iPhoneの買い替えは毎年という人もいれば、数年ぶりにするという人もいるだろう。後者の人が特に注意すべきが端末販売方式の変化だ。現在は「端末代金半額」などと表記されていても、以前の“実質価格”とは中身が変わっている。ショップで説明を受けて「???」とならないよう、あらためて確認しておきたい。
「月々サポート」などの料金割引はなくなった!
それでも端末を購入しやすいようキャリアが工夫
現在、ドコモ/au/ソフトバンクの3大キャリアでは「分離型プラン」などと呼ばれる、端末購入と契約が分かれた料金プランに移行している。以前はiPhoneを購入すると、24ヵ月にわたって、毎月の料金から2000~3000円程度が割引されていたが(「月々サポート」「月月割」などと呼ばれていたもの)、これが無くなっているのだ。
つまり、新しいiPhoneを購入する場合、8~17万円の端末代金を、分割であれ、一括であれ、そのままの金額で支払うのが原則。でも、これでは負担が大きくて、なかなか手が出しにくい。というわけで、各キャリアは分割回数を36~48回に延長。月々の支払額を減らしている。そして24回の支払後は、それまで使っていたiPhoneの回収を条件に残債を免除するプログラムを用意した。
48回払いで月々の支払いを軽減するとともに、
旧iPhoneの下取りで3年目以降の残債を免除する
より具体的に内容を見ていこう。au「アップグレードプログラムEX」(10月以降はDX)、ソフトバンク「半額サポート+」はほぼ同一の内容で、48回分割で24回支払後は端末の返却で残債が免除される。これをもって、端末代金が半額になるとアピールしている。
でも、よく考えると、旧端末が回収されるということは、実際はそれまで使っていたiPhoneの下取りを意味する。iPhoneは2年間使った後でも、キレイな状態で、付属品もそのままであれば、中古専門店などで比較的高額で買い取ってもらえる。旧iPhoneを下取りに出している時点で、“半額”というのはやや無理があるし、少なくとも以前の“実質価格”とは全然違うことはわかるだろう。
さらに、プログラム利用料として月390円×24回(=9360円)の支払いも求められる。実際の支払額を計算する上で、この金額も加えて考える必要がある。
また条件として、一括払いではなく、必ず48回払いを選択しないといけないほか、残債を免除してもらう際に、再度auまたはソフトバンクから端末を購入する必要もある。
ここまでの説明からわかるのは、この両プログラムは基本的に、「キャリアの乗り換えを今後も考えていない人」「それまで使っていたiPhoneを別に使う予定もないし、自分で売りに行くのは面倒」「iPhoneは分割で買うのが普通」といった人向けとなる。逆にこれらの条件がすべて当てはまる場合には価値があるプログラムと言える。
ドコモ「スマホおかえしプログラム」は
36回分割で24回支払後に残りが免除
一方、ドコモの「スマホおかえしプログラム」は、もう少し内容が異なっている。こちらは36回分割での購入が前提で、24回分を支払えば、旧端末の回収を前提に最大12回分の残債が免除される。つまり実質2/3の負担で済むという仕組みだ。
もっともiPhoneは2年経過後でも相応の価値が残っているので、1/3の価格での下取りが現実にオトクかと言えば悩ましいところ。ただ、残債の免除に再度の端末購入などの条件はなく、それどころか契約を解約していても大丈夫で、プログラム利用料も無し。端末を使い続けても、自分で売却しても、もちろんドコモに返却して残債を免除してもらってもOKなので、36回分割で購入するのであれば、とりあえず加入しておいて、後のことは後で考えればいいという内容になっている。
将来のキャリア乗り替えも視野に入れているなら
一括購入かSIMフリー版の購入も選択肢に入れたい
内容に若干の違いはあれど、それまで使っていたiPhoneの下取りを前提に、実質負担額を少なく見せるという部分では共通している。iPhoneはカバーを付けて丁寧に使い、自分で売りに行ける、将来のことはよくわからないし、キャリアの乗り替えの可能性もあるといった人は、スッキリと一括購入、またはApple StoreからのSIMフリー版の購入(Apple Storeでもショッピングローンによる分割払いや端末下取りは可能)も視野に入れるといいだろう。
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