以前iPod touchを電話にしてしまう『皮520』という製品を紹介しましたが、中国の謎メーカー製で作りはイマイチ。しかも通話オンリーだしiPod本体をナニしなくてはならないということもあってか、海外でもメジャーな製品にはなっていません。まぁそんなもの使うくらいならiPhone買ったほうが便利ですしね。
アメリカ版のiPod touch用“皮”発見! |
ところが似たような発想の製品が実はアメリカでも販売されているのです。名前もやっぱり同じ“皮”。
ただし今度の製品は音声通話はできず、CDMA2000方式の3Gに対応しており、データ通信だけに対応。WiFiを搭載しておりWiFiルーターとしてiPod touchから接続するのです。
でもってどんなメーカーが作っているのかと思ったらモデムなどで有名なあのZTEでした。サッカーボールモデムを作ったファーウェイといい、超大手になったとしても中国メーカーは遊び心を忘れていませんねぇ。
Sprintのお店に突撃! |
この“新型・皮”の製品名は『ZTE PEEL』。アメリカのキャリアSprint Nextelから販売されています。
同社のWebページによると“No Contract”。すなわち契約不要とのこと。しかも79.99ドル(約6740円)とお手ごろ価格。通信料金は29.99ドル/月で1GB。毎月使う分だけを入金すればよいようです。
iPod touchやほかのスマホからお手軽にネットアクセスできる3Gルーターになるわけで、こりゃぜひともゲットしなくてはと思いSprintのお店に突撃してみました!
契約不要、なのに買えないなんてー(号泣) |
ところがSprintの店員さんが言うには「契約はいらないけどユーザー登録がいるので、住所やアメリカのクレジットカードやソーシャルセキュリティー番号が必要」とのこと。アメリカ人なら誰でもすぐに買えるんだけど、非居住者の外国人は無理なんだそうです。
ニューヨークとオーランドのSpritのお店数件を回ったのですが最初は「OK、アナタ購入デキマスヨ」なんて言ってくれた店員さんも、最終的には「ソーリー」と申し訳なさそうに下を向いてしまいました。目の前に箱まで出てきたのに買って帰ることができないだなんてぇ……。
どうしても欲しい! 使えなくても欲しいのよー! |
まぁほかにルーターもあるしなくてもよかったんですが、やはりこの手の“合体モノ”には男の子のロマンがあります(笑)。そして目の前に箱まで出されたのに買えないと、もう本来の目的を忘れて「とにかく入手したい!」との物欲が沸いてきてしまいました。
ZTE PEELはアメリカ向けCDMA端末なのでSIMカードなしだし、海外では使えません。でもいいの! とにかく買いたいんだぁーー!
アメリカ在住の知り合いに頼んで送ってもらったー! |
ということでアメリカ在住のお知り合いに、申し訳ないんだけど購入をお願いしてしまいました。
すぐに解約してもらい、香港へ転送を依頼。CTIA WIRELESS 2011が終わってから10日ほどで夢にまで見たZTE PEELが目の前にやって来たのです!
とは言え香港じゃ使えないので“ただの皮”にしかならないんだけどね。
これがZTE PEELだ! |
荷物を開けるとそこにはアメリカで目の前にまで出てきて買えなかったZTE PEELの箱が! しかもそのときは開封できなかったので実物に触れるのはこれが初めてです。
持った感じはとても軽く、表面処理も悪くないので安っぽさがありません。まぁ価格相応ってところでしょうか。
背面には電源ボタンやらインジケーター |
本体の裏側には“ZTE PEEL”のロゴと電源ボタン。下部には6つのバッテリーインジケーターがあります。
そして側面には充電用のマイクロUSB端子。iPod touchとは電気的な接続はされず、充電は別々に行なうわけです。
装着すると見事にぴったり |
ではiPod touchを装着してみましょう。ZTE PEEL本体の内側にスライドして入れるだけ。専用に設計されているのでスムーズに装着することができます。
なお形状が似ているiPhone 3Gは残念ながら厚みがあるので装着はできそうにありません。
さっそく接続! iPodとPEELまではつながる |
でもできるのはここまで。ZTE PEEL本体がネットにつながっていないのでこれ以上のことはできないんですよ。もちろんSprintと契約していないからってこともありますが、契約してもアメリカ以外のローミング利用には非対応。
うーん世界中のCDMA2000キャリアから発売してくれないかなぁー。
iPhone4からもつないじゃうよ |
iPod touchの背面に装着したとはいえ、このZTE PEELは単体でWiFiルーターとして利用できます。なのでほかの端末……たとえばiPhone4からもちゃんとつながるんですね。
まぁこうすると「そもそもZTE PEELじゃなくてフツーのWiFiルーターでもいいんじゃないのか?」と頭の中に疑問がわいちゃうんですが、まぁとにかく複数の端末から同時に接続ができるということです。
設定はブラウザーからOK |
本体の設定はブラウザーから“192.168.2.1”にアクセスして可能です。SSIDやらWiFiの自動OFF時間をカスタマイズできます。
また設定の中には“Manual Activation”なんて項目があったので、あとから別途利用登録ができるのかもしれません。
とは言え登録時に必要な項目を外国人では満たすことができそうもないのですが、そのあたりは次回アメリカへ行ったときにチャレンジしてみたいと思います。
しかしiPod touchでしか使えないってのもちょっともったいないですよね。形状を変えてアタッチメント方式にして、いろいろなスマホに装着可能にしてアメリカの空港で売り出したら売れるんじゃないかなぁー。
あとはSprintさんもプリペイドで売ってくれないかなー。ま、こうやって立て続けに類似製品が出てきたってことですから、どっかの国でいずれ別の中国メーカーから“改良版・皮”が出てくるんじゃないかと期待したいところです。
山根康宏さんのオフィシャルサイト
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