Swiftのパッケージマネージャの公開は衝撃
このあと、チャコン氏に代わってソフトウェアエンジニアの岸川克己氏が登壇。
岸川氏によると、Swiftのリポリトジには2万個以上のスターが付いており、GitHub上ではかなりまれなケースとのこと。Swiftが開発者にいかに注目されていることがわかりますね。コントリビューター(協力者)の数も、オープンソース化前は50人程度だったのが、現在では4倍強の227人に増えているそうです。
ちなみにAppleは、Swiftだけでなく医療系のデバイスやアプリの開発に必要なResearchKitについても、GitHub上で情報を公開しているとのこと。
すでに、開発者から提案のあった変更を受け入れ、次期バージョンのSwift 3.0に反映されることが決まっている機能もあります。
Swiftのオープンソース化で具体的に公開された部分は、
・コンパイラ
・標準ライブラリ
・コアライブラリ(Foundation、XCTest、libdispatch)
・Swift言語の改良
・パッケージマネージャー
など。岸川氏は、コアライブラリが公開されたことはかなり大きな動きであると話していました。また、Swift言語の改良ついて一般の開発者が提案できることも驚きだったそうです。そして最も想定外だったのが、パッケージマネージャの公開。パッケージマネージャの公開によってコードの共有や再利用が容易になるため、Rubyなどのように人気が集まるのではと予想していました。
一方で公開されなかった部分として、
・Xcode(Apple純正の開発環境)
・UIKit、AppKit、Core Animation、Core Graphics、AVFoundationなどのフレームワーク群
があります。Xcodeとフレームワーク群はOS X/iOSのアプリ開発には必須で、オープンソース化された部分だけでのアプリ開発は難しいものの、今回の出来事はかなり画期的だと受け止めているとのことでした。
岸川氏は、Appleは、iOS/OS Xだけでなく、サーバーサイドや教育用のプログラミング言語のスタンダードとなることを目指しているのではないかとも語ってくれました。
なお岸川氏は、2016年3月2〜4日に東京・渋谷にて「try! Swift」と呼ばれるカンファレンスを開催予定で、現在チケットを販売中とのこと。オープンソース化したSwiftの魅力に触れられる絶好の機会になるかもしれません。
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