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ファーウェイ「HUAWEI Mate 20はユーザー体験向上を考えた」開発経緯を聞く

2018年12月01日 12時00分更新

HUAWEI Mate 20シリーズの設計思想とは?

──御社のPシリーズとMateシリーズとの差はどこにあるのでしょうか?

Li氏 これまでPシリーズはカメラ機能を一番のセールスポイントとしてきました。カメラのイノベーションや進展があれば真っ先にPシリーズに搭載してきたのです。しかし、今では春のPシリーズの後、秋のMateシリーズの発表の間にカメラの機能も大きく進化しています。そこで、Mateシリーズでも新しいカメラ技術があれば積極的に搭載することにしました。このようにPシリーズ、Mateシリーズどちらも最新のカメラを搭載することで、他社との差別化を図りたいと考えています。

 春発表のPシリーズはアクティブなイメージで、本体の薄さやファッション性も考えています。トワイライトカラーなど美しい仕上げも真っ先に取りいれています。一方秋のMateシリーズは最新のチップセットを搭載。また最初のMateシリーズを発表して以来、ビジネスパーソンに人気です。中でもバッテリーの持ちは評判がよく、Mateシリーズでは4000mAh以上の大型バッテリーを載せています。デザインも精錬されたものにしているのです。「ビジネス+チャレンジ」これがMateシリーズなのです。

 なお、HUAWEI Mate 20 Proは録音周りの性能も高めています。会議や取材での録音など、ビジネスユースを考えた設計にしているからです。音声の文字起こしも中国語はすでに実現しています。今後文字起こしは多言語対応を考えています。

バリエーションが増えたことのメリット

──HUAWEI Mate 20シリーズには大画面モデルの「HUAWEI Mate 20 X」が加わりましたが、バリエーションを増やした理由はどこにありますか?

Li氏 HUAWEI Mateシリーズのユーザーリサーチをすると、大画面を求める声が多いことがわかりました。大画面スマートフォンはメールなどのビジネス用途、動画などのエンターテイメント用途、さらにブラウジングやゲームなどに使いやすくなっています。より大きい画面、より大容量のバッテリーを求めるユーザーニーズに応えるため、7.2型のHUAWEI Mate 20 Xを投入したのです。

迫力ある7.2型ディスプレーのHUAWEI Mate 20 X。ゲームパッドも用意される

iPhoneも充電できるリバース充電機能

──iPhoneなど他のスマートフォンをワイヤレス充電できる、リバース充電機能には驚きました。

Li氏 ロンドンの発表会で見せた、iPhoneを充電することがこの機能の主目的ではありません。スマートフォンのアクセサリーはバッテリーの持ち時間が短く頻繁な充電が必要です。最近はワイヤレス充電に対応したものも増えています。そこでスマートフォンを使ってそれらをワイヤレス充電しようと考えたのです。スマートフォンならバッテリー容量は十分にありますから、アクセサリーを充電することも問題ありません。もちろん安全性は十分に考えています。HUAWEI Mate 20のバッテリー残量が一定量以下になれば充電が止まりますし、ほかのものが乗っているときは充電しないようになっています。

誰もが驚いたリバース充電。iPhoneはもちろんアクセサリーのワイヤレス充電を考えている

ディスプレー内の指紋センサーを実現
そして独自企画のNMカードを採用した理由

──ディスプレーに内蔵された指紋認証センサーの方式は? フィルムをはってもいいのでしょうか?

Li氏 内蔵センサーは光学式です。フィルムは弊社の純正品を貼れば動作に問題ないことを確認しています。なお指紋データは一定の基準に則り、安全性を十分考えています。最近では指紋認証をモバイルペイメントの本人確認に使う例も増えていますが、弊社の基準に満たない場合は対応させません。指紋でワンタッチ認証の利便性より、悪用されることなどを考え安全性を第一に考えているからです。中国でのWeChatペイの指紋認証も当初は弊社の安全基準に達していませんでしたが、WeChat側と協議しながらセキュリティーを高め今では利用できるようにしています。

──独自採用したNMカードは、普及の壁が高いと感じますが……。

Li氏 スマートフォンの内蔵ストレージ容量は十分になっていますが、それでも外部メモリーを求める声が多いのが実情です。バックアップ用途などまだまだ外部メモリーに対するニーズもあるでしょう。一方、スマートフォンの内部はたとえ1ミリ平方という狭いスペースでも貴重な空間です。そこでSIMカードと同じサイズにすることで、スマートフォン内にメモリーを追加できると考え、NMカードを開発しました。今後は他のメーカーにも採用を呼び掛ける予定です。

折りたたみディスプレーには慎重

──話は変わりますが、先の端末として最近話題の「折りたたみディスプレー」搭載製品は開発されているのでしょうか?

Li氏 折りたたみディスプレーにしろ、新しいイノベーションの開発はすべて行なっています。しかし、それらの採用はあくまでもユーザーに使ってもらえるかどうかが判断基準となります。ユーザー体験が大きく向上するのであれば、製品化をします。しかし、折りたたみディスプレーは技術だけではなく安全性、品質、また重量など乗り越えなくてはいけないハードルがあります。さらには新しいユーザーインターフェースを盛り込む必要もあるでしょう。

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