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マウスコンピューターがPC開発にかけた細かすぎるコダワリとは?

2018年12月18日 11時00分更新

――具体的にはどのような実験を行なっているんですか?

横関 恒温槽というのがあり、その中でPCの周囲温度を低温から高温まで変化させています。専用のソフトを使って、CPUとグラフィックスに一定の負荷をかけて、温度をチェックしています。どちらもサーマルスロットリング※が発生しなければ、大丈夫ということになります。

サーマルスロットリング:温度センサーが一定値以上の温度になると危険を察知して、動作クロックを落として冷却モードに入る機能。

恒温槽での温度チェック。夏場の高い室温でも十分なパフォーマンスが得られるよう調整される

――もし問題が発生したらパーツを交換していくと。

横関 原因を探って、たとえばCPUでサーマルスロットリングが発生したら、CPUファンを交換してみます。当社で標準型のものはトップフロー型なので、まずそれでクリアできるか試しています。その上で、グレードのよCPUファンに交換してみて、という作業を地道に繰り返してクリアする条件を見つけます。

 ただ、基本的には標準構成で通すことを目指していますので、ケースファンを追加することで、ケース内のエアフローが改善されてクリアできるのであれば、そちらを優先します。もし空冷ではダメだとなれば、水冷のソリューションを用いて、このCPUにおいては水冷がベストだと営業に報告しています。

――ストレージも熱問題はありますよね。

横関 最近はHDDの構成が減ってきたのと、あまり熱の影響を受けない位置に配置していることもあり心配ないレベルになっています。ただ、M.2に関しては、基本的にはヒートシンクをつけられるものは装着し、つけられないものは放熱効果を高めるサーマルパッドを貼付して組み立てています。温度によってM.2 SSDのパフォーマンスが落ちることは把握していて、そこまで達しないようなソリューションにするようにしています。

――ケースを開発する際も恒温槽で実験されているんですか?

横関 評価用のサンプルを使って、まずパーツが入る、入らないという物理的な確認から始まって、最終的には恒温槽で熱評価をします。エアフロー的にネックになっているところはないのか、前のケースと比較しながらやってます。

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