欧州進出の足掛かりとするため国内スタートアップも多数参加
VIVA Technology 2018開幕 オープンイノベーションの次のヒントがここに
フレンチテックの勢いを象徴するかのような欧州最大級のスタートアップとテクノロジーのイベント“VIVA Technology 2018”が、フランス・パリで5月24日~26日に開催。今回でまだ3回目というイベントだが、出展、来場者と6000社を超えるスタートアップが集まると言われている、スタートアップ業界の一大イベントだ。実際の来場者もスタートアップや学生が多くみられ、出展企業への興味や協業のアプローチをしていた。
大統領や巨大企業のCEOが続々と参加
初日の24日には、2017年に続き、フレンチテックを推し進めるフランスのエマニュエル・マクロン大統領がオープニングの基調講演に登壇。その場には、ルワンダのポール・カガメ大統領、マイクロソフトのサティア・ナデラCEO、IBMのジニ・ロメティーCEOも並んでいた。イノベーションへ企業やアフリカとのさらなる協調を進言していた。マクロン大統領は基調講演の前に会場のブースを視察、朝の9時にも関わらず多くの来場者が殺到した。
また午後のセッションにはFacebookのマーク・ザッカーバーグCEO、Uberのダラ・コスロシャヒCEOも登壇。フレンチテックの勢いとともに、VIVA Techの注目度の高さがうかがえる。このほかにも、500名を超えるスピーカーが各セッションに登場する。
テック系企業以外のオープンイノベーションに注目
VIVA Techの特徴は単体のスタートアップ企業の出展がなく、大企業、ベンチャーキャピタル(VC)が大きなブースを持ち、オープンイノベーションプログラムや投資先のスタートアップ企業がそのブースに集まるかたちで出展している。
マイクロソフトやFacebook、アリババ、フランスの通信会社Orangeといった巨大テック企業だけでなく、日本ではあまり見かけない、テック系企業以外のブースも大きな盛り上がりを見せている。
たとえばルイ・ヴィトンやディオール、モエなどを要するハイブランドカンパニーのLVMHが、プラチナパートナーとして巨大なブースを構え、その支援でオープンイノベーションを行なっているスタートアップ企業が自社のサービスを展示している。参加するのは同グループのイノベーションアワード参加企業が約30社、ファッション関連だけでなく、ファイナンスやIoTといった企業も並んでいる。またLVMH Labといった、自社の新規事業やコンセプトモデル、プロトタイピングも展示されていた。
日本からはJETROがジャパンパビリオン設置
日本からはJETROが“欧州イノベーション・ミートアップ”の施策のひとつで募集した国内のスタートアップ企業8社を束ねて、ジャパンパビリオンのブースを設置。スタートアップ企業が欧州進出の足掛かりとするため、日本から参加した。
VIVA Technology 2018の入口では、ソフトバンクロボティクスのPapperが来場者をお出迎え。もともとはフランスに本社を置くAldebaran社が開発したロボットなので、里帰りして活躍中というわけだ。
会期前日の23日夜には、“VCナイト”がパリ市内のMontorgueil Streetで開催された。通りのビストロやバーの一角をVCが借り切り、スタートアップが参加してベンチャーキャピタリストらとフランクに交流ができるイベントだ。スタートアップのパスを持っていれば、通りのバーで割り引きなども受けられる。街を巻き込んでイノベーションを盛り上げようとしている仕掛け作りがうかがえた。
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