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野望に股間も膨らむ英雄コナンのハードコアサバイバルRPG「Conan Exiles」:Steam

2017年03月24日 18時00分更新

 世界に存在する中世ファンタジー小説やRPG設定のネタ元と言えば「Dungeons & Dragons」はとても有名だ。RPGにおける役職の基礎でもあり、テーブルトークロールプレイングゲームという今のRPGのモデルでもある。

 さて、いつもの前口上である程度察しがつく読者の方もいらっしゃるとは思うが、今回はそんな「D&D」よりも古典文学作品である「英雄コナン」シリーズの紹介である。コナンはゲームと言うよりも文学史というべきものだ。前述の「Dungeons Of Dragons」などの作品よりも古く、ゲームやほかの文学作品のイメージ構築に与えた影響は計り知れない。

 石王マサト氏による上記イラストの戦士像は中世ファンタジー作品における蛮勇な戦士のイメージと言っても過言ではないだろう。同名映画の元州知事の影響も相まって最早脱却できないのだ。ゲームであればSEGAの「ゴールデンアックス」シリーズもコナンの影響を受けた作品だと言ってもいい。

何を設定することになんの意味があるのかナニだけに

 第47回の紹介タイトルは「Conan Exiles」。前述でも触れた古典文学作品である「英雄コナン」の世界をベースにしたオープンワールドのサバイバルアクションゲームだ。開発元のFunComは10年以上も英雄コナンの世界をベ-スとした「Age of Conan」というMMORPGを運営しており、コナン原作ゲームのパブリッシャーとして元々有名な会社である。

 だが、本作は早期アクセス作品となっているため、公開時に記事の内容が変わっている可能性があることはご了承いただきたい。

本作品はゲームパッドもキーボードでも問題なくプレイできるが、キーボードとマウスを使用したほうがプレイしやすいだろう。また、標準で日本語字幕もあるため英語ができなくても安心だ。

 起動してゲームを開始すればキャラメイクから始まるのだが、このキャラメイクは一風変わっており、ほかの同ジャンルには無い特徴を備えている。それが男性であれば性器の大きさを決めることができる点だ。

流石にASCIIとは言え色々なしがらみがあることは察していただきたい。ちなみに大きくしてもナニの意味もない。

 サイズで何かあるわけではないが、大きければ大きい程良いという人も、ほどよいサイズがお好みという人も、好きに決めていただければと思う。キャラメイクは、そこまで見た目は変わらないものの、それ以外の点もスライダーを動かすことで大雑把に調整できる。

480

人種(細かい違いは執筆時では未実装)、宗教などロールプレイにおいて重要な部分も設定可能だ。

 本作品はシングルでもオンラインでもどちらでもプレイできる。オンラインでプレイする場合は対人戦闘も含め、生き残ることが非常に困難なサバイバルが待ち構えているが、シングルでプレイする場合は世界の設定を自由に決めることができるため、困難な状況でも非常に簡単な世界でも好きなようにつくり出せる。

一度に収穫できる量など、難易度も自由に決めることができる。ある程度色々と試してからパブリックサーバーへ行くのも悪くない選択だ。

危険な世界にようこそ

ゲームが始まると罪状とセットで張り付けになった状態から始まる。どうやってそこから始まるのかは自身の目で確かめてほしい。

 開始地点の近くには水筒がおかれている、忘れないように回収しておこう。

 最初は生活を成り立たせるのが重要事項となる。サバイバルゲームの中でも本作品は頻繁に食料と水を回収する必要がある。例えば、似たような作品である「ARK: Survival Evolved」は冷蔵庫で食料を備蓄できるのだが、本作品には備蓄倉庫にあたるものが無いため、食料と水を定期的に回収できなければ確実な死が待っている。

 そして、危険な原生生物だけではなく、“人間”も危険な敵となる。見境なしに攻撃してくる敵対NPCだけでなく、ほかのプレイヤーも敵となりえるのが、サバイバルゲームという危ない魅力をもったジャンルなのだ。

 “まずは隗(かい)より始めよ”との格言があるように、まずは手近なところから着手して生き残るための準備を始めよう。“I”キーでインベントリを開いて右枠からアイテムを作成する。石の剣、服一式とサバイバルの基本に必要なものは辺り一面から簡単に採取できる。

 石は石材を、木材は木から、と自身の手で拾うことで回収できるため拳も立派な道具だ。そして拾い集めた資源から斧などを作成すれば、採取量も目に見えて増えていく。サバイバルゲームの魅力は、この上昇曲線が目に見えて加速していくことの実感と同一でもある。

 NPCはプレイヤーに対して見境なく攻撃を行なってくる。そんなNPCを返り討ちにする以外にも、捕らえて奴隷として使役することもできるのがほかのゲームにはない特徴だ。長い時間をかけて調教する必要もあるが、一度使役してしまえば殺害されない限りは永続的に使用可能なのが奴隷の利点だ。

 例を出せば、戦士や弓兵は防衛に使役でき、職人はそれぞれの建造施設で使役すれば生産速度を上げることができる。NPCにもレベルがあり、上位のNPCほど出現しづらく捕らえるのも面倒になっている。

奴隷に粥を与えれば苦役を強いることができる。残酷にも思えるが奴隷の強みを代替できるものはほかに無く、長い調教が終わればほかの生産施設のように設置することで使役できる。

 そして下記の画像を見てほしいのだが、現状では装備と建造物は三段階の階層に分かれている。Tier3になると最上位と言うべき強さであり、建造するだけでも膨大な資源を必要とする。

クリックで拡大

 普段サバイバルゲームをしない人にはピンと来ないかもしれないが、同ジャンルの基本として他のプレイヤーへの敵対行動が認められている(できないサーバーもある)。そのため、資源を回収するより、他のプレイヤーから略奪するほうが早いという側面もある。

 そのため、最初は身を守るために住居と生産施設を整えていくことになるが、図説の通りTier1の建造物であればTier3以上の装備があれば簡単に破壊されてしまう。そのためにできることとして、最強の武器にして防衛方法である“他人とのコミュニケーション”が重要となる。前述の奴隷と合わせれば、生産の加速、施設の防衛と生き残るための必然の手段となるわけだ。

クランを組めばクラン内チャットも可能となり、生産施設なども共有できる。人数はそのまま武器になり、防御にもなる。

 そして逆を言えば、既に住処を構えている住民からは住民税と言う名の略奪を行なうのもサバイバルの基本だ。防備の少ない住処を襲い、備蓄している資源を巻き上げていくのだ。目には目を歯には歯を。それがサバイバルゲームだ。

汝の敵は神に祈ることで倒される

 だが、本作品のエンドコンテンツは何もTier3へとたどり着くことではない。キャラメイクの際に“宗教”という項目に触れたことを覚えているだろうか。この宗教という項目は飾りではない。自身の神を下界に降臨させることができるのだ。

 本作品最強の攻撃手段であり、熟練者同士の対決になると神を何回降ろすことができるかが勝負の分かれ目であり、現状での“エンドコンテンツ”と言える。神を召喚すれば神自身をコントロールできるのだが、その強さは圧倒的で、いかなる素材であろうと破壊してしまう。本作での無慈悲さを体現したものであり、拠点をどう固めても神の前では無意味なのである。

召喚中は無防備である。天に腕を掲げたモーションを見たら、見敵必殺を行なうのが吉だ。

触れれば建物は崩壊する。どのように固めていても神の前では無力である。

「そんなに強いのならずっと召喚していればいいのでは?」と、いう疑問が聞こえてきそうだが。そうは問屋が卸さない。神は万能ではない。召喚時間の存在に加え、高所に対してはほぼ、無力なのである。

 そして、一番重要なのが「資源を回収するのがレベルマックスでも困難」という点にある。それぞれの宗派の大僧正の奴隷を必要とすることに加え、宗派ごとの宗教アイテムなどを多数詰め込んで、ようやく召喚に必須のメダルとなるのだ。

 この大僧正と言うキャラが曲者であって、それぞれの宗派ごとに存在していることに加え、NPCとしてスポーンするかどうかもランダムとなっており、捕まえて連れて帰るだけでも相当困難なのである。

前述のようにNPCは奴隷として捕まえられるが、鈍器で殴って気絶させたあとに紐で縛って連れ帰らなければならない。この際奴隷が攻撃を受ければ奴隷は簡単に死んでしまう。これが大僧正を集めにくい理由のひとつでもある。

現在アーリーアクセス中。今後に期待

 早期アクセスとはいえ、買っても何もできないということはない。今回紹介した要素もそうだが、ネットワークにつないで大人数でのPvPサバイバルだけではなく、対人要素が無いサバイバルモード?(PvE)で遊ぶことも可能だ。

 今回紹介にあたり、JETサーバー(現在はPvEサーバーのみ)という場所でプレイさせていただいたのだが、60人規模のPvPサーバーは常にほぼ満員で、気を抜くと朝には拠点がなくなるほどの殺伐さであった。その中でもトップクランであったGamesJPNとBLUEBLAZEと言うクランの同盟に参加させていただいたが、「Conan Exiles」と言うゲームにおけるプレイヤーの争いは「熾烈」のひとことに尽きる。

 神同士の殴り合いしかり、プレイヤー同士の駆け引きは勢力図を塗り替えるほどで、大勢力が生まれ、そして滅ぶを繰り返していくのだ。その一端が神の一撃であり、早朝の奇襲であったりと油断や作戦が蟻の一穴を産み出すこともあるのだ。

「ぬるいゲームには飽きた。」そんなユーザーは是非ともプレイを考えてみてはどうだろうか?

Conan Exilesの推奨動作環境は?

 記載されている最低環境(Core i5以上/GeForce GTX560以上、AMD環境も同等)でプレイするのはお勧めできない。筆者のスペックはSteamのプロフィールに記載の通り(Core i7-3960X / GeForce GTX1080)であるが、最高設定だとオンラインはやや重い部類に入る。快適にプレイしたいのであれば推奨スペック(Core i7 3.3GHz/GeForce GTX1070以上、AMD環境も同等)に近い環境は用意したほうが良いだろう。

 また、サーバーを建てたいというユーザーもかなりの頻度で見受けられたので今回はサーバーのスペックにも触れておきたい。

 今回プレイさせていただいたJETサーバーの管理人であるBUSYJET氏の協力によりサーバーの稼働環境の情報をいただいた。Microsoft Azureの中でもD11 v2と言うサーバーで、贅沢すぎるスペックとも言って良い。負荷状況が100%に達することはないとのことだったが、プレイ中はプログラムの最適化不足の影響もあり、何度も酷いラグがあり定期的な再起動の繰り返しが必要と、管理は相当大変と見受けられた。

『Conan Exiles』
●FunCom
●3599円(税込)(2017年1月31日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows 7以上
ジャンル Early Access サバイバル オープンワールド RPG PvP
© 2016 Funcom Oslo A/S (“Funcom”). All rights reserved. © 2016 Conan Properties International LLC ("CPI"). CONAN, CONAN THE BARBARIAN, HYBORIA, and/or ROBERT E. HOWARD and related logos, characters, names, and distinctive likenesses thereof are trademarks or registered trademarks of CPI and/or Robert E. Howard Properties Inc. unless otherwise noted. All Rights Reserved.

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat ■イラスト:石王マサト
Twitter:@MASATO_Ishioh
■Special Thx
BUSYJETS(サーバースペック提供)
GamesJPNクランとBLUEBLAZEクランの方々(一部スクリーンショットの提供)

■関連サイト

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