用する。 |
最後に、4K2Kパネル搭載液晶テレビ『REGZA 55X3』についても紹介しておこう。こちらは、3840×2160ドットと、フルHDの4倍(縦横とも2倍)の表示解像度を誇るQFHD液晶パネルを採用した55インチの液晶テレビだ。フルHDテレビの4倍の情報を一度に表示でき、その精細感はまさに圧倒的。発表会では4K2Kネイティブの映像が表示されていたが、少し離れると、まるで実際にその場にあるものを見ているかのような錯覚を覚えるほど。これまでのテレビの概念を完全に覆す美しさだ。また、テレビ番組やBDソフトなどフルHDの映像コンテンツを、超解像技術によって4K2Kにアップコンバートして表示する機能も搭載。さすがに4K2Kネイティブコンテンツのような緻密さが実現されるわけではないが、それでもフルHDでは潰れがちな細かな部分の表現力が高まり、十分に解像感の高まりが感じられた。
また、レンチキュラーレンズを利用した裸眼立体視にも対応。これは、昨年発売された『グラスレス3Dレグザ 20GL1』とほぼ同じ技術だが、テレビに搭載されているカメラで視聴者の顔の位置を認識し、その位置に合わせて3D映像を調節する機能も搭載し、視聴場所の自由度が高まっている。3D表示時の解像度は1280×720ドットで『20GL1』と同じだが、画面サイズが大きく明るいこともあって、3D映像のクオリティーはかなり高く感じた。
フルHDの4倍の表示解像度をもつ4K2Kパネルを採用した、REGZA 55X3。レンチキュラーレンズを利用した裸眼3Dにも対応し、3Dコンテンツも楽しめる。 |
ただ、残念なことに、発売時には4K2Kネイティブの映像コンテンツを楽しむすべが用意されない。現在の放送波やBDなどの映像メディアはフルHDまでで、4K2Kコンテンツに対応していない。また、今回の発表会では、NTTぷららのひかりTVで、4K2Kコンテンツの配信技術を検討と発表されたが、これから動画形式や配信の方法などを検討するという段階で、実現はかなり先になりそうだ。
ちなみに、発売時に4K2Kの解像度をフルに楽しめる方法がひとつある。それは、SDカードに保存したデジカメ写真を表示するというもの。フルHDテレビでデジカメ写真を見るよりも、明らかに高精細に表示され、これはかなり使える機能だと感じた。さらに今年度中には、HDMIやDVIを4系統まとめて入力できるアダプターも発売するそうだ。そちらを利用するれば、PCや4K2K対応映像機器を利用し、4K2K解像度をフルに活用できるようになる。
フルHD(1920×1080ドット) |
こちらは、フルHD解像度の映像をそのまま表示した場合。 |
4K2K(3840×2160ドット)へアップコンバート |
フルHD解像度の映像を、超解像技術を利用して4K2Kにアップコンバートして表示。細かな部分までくっきり表示されていることがわかる。 |
発売時に4K2K解像度をフルに活用して映像を表示できる唯一の方法は、SDカードに保存したデジカメ写真の表示。フルHDテレビとは比べものにならない高品質でデジカメ写真が表示できる。 |
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