どこで効く? NVLink SLIの効果を検証
NVLinkブリッジによるSLIの効果を検証するため、ASUSのRTX 2080 Ti搭載グラフィックボード「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」2枚でSLIを構築し、単体で使用した場合とのベンチマークスコアーを比較してみた。検証環境は以下の通り。
検証環境 | |
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CPU | Core i9-9900K(8コア/16スレッド、3.6~5GHz) |
OS | Windows 10 Home |
マザーボード | ASUS「ROG MAXIMUS XI FORMULA」(Z390) |
メモリー | CORSAIR「VENGEANCE LPX CMK16GX4M2A2666C16」(8GB×2、DDR4-2666MHz) |
グラフィックス | ASUS「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」(GeForce RTX 2080 Ti)×2 |
ストレージ | Crucial「BX500 CT480BX500SSD1」(480GB SATA SSD) |
電源 | Thermaltake「TOUGHPOWER GRAND RGB 1050W」(1050W、80 PLUS PLATINUM) |
まずは定番の「3DMark」から、DirectX 12テスト「Time Spy」「Time Spy Extreme」の結果だ。
ここでは見ての通り、SLI時のスコアーが綺麗にシングル構成時を上回っている。SLI時の「Time Spy」スコアーは20000の大台を突破しており、2倍とまではいかないものの健闘した格好だ。
では、実ゲームのベンチマークではどうだろうか。近日リアルタイムレイトレーシングの実装が予定されている「Shadow of the Tomb Raider(SotTR)」のベンチマークモードを使用し、DirectX 12、最高プリセットで平均フレームレートを計測した。結果は、やや伸びが緩やかなものの、SLI時のほうがフレームレートが向上している。
そもそもの前提として、SLIによる描画性能の向上はゲーム側の最適化によるところが大きい。SotTRの場合、「3DMark」で表れたほどの効果の違いは見られなかったが、4K解像度ではシングル時に平均60fpsを割り込んでいたフレームレートが、SLI時には71fpsと、60fpsをしっかり上回っているのは注目すべき点だ。4Kゲーミング時代のGPUをうたうRTX 2080 Tiだが、より安定したゲーミング環境を構築するなら、SLI構成はじゅうぶん検討に値するだろう。
「Far Cry 5」でも同じようにベンチマークモードを活用してフレームレートを計測してみた。まずはフルHD解像度の結果だが、シングル時とSLI時のスコアーがほとんど変わらず、誤差と言っていい違いしかないことに注目したい。SotTRの結果でもフルHD解像度でSLIを使用する恩恵が薄い様子は見て取れるが、こちらのタイトルではより顕著にその傾向が出ているようだ。
逆に、4Kベンチマーク時のフレームレートはSLIが圧倒的に良好だ。このように、ゲームによって効果に波があるのがSLIの悩みどころで、「このゲームタイトルでfpsを上げたい!」という明確な目的がある場合、目当てのタイトルがSLIに対応しているかどうか、しっかり情報収集を行なう必要があるだろう。
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