IoT&H/W BIZ DAY by ASCII STARTUPレポート
iPhoneにさしこむ“鍵” パスワードなくすPlugAir
「PlugAir(プラグエア)」は、イヤホンジャックにさしこむガジェットだ。
スマートフォンに接続すると、インターネット上にある映像・音楽などのコンテンツをストリーミング再生できる。IDやパスワードのような個人認証代わりにデバイスそのものが“鍵”の役割を果たしてくれる仕組みだ。
2013年、音楽を楽しむためのガジェットとして始まったPlugAirだが、3年間でかなり様子が変わってきた。ファミコンカセットのような姿になったり、星野リゾートや資生堂がプロモーションのために使ったこともある。
3月28日開催のハードウェアフェス「IoT&H/W BIZ DAY by ASCII STARTUP」(アスキー主催)で、開発元ビートロボが歴代モデルを展示した。
初めはポップカルチャーを意識してカジュアルなデザインにしていたが、フォーマルな場面あるいは音楽以外でも使えるようにと、シックに変えたという。具体的には、Tシャツやロボットのようなデザインからキューブ型になった。
ファミコンカセット型は「ピコカセット」といい、アナログゲームをスマートフォンで遊べるような仕組みにしたいということ。
最近おもしろいのはデジタルハリウッド大学大学院だ。
PlugAirをパンフレット代わりに出願すると、2万円の検定料(受験料)が無料になる「プラグエア出願」を実施。受験生に伝えられる情報量が多いのが大学側のメリットだ。ビートロボ浅枝大志CEOが同大学大学院の修了生という縁もあるそうだ。
ビートロボがねらっているのは「プラットフォームの裏側」だ。
スマホで認証が必要になるところ、つまりストア機能の代替をねらう。PlugAirをクレジットカード払いのときに使える認証キーにしようという計画も進めており、クレディセゾンからの出資も受けている。
てっきりデジタルカルチャーのかわいいガジェットと思っていたら、背後ではこっそり金融街をねらっていたというわけ。日本というより西海岸でありそうな話に、すこしドキッとさせられた。これからに期待したい。
ただ、次のiPhoneはイヤホンジャックが消えるという噂もちらほら。イヤホンコレクターであるわたしとPlugAirのためにはなくさないでほしいものだけど。
盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、記者自由型。好きなものは新しいもの、美しい人。腕時計「Knot」ヒットの火つけ役。一緒にいいことしましょう。Facebookでおたより募集中。
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