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e-Sportsを一過性のブームでなく文化に

TGSのMCJブースでe-Sportsに関わる人達が本音をぶっちゃける

2019年09月15日 12時00分更新

現状黒字化は厳しい状況今後のマネタイズは?

【黒川】 現状マネタイズが難しいと思いますが、みなさんどのような状況なのでしょう。

【齋藤】 将来的なマネタイズは考えていますが、基本はe-Sportsをいかに発展させるかに注力しているので、PUPGを使ってスケールしていきたいと思っています。一般的なスポーツと一緒で、スポンサーが収益の7,8割を占めており、ほかにはグッズ収入などもありますが、e-Sportsを興行として成功させたいという思いがあります。視聴習慣を植え付け、ファンをたくさん作り、それを応援する企業がいるエコシステムを作りたいですね。現状e-Sportsのリーグで黒字化しているところはほぼないでしょう。ただ、今やっていくことでノウハウが得られるため、投資という意味も込めて有望な市場だと思っています。

【大友】 ほぼ同意見です(笑)。3年RAGEをやっていますが、この1年でどうすれば収益が上がるか掴めてきています。とはいえ、e-Sportsがブームではなくカルチャーにするために、お金をしっかり回していく必要がある。大会を継続的に開くことはお金と労力が非常にかかるため、5年後、日本にほとんど大会がないという状況にならないよう、スポンサー企業に対してプロモーション施策をしていきたいですね。何十、何百という単位でかまわないので、一発で終わらせず、続けて行なってほしい。まだ黎明期なのでブランドロイヤリティーは非常に高まるはずです。

【橋本】 弊社は箱物なので、店舗の売上の確保が重要です。イベント会場として利用してもらうだけではマネタイズは難しく、売上の7割、8割は、日々お客さんが利用してくれることです。日本の場合は、自宅でもいいゲーミング環境を整えられやすいので、店舗をつくるだけではダメかなとも思っています。将来的には友達とカラオケへ行く感覚で、e-Sportsカフェへ行ってゲームをするぐらいの環境づくりを目指していきたいと思っています。そのためにも、コミュニティーをしっかり作っていくことが重要でしょう。

【馬場】 s-SPORTSが普及して、マシンも通信も使ってもらうことは嬉しいですが、それだけではつまらないので、来年始まる5Gによって、いままでにはない体験をすることで、e-Sportsの裾野を広げていき、ビジネスを広げていきたいですね。この1、2年は市場を広げていくことをサポートできれば。

【小林】 いかに商品を買ってもらえるかなので、そのなかで収益を上げていき、ビジネスが安定することで、またスポンサードするというエコシステムができ上がることが重要です。e-Sportsのファンや選手に、より商品を知ってもらい理解してもらうことで、ファンの拡大につながっていけば、好循環になるのではと思います。

e-Sportsのための新カテゴリードリンクBRAIN SPORTS DRINK「e3」は、9月30日Amazonで先行販売される

継続は力なり。力を合わせて発展を

【黒川】 最後に、今後e-Sportsにかける期待を

【小林】 今後もどんどん大きくなる市場ではありますが、世界に比べればまだまだ小さいです。ぜひ世界に追いつくよう、盛り上げていき、カルチャーとなるよう支援していきたいですね。

【馬場】 e-Sportsはまだこれからの状況。通信を中心にサポートし市場を広げることに注力していきたいですし、活動を通じてauブランドを好きになってほしいと思います。

【橋本】 技術の発展でまだまだ伸びしろのある分野だと思っているので、ネットカフェやe-Sportsカフェに行って、当たり前のようにゲームをするような世界になれるよう、目指していきたいですね。

【大友】 将来的に大きな産業となるためには、e-Sportsに関わるステークホルダーがしっかり環境を整えていくかが大事。予算を取ってしっかりやろうということではありますが、それ以外のところでも力を合わせて、新しい取り組みをしていきたい。

【齋藤】 継続しないとこの文化は発展しません。リッチな視聴習慣も大事ですが、コミュニティーの形成も重要になってきます。ユーザー層へどれだけリーチできるのか、努力していくとともにe-Sportsに関わってハッピーだったねと言えるように尽力していきたい。

 最近でこそ、e-Sportsのことを耳にする機会は増えてきているが、まだまだ一般には浸透していないのが現実。いかに、ほかのスポーツのように浸透し、根付かせ、ファンを拡大していくかは、今回登壇したパネリストの方々をはじめとした努力とサポートが必要だ。

 子供がなりたい職業に「YouTuber」がランクインするように、「e-Sports選手」というのが上位にランクインするぐらいになる日が、近い将来必ず来ると信じている。

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