第244回
GeForce RTX 2080 Ti FEとTITAN Vと徹底比較
TITAN RTX検証、32万円超のグラボは本当に最強にして最速なの?
2019年01月17日 17時40分更新
重量級タイトルでも8Kで輝くTITAN RTX
続いては現行のDirectX11ベースのゲームとしては超重量級と言える「Assassin's Creed: Odyssey」でも試してみよう。画質は“最高”とし、ゲーム内のベンチマークモードを利用して測定した。このテストは最高と最低fpsの変動幅がまったく安定しないため、平均フレームレートのみを比較する。
このゲームではどの解像度でもTITAN RTXが優位に立っているが、フルHD時ではRTX 2080 Ti FEに対して約3%の伸びでとどまっており、描画負荷が低いとRTX 2080 Ti FEと大差ない性能しか出せないことを示している。だが8K(DSR)ともなると、VRAM消費量は13GBに到達するため、VRAMの少ないGPUはフレームレートが一気に低下した。
DirectX11ゲームの〆として、原稿執筆時点でDLSSに対応する唯一のタイトルである「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のパフォーマンスもチェックしたい。公式ベンチマークを利用して計測するが、画質はすべて一番重くなるようセット。NVIDIA Hairworksを始めとするGameWorks由来のオプションもすべて有効とした。
また、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のDLSSは解像度4K設定時のみで有効化できる、という制約があるためテスト解像度は4Kに限定。従来のアンチエイリアス手法であるTAAやFXAAに比べ、どの程度スコアーが上がるかチェックしたい。
今回試したGPUの中でTITAN VはDLSSに対応しないため数値は省略しているが、それ以上に驚くのはアンチエイリアスなし時のスコアーよりも、DLSSを有効にした時のスコアーのほうが上回るという事実だ。
何がどういう理屈でスコアーが伸びるのかという技術的資料はまだ確認できていないが、他のDLSS対応タイトルでもこれに近い効力を発揮することを期待したい。ただし、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」ベンチマークのように解像度による縛りがあるかどうかはゲームの実装によると考えられる。
DX12タイトルでも8Kで存在感を示す
続いてはDirectX12ベースのゲームで試してみよう。まずは「Forza Horizon 4」で試す。動的画質調整を無効化し“ウルトラ”設定に固定。ゲーム内ベンチマークモードを利用してフレームレートを計測しているが、グラフ中「GPU-」とある項目はGPU側のみのフレームレートであるのに対し、「Avg」はユーザーが実際に観測できる平均フレームレートである点に注意してほしい。
同じTuring世代のTITAN RTX対RTX 2080 Ti FEよりも、Turing対Voltaの違いが色濃く出ているのがこのテストの特徴だ。Turing同士だとTITAN RTXはRTX 2080 Ti FEの4~7%増しにすぎないが、TITAN Vに対しては平均40%以上性能が向上している。CUDAコア数やメモリーバス幅はTITAN Vのほうが優勢だが、CUDAコア自体の設計改善は極めて大きいと読み取ることができる。
続いては「HITMAN 2」でも検証してみよう。画質は一番重くなるように設定(レンダースケールは除外で100%固定)し、フロリダのステージ開始時から一定のコースを移動した際のフレームレートを「OCAT」で測定した。
HITMAN 2はNVIDIAがAnselの新機能のデモでも使用した“GeForce寄り”のゲームタイトルだが、いざ検証してみるとフルHD時でも平均90fps台中盤。RTX 2060のファーストレビュー時でも同様の傾向が見られたため、処理が重いというよりも単純にフレームレートキャップがかかっている、と考えるのが正解だろう。
それでもRTX 2080 Ti FEに対してはWQHD以上で4~7%増と、他のゲームと同様の傾向が見られる。しかしながら、フレームレートキャップ疑惑のせいでTITAN Vでも大差ない点は少々残念だ。
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