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【BUILDレポートDay1】Windows8 Developer Preview版で見えてきた1年後のユーザーエクスペリエンス

2011年09月14日 21時00分更新

 BUILD Windows初日。Windows8開発担当のシノフスキー氏が基調講演に登場し、Windows8のベールが解かれた。ここでは、筆者が注目したポイントを紹介していこう。

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↑基調講演を行なうシノフスキー氏。開発も順調に進み、マイルストーン3ではGUI系も大まか確定。少し得意げ?

 タブレット向けの新しい『Metro Style』アプリケーションに注目が集まるWindows8だが、意外にもメモリーの占有量はWindows7よりも小さい。標準の起動状態で281MBと、Windows7 SP1の404MBより100MBも小さいのだ。Vistaから続くカーネルの改良やシステム側の改良により、さらにメモリーフットプリントを減らしている。たがが100MBだが、たとえば、最大でも4GBまでしかメモリーを搭載できないATOM系などでは大きな違いとなる。

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↑標準の起動状態で、Windows8が占有するメモリーはわずか281MB。Windows7よりも小さい。

 また、システムは電源ボタンで完全にオフになるのではなく“Connected Suspend”という状態となり、最小限度の消費電力となったまま、極めて短時間起動してネットワークなどをチェックする。これにより、一見オフの状態であってもネットワーク側からは動いているように見えるため、たとえばWindows Liveを介したファイルの共有などが常に可能になる。Windows Liveの機能を使うWindows8では重要な機能だ。

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↑電力消費グラフ。グラフ左側の低いところがオフ状態で、ときどき消費電力が上がっているのはネットワーク接続のため。電源オンにすることで急激に消費電力が上がったのがグラフの右側。

 細かな改良も多い。たとえば、ファイルのコピーでは、データ転送量のグラフと一体になったプログレスバーが表示され、コピーの進み具合と速度が確認しやすくなった。

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↑ファイルコピーの進行を示すプログレスバー。転送速度を示す濃い緑色のグラフとともに表示され、ファイルコピーの速度や終了までの時間がわかりやすくなった。

 Windows8では、スタートボタンによるプログラムの起動機能は廃止され、すべて“スタート画面”から行なうようになった。ここにショートカットや概要表示、あるいはガジェットのような“タイル”を配置し、ここからプログラムを起動する。すべてのプログラムは、検索機能からアプリケーションを指定することでアルファベット順に並んだリストが表示され、ここから起動できる。

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↑スタート画面。このようなタイルが並び、横スクロールさせて使う。タイルはグループ化でき、間隔を開けて表示される。
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↑Windows8のデスクトップ画面。スタートボタンのデザインが変わり、単なる“ホームボタン”となってスタート画面へ移動するだけの機能になっている。また、エクスプローラーは、ツールバーがオフィスと同じくリボン形式となった。

 Windows8が対応する新しいアプリケーション形式は、“Metro Style”と呼ばれ、全画面を占有して動作し、Windowsのデスクトップもそのうちのひとつという扱いだ。また、Metro Styleでは、画面を2つに区切り、2つのアプリを動作させることもできる。

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↑Metro Styleアプリとデスクトップの“スプリット”表示。このように画面を大小2つの領域に分けて2つのアプリを同時表示できる。
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↑マルチディスプレーによるWindows8の表示。片方をスタート画面、もう一方をデスクトップ表示にすることが可能。なお、8からはセカンダリディスプレー側にもタスクバーを表示できるようになった。
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↑タスクマネージャーも改良された。CPUやメモリー使用量の現在値だけでなく、過去の値も表示できるため、時間的経過がつかみやすい。

 ベールを脱いだWindows8だが、マイルストーンと呼ばれる開発段階を終了。現在は、ベータ版の開発にかかっている段階だ。このまま予定どおりに進むと、Windows7のときと同様に来年早々にもベータ版が登場し、2012年の夏には最終版であるRTMとなる予定だ。

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↑今回配布されるWindows8は、“Developer Preview”と呼ばれ、開発環境なども整備されたもの。次のリリースが“ベータ版”となる。


●関連サイト
BUILD公式サイト

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