週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

小室哲哉「吉野家おごってくれた、あの人にお礼したい」

2015年09月18日 13時04分更新

大事なのはうぬぼれないこと

 同じやりかたで「10年はもたない」と、活動をリセットする小室さん。プロデュースも10年で身を引いた。宇多田ヒカルさんが登場したとき「次のイノベーション、J-POPの新しい形が思ったより早く来た」と感じたそうだ。

 小室さんがいま考えているのは「モジュール」だ。

 中身を入れ換えても、チームとして、ブランドとしての全体を保つ。サッカーやF1チームのように、なかば「小室哲哉チーム」のオーナーとして、ブランドとして認知されている部分を変えずにいることが自身の仕事と考えた。

「経営という意味では最悪、どん底まで行きました。しかし、首尾一貫している唯一のところは最初から守ってきた『小室哲哉』というブランドがあること。ブランドのクオリティーをいかに下げず認知してもらえるか。ほんとにそこだけです」

 自分がつくりあげてきた作品、ブランド、ファンに愛してもらえた世界観を大切にして守りぬくことが大切だと小室さん。それをころころ変えてしまうと、自分の足跡をたどらないといけなくなる。しかしたどっている時間はない。

 「スピードの時代、たどらなくてもいいようにするのが非常に大事なファクター」だと小室さん。まるで経営者のような話でもある。

 起業家精神を持って活動をつづけ、仕事では結果的に大成功をおさめ、「吉野家」に象徴されるバブリーなエピソードもかかえるようになった小室さん。会場に集まった起業家たちに、最後に残した一言はこんなものだった。

「うぬぼれないことです。ぼくは反面教師として、すごくいいと思いますよ」


■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう