デジタルゲームで飯を食う、という文面だけを見れば理想的で、憧れも感じる。だが、2017年の現代社会においてもプロゲーマーというのは茨の道である。選手生命の短さに加えセカンドキャリアの問題、社会的地位といった多種多様な問題がまだまだ山積みである。ちなみにこれは日本ではなく本場海外での話であり、日本ではまだ、それ以前の問題からのスタートだ。日本であればポータルであるJCG、DeToNaterやSCARZといった団体がようやく発足し、ようやく盛り上がってきたと言えるだろう。
日本からもいつかはFatal1tyを輩出できるかもしれない第63回は「ESports Club」を紹介する。
あったようで無かったプロチーム運営シミュレーション
今までゲームの開発や、ゲーム会社の運営といったゲームそのものをテーマにした作品というのは星の数ほどリリースされているが、e-sportsそのものにスポットライトを当てたゲームは無いと言っても良いだろう。
“New Game”を選ぶと自分のクラブチームの作成画面になる。自身の運営するクラブチームの設定画面に移行する。画面上に詳しい説明は画像中に追記してあるが、エンブレムだけはあらかじめ決められたモチーフから組み合わせて作成するしかできない。また、プロゲーマーとして戦うジャンルはMOBAかFPSのみとなるが、決定後は変更ができないため注意だ。
開始時には既にメンバーは5人揃っており、そのメンバーで最初は戦っていくことになる。メンバーの補充や、トレーニング、試合のマッチング計画等、マネージメントを含め、全ての計画をプレイヤーは決めていかなければならない。
一番最初はなんと言ってもメインスポンサーの決定だ。ここで得られる契約金が当座の資金となる。決められたシーズン間スポンサーの変更はできないので慎重に選定しよう。また、メインスポンサーだけではなく、1試合毎についてくれるサブスポンサーも選定する。このサブスポンサーは試合毎の契約となるため、決まった試合回数スポンサードされた後は契約自体解消となってしまう。
最初は自動的にマイナーリーグからのスタートとなる。マイナーリーグを勝ち進み、チームの評価を世界的ランクまで導いていくのがマネージャーとしての一番の目標となる。そのためスポンサーから当座の活動資金を獲得した後は、試合の結果によるスポンサー収入でしか活動資金を獲得していくしか手段がないため所属選手のトレーニングに加え、選手の生活拠点の向上などに使える資金には限りがある。この限りある資金を上手にやりくりしていこう。
下のトレーニングのメニューから各選手にそれぞれにトレ-ニングメニューを設定可能だ。専属コーチが立てたプラン以外にもそれぞれに対応した練習方法があり、選手の経験値と体力を消費することでステータスを強化できる。お金はかからないが選手の経験値は試合を行なうこと以外で得る手段がないため計画的にトレーニングプランを立てなければいけない。
そして、試合日になれば日頃の練習の成果を発揮することになる。左画面はMOBAで右画面はFPSなのだが開始前に選んだジャンルで変わり、MOBAは「League of Legends」みたいなゲーム、FPSは「Counter-Strike: Global Offensive (CS: GO)」っぽいゲームになる。それぞれに詳しければ色々な作戦や指示をマネージャーとして出せるのだが、それぞれの元ネタのゲームに対しての知識が若干必要となるため詳しくなければ自動設定に任せてしまってもいいだろう。
試合終了後は結果に応じて賞金の獲得と、プレイヤーの抱えるファンの数が増減する。マイナーリーグでは微々たる結果なのだが、後述するメジャーリーグや地方リーグのような規模が大きい大会になれば賞金に加え、スポンサーからのボーナスもあるので、勝つならばそちらで勝った方が得るものは大きい。
自動参加のリーグ以外であればサブスポンサーのスポンサードを得ることができる。契約中のスポンサーのどちらかを選択することで大会結果に応じたボーナスを貰うことが可能だ。ただし、結果に関係なく決められた回数しか契約ができないのでボーナスが大きいスポンサーは確実に勝てそうな大会で供与を受けよう。
選手管理も大事な仕事
プロゲーマーは機械のような正確さを求められるが彼らは機械ではない。休み無く大会に出続ければ体力は目に見えて消耗される。体力が消費されれば普段の実力も落ちることになりポテンシャルは発揮されない。
そして、選手達には定期的な給料が発生し、一定期間ごとに契約の更新の必要もある。大会の結果次第では待遇の向上はもちろんのこと、契約がこじれてしまえば他のチームに引き抜かれるリスクも負うことになってしまう。
手応えのある難易度は魅力
マネージメントの観点から見れば水物なスポーツの結果と同じように、運営はかなりシビアな難易度となる。運営資金の獲得手段は結果で左右され、選手たちの管理も行うとなればなおさらだ。早期アクセスとはいえ現状の難易度はマネジメント系のゲームが好きならばオススメできると断言しても良いだろう。
スポーツであれば似たゲームに「Football Manager」と言うシリーズがあるが、こちらも息の長いシリーズである。e-sportsも息の長い物になれば良いという願いを込めて本作品の紹介を終えたいと思う。
世界を獲れるかどうか、それはあなたの経営手腕に掛かっている。
「ESports Club」の推奨動作環境は?
最低動作環境のグラフィックの要件がShader model 2.0+に対応しているグラフィックボードであり、推奨スペックでもかなり旧式のグラフィックボードとなっている。ここ数年のPCに搭載しているCPU内蔵GPUでもありあまるだろう。
『ESports Club』
●CraftsmanGames
●898円(2017年6月30日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル ストラテジー、独立系開発会社、シミュレーション、e-スポーツ
■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります