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自動利き酒マシンを体験!両国300円で日本酒飲める角打ちスポット

2017年03月17日 19時30分更新

両国に新しくできた日本酒天国とは? 自動利き酒マシンがミソ。

 ごきげんよう、アスキーのナベコです。日本酒大好き。三十路です。今回はおいしい日本酒を求めて両国にやってきました。両国には“自動利き酒マシン”を備えた珍しい角打ちスポットがあるということ。

 両国では昨年11月、旧駅舎を利用した複合施設「-両国-江戸NOREN」がオープンしました。江戸の町屋をイメージした吹抜け空間には、寿司屋やちゃんこ料理屋など江戸の歴史を感じる食事処や伝統工芸品等の販売店などが連なっているのですが、その中に……。

“立ち飲みできます”という案内。

 酒処の案内。めくりに書かれているのが江戸の風情でにくいです。

「東京商店」で立ち飲み(角打ち)やっている

「-両国-江戸NOREN」の「東京商店」は日本酒や調味料など、東京のお土産を揃える。

 ふらふら入ったのは「東京商店」。東京ならではの酒や食材、調味料などを揃えるお土産どころです。手前は明るい雰囲気の販売所という風情。

奥が立ち飲みスポットに。

 ですが奥に入ると、照明がワントーン落とされしっとりした立ち飲みエリアに!

これぞ、自動利き酒マシン。

 ドドンと自動販売機が3台並んでおりました。これぞ珍しい“自動利き酒マシン”。1杯300円で利用できます。マシンごとに純米大吟醸、純米吟醸、純米酒と分類されており、各10種ごと計30種類の日本酒が選べます。

すべて東京の地酒。“まぼろしの酒”とうたわれている「嘉泉」の純米大吟醸などもあります。これはおいしそう!

東京で有名な銘柄「澤乃井」「丸眞正宗」などもありますよ。こちらは純米吟醸。1杯300円なので、サクサク味見ができちゃいそう~!!

自動利き酒マシンを試してみた

 飲料の自動販売機であることには間違いないけど、出てくるのは日本酒。大阪の伊丹空港にも同じメーカーが製造した利き酒マシンがあるにはあるのですが、こちらが最新モデルということ。

全国的にも最新モデル。

 価格は一律300円。ただ、大吟醸、吟醸、純米と日本酒の種類ごとに40ml、50ml、60mlと異なる量が設定されており、原価のバランスが調整されているようです。

お猪口が用意されており、これを自分でマシンにセットして利用する仕組み。

 セルフなので店員さんに話しかけなくても利用できるのが気軽ですね。私も試してみました!

日本酒大好きの三十路。初の自動利き酒マシンの体験。

300円を投入。小銭しか投入できないため、店内には両替所もあります。

目当ての日本酒を選択。ボタンは売り切れだと赤い光になってしまう。

 お猪口をセットして、コインを入れて、日本酒を選択して……。

 途中からなんとなく予想していたのですが、超カンタンです。

右下の注ぎ口から定量の日本酒が注がれる。

 よく利用する缶の飲料自販機やコーヒーの自販機など感覚はあまり変わりません。お猪口を別の場所から取ってきて自分でセットするという手間こそかかりますが、本当にそれだけ。

 自動利き酒マシン、簡単だし、楽しい!!

 こんな簡単で便利なものなら、もっと世の中に日本酒のマシンが出回って欲しいと思うくらいに。ですが、そこまで簡単なことではないのでしょうね。

内部の冷蔵庫で酒瓶の品質を保持

 考えてみると、日本酒は温度管理もしなくてはいけないし、製造段階からマシンに合わせて容器などを作るわけではないはずなので、どうやって自動で日本酒を汲み上げる仕組みになっているのか。

平日の昼からにぎわっていた。

 店員さんに特別にマシンの内側を見せてもらいました。中の冷蔵庫には瓶に入った上体で日本酒が保管されていて、それぞれに付けられたパイプから圧力で日本酒を組み上げる仕組みになっていると言うのです。また、日本酒が混ざらない工夫として出口のノズルは、10種それぞれ別になっているとのこと。

 にごりのない酒であれば基本的に対応可能。ただし、にごり酒だと通常注ぐ前に澱を混ぜるので、マシンでは提供がむずかしそうです。なるほど、なるほど。

 利き酒マシンの様子は動画でもご覧ください!

 さて、そこまでしてマシンを利用しなくてもいいのでは、という見方もあるかもしれませんが、混雑が緩和される点や、コミュニケーションがなくても楽しめるという気楽さがお客さんにとってはメリットですね。

日本酒を選ぶ目安になるマトリックス表も用意されている。

 私としては店員さんと少しやりとりして飲む日本酒を決めるのも好きですが、例えば平日昼から飲む時は多少うしろめたいので、特に会話が必要ないのはありがたい(笑)。

 「辛口がいい」「芳醇な味わいがいい」など好みに合う日本酒を探せるように、芳醇、淡麗、甘口、辛口のマトリックス表であたりを付けられるようになっています。

専用のアプリをダウンロードすると、外国語で詳細な説明も掲載されています。

 また、海外の観光客も利用しやすいように、外国語の案内や専用のアプリも用意されています。観光客にとっても自動で利用できるマシンは気軽に楽しめて良いものと思いました。

ちょっとしたおつまみ頼めます

 立ち飲みスペースには酒燗器も置かれているため、利き酒マシンで買った日本酒に燗を付けることもできます。

燗を付けることもできる。

 寒い季節にさっと燗酒を一杯飲んで、身体を暖めたい時にも良さそうですよ。寒い日には両国行かなきゃ……。

 にごり酒はマシンでは対応していないと先ほど書きました。ですが、マシンではなく試飲販売ににごり酒が置かれている場合もあります。

マシンとは別途、季節の日本酒を用意。

取材時は新しぼりのにごり酒などがありました。

 マシンとは別途「季節の日本酒」を1杯(80ml)を400円で販売しています。日本酒は季節ならではの限定酒が登場するので、細かく対応できるように用意してくれているとのこと。こちらにはにごり酒が置かれている場合もあります。結局のところ、幅広く日本酒が網羅されているわけです。

 日本酒を飲むとどうしても肴が欲しくなる。そこはわかってらっしゃるようで、酒のアテにちょうど良い、ちょっとつまめるお惣菜もありました。

日替わりの6種のお惣菜から3種を選べて300円。

 私がこの日選んだのは「卵黄の醤油漬け」「菜の花のわさびマヨネーズ和え」「なめらか味噌漬け寄せ豆腐」。

「300円でこんなお上品な惣菜が食べられるの!?」と歓喜。

 この日は日本酒を飲むことしか頭になかったので、おつまみのことはあまり考えてなかったのですが、何の気なしに頼んだ3種セット(300円)がとても質が良くてびっくり。

 いずれもとても丁寧につくられたであろうお惣菜で、まるで懐石料理の一皿目に登場しそうな、品の良いおいしさ。

 少量とはいえ300円で食べられるのは儲けものと感じました。これらも場合によっては東京商店でお土産用のお惣菜として扱っているそうです。

 日本酒もおつまみも、あくまで味見、なのですね。

 また、なかなか見どころなのが、立ち飲みスペースのテーブルの下にディスプレイとして置かれている酒樽。“こも”のデザインが現代的でとてもオシャレなのです。両国という歴史のある町で風情ある角打ちでありながら、ところどころにクールなデザインが取り入れられているのがなかなか楽しい。

酒好きナベコがオススメ! 絶対うまい日本酒

 さてさてさて、マシンすごい。オーケー。ですが肝心なのは日本酒です。先にも書きましたが東京商店では、東京にある酒蔵の日本酒を揃えています。日本酒というと米どころがおいしい、緑豊かな地域のものがおいしいなどイメージがあるため「東京って日本酒おいしいの?」と思っている人もいるかもしれません。

 いやいや、東京の酒蔵だっておいしい日本酒がたくさん。

東京港醸造「江戸開城 純米吟醸」

 港区にある酒蔵「東京港醸造」の日本酒。23区、その中でも港区に酒蔵があるというのは驚きかもしれません。江戸時代に日本酒を扱っていた「若松屋」がもとになっている会社で、2000年代に酒蔵を復活させ、「江戸開城」は2016年に新たに作った銘柄だそう。

 飲んでみたところ、軽やかでありながらも適度な酸味とコクがあって、東京らしい主張があるモダンな味わいでした。江戸開城は移りゆく東京をイメージし、製造ごとに異なる味わいを奏でるそうです。

「金婚 純米大吟醸 粋な宴」

 縁起のいいお酒。豊島屋酒造の「金婚 純米大吟醸 粋な宴」は、フルーティーな香りが特徴で、ワイン感覚で飲めると外国の方や女性に人気ということ。ブドウのような酸味とフルーティーさを感じました。ですが、ただ爽やかというのではなく、輪郭がくっきりしていて、日本酒らしい飲みごたえがありました。祝いの席で飲みたいものです。

名酒「澤乃井 純米大吟醸」

 東京都青梅市にある小澤酒造の澤乃井は東京の日本酒の中でも有名な銘柄。中でも大吟醸は、厳選した原料米の山田錦を低温でゆっくり時間をかけて仕込んだ酒の芸術品といわれています。きれいな味わいでうっとりしました。東京とはいえ、青梅は自然が豊かなので、環境も良いのでしょう。「東京の日本酒はうまい」と胸をはって自慢したくなる名酒です。

おいしくてたくさん飲めちゃう!

 うんにゃーーーー!!(※歓喜 ガブガブ飲んだ様子は動画eでご覧いただけます)

 300円で気軽に純米大吟醸も飲める。楽しい、うれしい、酔える。10杯飲むと3000円ですが、たぶん10杯はなかなか飲めないので、それよりもっと安く満足するまで飲めますよ。これは単純に酒が好きという人も、日本酒を研究したいというしたい人にも、どちらにもいいなあ。

ビールも店内で飲める

 日本酒以外にも、店内で販売されているビールも買ってすぐ店内でスタンディングで飲んでオーケーということ。深大寺ビールといったクラフトビール各種は、一般的なビールより価格が高いので飲食店で飲むとそこそこします。小売店の販売価格で立ち飲みできる、というのはうれしいですね。

珍しい深大寺ビールなどがある。

 しっかり飲みに行くというより、ぶらりと訪れた時に、ひとりでも立ち寄りやすいという意味でありがたい酒スポット。両国なので大相撲を観に行くがてらにどうでしょう。

「東京商店」
・住所:東京都墨田区横網1-3-20 両国 江戸NOREN 1F
・営業時間:11時~23時

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ナベコ

寅年生まれ、肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。30歳になったので写経を体験したい。Facebookやってます!

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