第253回
GTX 1660 TiにGTX 1060 6GB版/3GB版、GTX 960 2GB版と比較
GeForce GTX 1660登場、3万円台前半Turingのコスパを検証
GTX 1660 TiにGTX 1060 6GB版/3GB、GTX 960 2GB版と比較
今回の検証環境は以下の通りだ。GTX 1660はGTX 1060の3GB版の置換がテーマであるため、GTX 1060は6GB版と3GBの2種類を用意した。また、GTX 960は2GB版しか試せなかったが、GTX 1660 Tiレビュー時にGTX 960 4GB版をテストしている。ドライバーのバージョンは微妙に異なるが大きく性能は変化しないので、そちらを参考にして頂きたい。
ちなみに今回のドライバーは419.35(WHQL)がベースだが、GTX 1660のみ419.35ベースのベータ版を使用している。また、各ビデオカードは付属のオーバークロック(以下、OC))ツールなどは一切導入せず、定格の状態で比較する。
検証環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i9-9900K」(8C/16T、3.6~5GHz) |
CPUクーラー | NZXT「Kraken X72」(簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | GIGABYTE「Z390 AORUS MASTER」(Intel Z390) |
メモリー | G.Skill「F4-3200C14D-16GTZR」(DDR4-3200 8GB×2、DDR4-2666で運用) |
グラフィックス | ASUS「PH-GTX1660-O6G」(GeForce GTX 1660)、ASUS「ROG-STRIX-GTX1660TI-O6G-GAMING」(GeForce GTX 1660 Ti)、ZOTAC「GeForce GTX 1060 AMP! Edition」(GeForce GTX 1060 6GB版)、ASUS「DUAL-GTX1060-O3G」(GeForce GTX 1060 3GB版)、ASUS「STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」(GeForce GTX 960 2GB版) |
ストレージ | Western Digital「WDS100T2X0C」(M.2 NVMe、1TB SSD、システムドライブ運用)、Crucial「MX300 CT1050MX300SSD4/JP」(M.2 SATA、1.05TB SSD、データドライブ運用) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST85F-PT」(850W、80 PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(October 2018 Update適用) |
メモリー帯域のぶん性能は控えめ
いつもの「3DMark」から検証を始めよう。TuringベースではあるがDXRに対応しないGPUであるため、お馴染みの「Fire Strike」と「Time Spy」ベースのテスト4本を使用する。
GTX 1660 Tiから1割程度CUDAコアをオミットしたGTX 1660だが、3DMarkでのスコアーは平均20%程度下がっている。CUDAコア数減よりも、VRAMをGDDR6からGDDR5に落とし、メモリー帯域を削ったことのほうが効いているようだ。それでもGTX 1060 6GB版よりやや高い性能を示している。
そして、そこからCUDAコア数やVRAMが減っているGTX 1060 3GB版とは大きな差がついた。GTX 1060 3GB版のポジションにGTX 1660というのは順当なパワーアップを伴う世代交代と言えるのではなかろうか。
では消費電力をここで比較してしまおう。消費電力計はラトックシステムのBluetoothワットチェッカー「REX-BTWATTCH1」を使用し、アイドル時(システム起動10分後の安定値)、高負荷時(Time Spyデモ再生中のピーク値)、SotTR時(「Shadow of the Tomb Raider」プレイ時のピーク値)をそれぞれ測定した。
さらに大雑把なワットあたり性能指標として、前出のTime Spyのスコアーを高負荷時の消費電力で割り、1Wの消費で得られたTime Spyのスコアーも比較する。
なお、今回準備したGTX 1660 Tiは3連ファン搭載のOCモデル。これに対し、GTX 1660はシンプルな設計のエントリーモデルであるため、両者を直接比較するのは結構強引ではある。あくまで参考程度に留めておいてほしい。
高負荷時の消費電力差は24Wだが、OCモデルとエントリーモデル。これがGTX 1660 Tiと1660の純粋な差とは言い難い。ただし、ワットパフォーマンスを見ると、GTX 1660 Tiが1Wあたり約29スコアー、GTX 1660が約27スコアーなのでややワットパフォーマンスは劣るようだ。
ただし、Pascal世代のGTX 1060は3GB版も6GB版も1Wあたり約20スコアーなのでGTX 1660のワットパフォーマンスは悪くはない。VRAMの帯域がTuringのワットパフォーマンスの高さの一因であると言えるだろう。
続いては「VRMark」でのテストだ。Turing世代のGPUは“Cyan Room”のパフォーマンスが高い(単純にTuringと相性の良いテスト)ことが知られているが、GDDR5を組み合わせたGTX 1660でも同じ傾向が得られるだろうか?
最も軽いOrange RoomでもGTX 1660 Tiが10000スコアーを超えた一方で、GTX 1660は8000スコアー台とだいぶ差がついた点は、3DMarkの傾向と共通している。
GTX 1660対GTX 1060という視点で見ると、シェーダーの古いOrange RoomではGTX 1060の17~25%増し程度だが、シェーダーの新しいCyan Roomでは37~46%と劇的に伸びている。VRAM帯域が狭いハンデはあるものの、GTX 1660はTuringならではの性能向上を享受できるGPUであると言えるだろう。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります