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シザーマン再び!?クロックタワーの魂を継ぐホラーゲーム『NightCry』:Steam

2016年04月06日 18時30分更新

 PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』から、面白いゲームを発掘して紹介するレビュー連載。第27回目は、巨大なハサミを持った男に追いかけられるホラーアドベンチャーゲーム『NightCry』を紹介する。

 「巨大なハサミ」、「追いかけられる」、「ホラーアドベンチャー」とくれば誰もがあの名作『クロックタワー』を思い出すだろう。そして、それで正解だ。NightCryはクロックタワーシリーズの生みの親である河野一二三氏が開発を手がけた作品である。

 「なぜタイトルがクロックタワーじゃないのか?」と思う人もいるかもしれないが、説明しておくとクロックタワーシリーズの版権はカプコンとサンソフトが所有しており、さらに河野氏が「ポイント&クリック形式のホラーゲームをつくりたかった」ためにクロックタワーとしてのリリースは断念したとのことだ。

 そこで本作は、その開発資金をクラウドファンディングから調達。そして見事にインディーズゲームとしてリリースされる運びとなった。ファンとしては喜ばしいかぎりである。

なめらか3Dになって……エロいです

 肝心のゲーム内容の紹介に入るが、ゲームを始めた誰もが思うであろう。「このゲーム、エロい」と。

 そんなクロックタワーが現代に蘇った本作で最初に目に飛び込んでくるのがコレである。

 なんだこのおっぱいは。とてもインディーズなホラーっぽくていいz・・・ゲフン、けしからんじゃないか。

 そんなわけでNightCryをプレイするときはまわりに人がいない環境をオススメしたい。

追いかけてくるのはシザーウォーカー!

 さて、クロックタワーと言えばシザーマンである。ではこのNightCryでも同じかというと、名前がシザーウォーカーに変わっている。と言っても、持っている凶器はやはり巨大なハサミであり、それに切られて死んでしまうところも同じだ。

でっかいハサミは健在

本作では後ろを振り返って居場所を確認する

 シザーウォーカーに遭遇してしまい、接近されたときはマウスの左クリックを連打しよう。このときマウスカーソルをゲーム内のマーカーに合わせてからでないと、いくらクリックしても無意味なので注意して欲しい。

赤い円にマウスカーソルを合わせて連打しよう

 ただし、これだけでは「死を回避」しただけであり、シザーウォーカーからは逃げられない。完全に逃げるためには回避ポイントに隠れてやり過ごすかシザーウォーカーを撃退しなければならない。

 回避ポイントでは隠れたあとにパニックモードに突入し、移動するマーカーにカーソルを合わせ続けるQTEのような操作を要求される。ここで操作をミスするとシザーウォーカーに見つかってしまうぞ。

クローゼットに隠れても……

QTEをクリアしないと見つかります

同じ場所に隠れても見つかる

 撃退ポイントではシザーウォーカーから確実&安全に逃げられるが、どのポイントも1回きりしか使えないので「ここぞ」というときに使うようにしたい。

おなじみ最強の撃退アイテム「消火器」

初見殺しとストーリー分岐

 それにしてもプレイしていて感じるのはいわゆる「初見殺し」の多さである。

 本作ではたびたび「なぜそこで死んだのか分からない」という状況に遭遇する。「ぇー」と思いながらも再度挑戦すると「あー、それで死んだのかー」と納得できるのだが、個人的にはもうちょっとヒントがあると嬉しかった。

いきなり死んで悲しいポイントのひとつ

 というのもこのゲーム、説明がないためセーブポイントがわかりづらいのだ。最初は「オートセーブのみ」かと思ったが、あとから「室内に備え付けの充電器でスマホを充電すると任意セーブできる」ことが分かった。

スマホの充電は忘れずに!

 これが分かるまでは死ぬたびにかなり前まで戻されてしまい、「この初見殺しがあああああ!」とキレそうだった。これを読んでプレイする読者の皆さんはぜひセーブを忘れないようにして欲しい。

 また、死んだあとはセーブ、またはチャプターからコンティニューできるのだが、その際に分岐をチェックしてきちんとフラグを回収できているか確かめると良いだろう。

分岐チェックができる

 本作にはマルチエンディングが採用されており、トゥルーエンドに行き着くためにはそのフラグを立てなければいけない。フラグはセーブデータの分岐から判断できるため、死んだあとに失敗していると分かったらやり直すのもひとつの手だ。

 もちろん、そのままプレイしてとりあえずのエンディングを見るのもOKだ。いずれにせよ全部のエンディングを見たくなるだろうから。

複数キャラ視点から紡がれるストーリー

 そう、やはりこのゲームで面白いのはそのストーリーなのだ。クロックタワーの伝統とも言える「複数のキャラをプレイして謎を解き明かしていく」システムは健在で、プレイヤーは主人公が切り替わるたびにゲームの真実へと近づいていく。

金髪美女からオッサン教授に操作が切り替わるときはちょっと悲しい

 どうしてシザーウォーカーが現れたのか? 客船内では何が起きているのか? そもそも登場人物たちの人間関係はどんなものなのか? などなど、何の説明もなくサッパリ分からなかった謎がゆっくりと晴れていく。

本作の(たぶん)ヒロイン、ルーニー。彼女自身もとある謎を抱えている。

 つまるところ本作は完全に往年のクロックタワーファン向けにつくられており、その層にとっては「待ってました!」とばかりのデキではあるが、それ以外の人にとってはポイント&クリックからくる操作性の悪さや操作説明全くナシといった不親切さから不評も買いそうだ。

 要するに「クロックタワーが好きなら買い」だ。このひと言に尽きる。

NightCryの序盤を実況プレイ

 NightCryについては筆者がYouTubeで実況プレイをしているため、興味のある人はこちらも参考にどうぞ。イロイロ言ったけど怖いもんは怖いです……。

NightCryの推奨動作環境は?

 CPUは“デュアルコア2.4GHz以上”、GPUは“GeForce 8800GT/RADEON HD3830/Intel HD Graphics 4000以上”と、かなり軽量な部類。

 Core i7-3770(3.4GHz)、GeForce GTX960を搭載するPCでは、フレームレート上限の30fpsにほぼ張りつき、といった状態だ。

『NightCry』
●AGM PLAYISM
●2480円(2016年3月29日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル アドベンチャー、独立系開発会社
©BCH/LPEI

■著者:篠原修司
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
・Twitter:@digimaga

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