筆者的Bitsummit注目作
Steamおすすめゲーム「Legal Dungeon」正義とはなんなのか?捜査書類作成アドベンチャー
令和元年6月、京都で恒例となったゲーム展示会「Bitsummit」へと今年も足を運んでいた。7回目となる今年も世界各国から多種多様なゲームが出展されており、会場でもSteamから試遊したゲームを購入したりと金がすっ飛んでいくのである。
そんな100回目となる紹介タイトルは今年のBitsummitでも印象に残った作品の一つである「Legal Dungeon」だ。被疑者を取り調べ、捜査書類を作成するという過去にもあまり例がない本作品を紹介しよう。
犯罪者を告訴せよ
主人公は「清崎蒼」という中央警察署に配置されたばかりの女性警部補である。ゲーム中に彼女のセリフはないが、刑事課捜査課係長として業務を行うことになる。といっても本作品で行うことは現場検証や、取り調べ、証拠を集めるなどといった行為はオミットされており既にそれらが揃った状態から始まる。
プレイヤーが行うことは被疑者を告訴するかどうかの意見書である捜査書類を書き上げるのが主な業務となる。といっても、“CIS”とよばれるシステムに書類の該当部分のキーワードをドラッグして当てはめるだけで簡単に作成が可能だ。上記画面であれば被疑者の犯罪経歴を左の黄色ワードを右の犯罪経歴のマスにドラッグするだけで良い。
書類が最後まで完成すれば、その書類をもとに被疑者に対して事実確認を行い告訴を行うかどうか決める最終フェーズに移行する。この最終フェーズがプレーヤーが一番頭を使う場面となる。
上の画像はダンジョンバトルの初回エピソードだが、取調中に被疑者が警官を侮辱したことを告訴できるのか否かというのが争点となっている。時には参考資料として挙げられている過去の判例や前段階で使用した捜査書類を駆使し、告訴可能かを決める。この最終確認では過去のコマンド式RPGのように書類を作成するのと同じワードや証拠を相手に突きつけることで相手のHPを削りきればクリアとなる。だが、関係のないワードを挙げてしまうと自分のHPが減ってしまいゼロになるとゲームオーバーになってしまう。
最終的に告訴可能な書類を完成させれば無事告訴となり警察署内のランクが上がる。しかしその際に司法裁定が一致しなかった場合は司法からの評価がダウンしてしまう。警察内評価か法機関評価どちらかがFランクとなった場合も強制ゲームオーバーとなるので注意だ。
悪党は一体誰なのか
ストーリーは全てで8エピソードあり、最終的には殺人事件と進んでいく。全ての事件には元となった事件があり、それらを基に本作品は構成されている。
また、ストーリーを進めていくと、たびたび被疑者を告訴することで点数(評価)が上がることを強調される。それは一重に警察組織での歯車としての職務でもあり、自身の次のキャリアを目指すための近道でもあるのだ。
ストーリーが進むにつれ、犯罪行為に対しての量刑の重みと犯罪者は果たして犯罪者たり得るのかというジレンマとの戦いとなる。点数を得るためとはいえ、明らかに量刑に対して高い懲罰を要求して起訴を行ったり、その起訴のために重ねた嘘が回りを巻き込んでいく。
本作品は人を裁く側と、裁かれる者への関係に対しての問題提起も含んでおり、将来的に被疑者となりえる者が犯罪を犯すのかもしれないという未必の行為にまでシナリオの中で踏み込むことになる。犯罪行為があえて行われるように仕組まれたものであったとして、本当にその犯罪行為を犯してしまった場合、それは罪となるのだろうか?
何が正義で、誰が悪党なのか。本作品をプレイしたプレイヤー自身も悪党となるのかもしれない。正義の意味をもう一度問いただすべきだろう。
「Legal Dungeon」の推奨動作環境は?
最低動作環境の要件がWindows XP以上となっており、GPU等も特に指定はない。ノートPCなどの環境でもOSが安定して動く環境であれば問題は無いかと思われる。
「Legal Dungeon」
●Somi
●720円(2019年5月7日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、MAC
ジャンル 独立系開発会社、シミュレーション、アドベンチャー
■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat
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