【4】GPUで動画を2パスエンコーディング
GPUで動画エンコードができるようになって久しいが、GPUの動画エンコードは画質よりも速度を優先した1パス処理が基本だ。しかしPolarisの動画エンジン「VCE」は、非常に高速な2パスエンコードにも対応することで、実況動画をより高画質で録画することが可能になった。
「Plays.tv」や「OBS」といったアプリが対応するらしいが、今回はリソースが足りず画質の比較まではできなかったのが残念だ。
【5】新しいOC用インターフェース“WattMan”
最後にGPUのOC用インターフェースも変わった点について触れておきたい。従来「AMD OverDrive」と呼ばれてきた機能は「WattMan」と改称され、より今風に、よりグラフィカルに更新された。
特にGPU温度やクロックなどが折れ線グラフで追跡できる機能を備えたため、「AfterBurner」や「HWiNFO64」といった外部ツールを導入しなくても、手軽に温度の推移が追跡できるのはありがたい。
オーバークロックは従来どおり定格に対するパーセントでクロック増分を指定する方式のほかに、GPUの動作ステート(Dynamic Power State)に応じてクロックや電圧を調整することも可能になった。ただ今回テストした個体はRadeon Softwareそのものが非常に不安定であったため、OCによるテストは実施していない。
ここに挙げた他にも、電圧制御にCarizzoで実装された機能を採り入れたり、回路の経年劣化に応じてパラメーターを調整(Adaptive Aging compensation)する機能など、Polarisには数多くの機能が追加されたが、すべてを書くには時間が足らない。そろそろ性能検証に入りたい。
ベンチマーク環境
それでは今回のベンチマーク環境を紹介しよう。いつものCore i7-6700KとZ170マザーを主軸にしたシステムを用意し、AMD製の比較対象としてR9 NanoとR9 380Xを準備。さらに価格でバッティングすることになりそうなGTX 970とGTX 980の定番OCモデルも準備した。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Core i7-6700K」(4GHz、最大4.2GHz) |
マザーボード | ASUS「Z170-A」(Intel Z170) |
メモリー | Crucial「BLS2K8G4D240FSA」(DDR4-2400、8GB×2) |
ビデオカード | Radeon RX 480リファレンスカード Radeon R9 Nanoリファレンスカード Radeon RX 480リファレンスカード ASUS「STRIX-R9380X-OC4G-GAMING」(Radeon R9 380X) MSI「GTX 980 GAMING 4G」(GeForce GTX 980) ASUS「STRIX-GTX 970-DC2OC-4GD5」(GeForce GTX 970) |
SSD | Intel「SSDPEDMW400G4X1」(NVMe SSD、400GB) |
電源ユニット | Corsair「RM650」(650W、80PLUS Gold) |
OS | Windows 10 Pro 64bit DSP版 |
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