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iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

2010年11月03日 12時00分更新

 iPhoneは便利だけど、携帯電話はすでに持っているのでメディアプレーヤーや、アプリ利用のためにiPod touchを使っている人も多いでしょう。また、日本だと家電量販店などで通信ルーターとのバンドルセットで安く入手した、なんてケースも多いかもしれません。でも、iPhoneとiPod touchには決定的な違いがあります。そう、それは“iPod touchは電話ができない”のですね。いくら見た目が似ていても搭載していない機能は使えない、これ当然のことなのです。

Peel 520のパッケージサイズはiPod touchとほぼ同じ
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 ならばiPod Touchを電話にしてしまえ、という周辺機器が中国から出てきました。商品名は『Peel 520』。中国語ではそのまま『皮520』とストレートな名称がついています。このPeel 520は一見するとただのiPod touch用ケースなのですが、内部にはGSM携帯電話が内蔵されていて、iPod touchを電話にしちゃうのです! 3G対応ではないため日本や韓国では使えませんが、GSMの電波は世界中に飛んでいますから、iPod touchが“世界対応ケータイ”になっちゃうというわけなのですよ。こりゃ、すっごく便利なはず! と思い、さっそく香港で購入してみました。これがあればもうiPhoneはいらないかも!?

Peel 520本体。iPod touchがすっぽり入る
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 Peel 520で利用できるiPod touchは初代から3代目まで、iOSのファームは3.1.2/3.1.3/4.0/4.1に対応しています。ただし、Peel 520を利用するためにはiPod touchをJailbreakする必要がある点に注意です。もしもiPod touchがおかしくなっても、ノンサポートですからすべては自己責任。もちろん筆者も利用を推奨するものではありません。iPod touchが不調になっても、一切の責任は持てませんのであしからず。まぁ、こんなアクセサリを使うこと自体が怪しい行為なのですけどね(笑)。

画面上に見慣れぬアイコンが2つ
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 ということで、Peel 520を利用する下準備としてiPod touchのJailbreakを行なったあと、メーカーのウェブサイトの指示に従ってアプリをインストールします。うまくいけばiPod touchの画面上に見慣れぬアイコンが2つ表示されているはずです。

背面にSIMカードとバッテリーをセットしてiPod touchを装着
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 あとはPeel 520本体にSIMカードをセットし、バッテリーを装着してiPod touchを入れるだけです。なお、このままではPeel 520の携帯電話部分の電源が入っていないので、背面のスイッチを数秒押し続けます。チャイムのような音が鳴れば、携帯の電源がオン。さぁ、これでiPod touchがiPhoneになっちゃうのかっ?

バンパーを付けたiPhone4とサイズを比較
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 てなことでさっそく通話、の前にiPhoneとサイズを比較してみましょう。皮をかぶせたってことで比較するのもバンパーをつけたiPhone4にしましたが、サイズはひと回り大きいもののそれほど気にはならないかもしれません。むしろ、これで通話ができるようになったってことのほうが、ウハウハでうれしいじゃないですか! この手の合体モノってのにはロマンというか夢も感じられちゃいますねぇー。

iPodなのにアンテナマークが出ているのが謎っぽい(左)。『Yosin』を起動するとテンキーが現われる(右)
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 では通話してみましょう。アプリ『Yosion』を起動すると数字キーパッドが現われます。ここで電話番号を入力して発信すればオーケーで、そのまま通話できちゃうんですよ。

Peel 520本体にはスピーカーがあるのです
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 しかも、Peel 520のスピーカーから呼び出し音も鳴るし、相手の声まで聞こえちゃいます。すごいぜPeel 520! なんとスピーカー、そしてマイクまで内蔵していたのかお前はっ!

通話中の画面(左)。Contactsからの発信も可能(右)
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 なお、ホーム画面には時計の左にアンテナマーク、右にPeel 520の電池残量が表示されます。ただし、通信事業者表示がされないため、海外のSIMカードを使っている場合は、どこの事業者に接続しているかわからないので注意が必要です。

通話履歴(左)と設定画面(右)
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 また、画面下の“Contacts”を選べばiPod Touchの連絡先がそのままでてくるので、ここから直接発信することもできます。画面下の他のアイコンは“History”が通話記録、“Setting”は着メロなどを変更できます。このSettingメニュー内には“GPRS”とGSMのデータ通信設定の項目がありますが、現在は“ON”にできません。Peel 520はデータ通信未対応なのですが、将来アップグレードにより対応できるようになるのかもしれませんね。

『YsSMS』のSMS作成画面(左)。SMSはスレッド表示(右)
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 さて、Peel 520はデータ通信はできませんが、SMSの利用は可能です。アプリ『YsSMS』を起動すれば、ほかの携帯電話との間でSMSが使えます。SMSはiPhoneのようにスレッド表示されるため閲覧性もばっちり。ただし、受信したSMSは日付が正しく表示されません。まぁ、内容確認するだけならばこれでも十分でしょう。

日本のSIMカードを3枚用意
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 Peel 520はGSM方式対応ですし、技適マークもありませんから日本では利用できません。でも、海外のGSMエリアなら使えるわけです。ならばということで日本のSIMカードをPeel 520に装着し、香港の携帯電話回線でローミング利用してみました。用意したのは下記の3種類。

1.ソフトバンク U-SIMカード(黒)
2.ソフトバンク U-SIMカード(銀)
3.ドコモ FOMAカード

 結論から言えば3枚とも通話、SMS共に利用可能でした(SMSは発信先のキャリアを選ぶ場合がありますが)。そりゃそうだ、日本のSIMカードであろうとも端末に差してしまえば、「自分は海外製のGSM携帯電話に差さっている」と思っているわけで、それがこんな怪しい製品かどうかなんて理解していないわけですね。

ソフトバンクのSIMでは、さっそく海外での接続事業者情報のSMSが飛んできた
iPod touchを携帯電話にしちゃう『皮520』を香港で使ってみたぞ

 てなことで、利用開始するまでにちと敷居の高いPeel 520、“皮”と名づけられたその意味は、装着すればあたかも携帯を内蔵したiPodのごとく自然と使えるからでしょうか。データ通信ができないのでiPhone代わりとまではいきませんが、WiFi環境や3Gルーターがあれば結構、使い道があるかもしれません。もちろん、SIMロックはありませんから、世界中のSIMカードが使えます。

 ただし、Peel 520の電池残量がなくなると、発信中にiPod Touchごと再起動したり、本体が過熱するなど、やや不安定なところもあります。やはり、この手の周辺機器のご利用はくれぐれも自己責任で! 動かなくても筆者は一切責任持てませんので、チャレンジ精神で使ってみてください。


山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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