ついに発売されたiPhone 11の3モデル。旅行や集合写真に便利な超広角レンズが追加。特にベーシックモデルのiPhone 11は、カメラが強化されつつも、そのカメラとディスプレーを除いた主要機能は上位モデルと共通点が多く、しかも比較的安価とお買い得感が高い。
そこで今年久々にiPhoneの買い替えを考えているという人も多いだろうが、ここ1~2年ほどの間に各キャリアの料金プランが刷新されたほか、端末購入にともなう毎月の割引がなくなるなど、大きく変化している。そこで現行の料金プランを整理するとともに、端末価格や購入方式などの情報を、キャリアごとに分けて紹介していく。今回はまずドコモ編だ。
※金額はすべて税抜。10月以降に内容が一部変更になる部分もあります。
今のドコモの料金プランは
月30GBの「ギガホ」と段階制の「ギガライト」との実質2つ
ドコモの現在の料金プランは、今年6月に導入された「ギガホ」「ギガライト」の実質2択。従来プランはすでに新規申込は不可。以前の主力だった、家族間で通信量を分け合う「シェアパック」に相当するものも存在しない。
(税抜) | ギガホ | ギガライト | |
---|---|---|---|
標準料金 | 6980円 | 2980~5980円 | |
月間通信量 | 30GB | ~7GB | |
通話定額 | 700円(1回5分)、1700円(かけ放題) | ||
キャンペーン | -1000円(6ヵ月) | ー | |
家族 割引 |
(2回線) | -500円 | |
(3回線~) | -1000円 | ||
テザリング | ◎(標準) | ||
最安料金 | 4980円(6ヵ月) | 1980円~ |
「ギガホ」はヘビーユーザー向け。月30GBとたっぷりの通信量が利用でき、それをオーバーしてしまっても最大1Mbpsと、SNSやウェブなどを見る限りは、まずまずの速度で使い続けられる。料金は月5980円。「ギガホ」に加入すると、キャンペーンの「ギガホ割」により、6ヵ月間、月1000円が割り引かれる。
「ギガライト」は、段階制のプランで容量ごとの料金は以下のとおり。5GB以上使うと「ギガホ」との料金差は月1000円。しかも7GBまで達すると、通信速度は128kbpsに制限される。ある程度以上の通信量を使う人は、多少持て余す印象があっても、上位の「ギガホ」を契約することになりそうだ。
なお、従来プランのように、「ISP料」「データ定額」などの分類はなく、料金は基本的に上記金額のみ。テザリングのオプション料金も無い。ただし、ここには国内通話定額は含まれておらず、1回5分の「5分通話無料オプション」は月700円、通話時間制限なしの「かけ放題オプション」は月1700円がそれぞれプラスとなる。
またドコモの家族割引である「ファミリー割引」に加入している場合は、2回線の場合は月500円、3回線以上の場合は月1000円がそれぞれの回線から割り引かれる。
「月々サポート」が終了しているなら新プランに
たくさん残っているなら、SIMフリー版購入も視野に入れたい
計算が複雑になってくるのは、ギガホより古い料金プランで契約しているユーザーの場合。以前は、iPhoneを購入すると「月々サポート」と呼ばれる割引が、最大24回、月々の料金に対して発生していたが、これは完全に無くなっている。
まず、「月々サポート」がもう終了済み、もしくはこの秋で終了する場合(つまり今のiPhoneは2年以上前に購入した人)。iPhone購入とともに「ギガホ」「ギガライト」への移行が現実的だろう。端末購入時に月々の料金への割引が発生しない、いわゆる“分離型プラン”では、その割引の代わりに、料金が値下げされた形になっている。「月々サポート」を抜きにした従来プランの料金と比べると、基本的に「ギガホ」「ギガライト」は安価になっているはずだ。
(税抜) |
ギガライト (月5GBまでの利用時) |
カケホーダイライトプラン +データMパック |
---|---|---|
月間通信量 | 5GB | 5GB |
通話定額 | 1回5分まで | |
月々サポート | × | 約2200円 |
実質支払額 | 5680円 | 約4800円 |
割引終了後 | 7000円 |
続いて、昨年にiPhone XS/XRなどを購入して、「月々サポート」がまだ1年分、または相当な月数分残っている場合。iPhone XS/XRの「月々サポート」は税込で約2400円とかなり多め。しかし、ドコモからiPhone 11を購入して機種変更すると、この「月々サポート」の残りの権利が消滅する。仕方なく「ギガホ」「ギガライト」に切り替えても、実質的な料金がアップする可能性が高い。
その場合どうするか。ドコモによる割賦販売やサポートが必要という人以外は、iPhone 11はApple StoreからSIMフリー版を購入して、SIMだけを差し替えて利用するという選択肢も検討したい(Apple Storeでもショッピングローンによる購入や旧端末の下取りは可能)。そして「月々サポート」が切れたタイミングで「ギガホ」「ギガライト」に切り替えればいいのだ。
ヘビーユーザー以外は「ギガホ」の月30GBは多すぎ!?
新プランで実質的な支払額がかなりのアップのパターンも
また、ドコモの料金プランが「ギガホ」「ギガライト」の2択になったことで、相当不利になるユーザーもいるという例を最後に紹介しておきたい。たとえば、これまで月20GBのデータ定額を利用していて、「月々サポート」がこの秋に切れるというケース。月7GBが上限の「ギガライト」では足りないからと「ギガホ」を選ぶと、月々サポート分を入れると、2000円近い実質値上げとなる。
(税抜) | ギガホ |
カケホーダイライトプラン +ウルトラデータLパック |
---|---|---|
月間通信量 | 30GB+1Mbps | 20GB |
通話定額 | 1回5分まで | |
月々サポート | × | 約2200円 |
実質支払額 | 7680円 | 約5800円 |
割引終了後 | 8000円 |
実は次回紹介するauは、さまざまなプランを選択肢に残した結果、非常に複雑なことになっているのだが、だからと言って、ドコモがアピールする“料金のシンプルさ”は、既存ユーザーにはとても手放しでは歓迎できない。ドコモユーザーは料金内容をしっかりチェックした方がいいだろう。
なお、上記の料金プランはすべて2年契約を前提にしている。10月からドコモは契約期間途中に解約した場合の解除料を1000円にした新プランに変更されるが、プラン内容自体は変更点は無い。既存ユーザーが更新月以前に10月以降の新プランに変更しても、その2年契約の満了までは解除料は1000円にはならない(9500円のまま)。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります