2019年04月05日07時00分

「欧州のイベントに出るべき理由」ジェトロとスタートアップが語る

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 2019年3月22日に開催された「JAPAN INNOVATION DAY 2019 by ASCII STARTUP」で開催された「スタートアップが考える欧州市場の魅力」では、ジェトロの支援により欧州のイベントに参加したスタートアップが登壇。イベントに参加する意義や北米との違い、4YFNといったイベントの魅力などについて語った。

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JAPAN INNOVATION DAY 2019 by ASCII STARTUPのパネル会場

多種多様なヨーロッパのスタートアップイベント

 今回のパネルは、日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援を受け、ヨーロッパのイベントに出展したスタートアップの知見を共有するもの。ジェトロ イノベーション促進課 課長代理の長谷場 純一郎氏をモデレーターに、アクアビットスパイラル、Empath、PicoCERAという3社のスタートアップ、スタートアップを現地で受け入れたカタルーニャ州政府貿易投資事務所所長 木地谷裕子氏、スタートアップメディアである「THE BRIDGE」の池田将氏が揃う豪華なパネルとなった。

 冒頭、ジェトロの長谷場 純一郎氏は、昨年ジェトロが参加してきた欧州のイベントを披露。10万人規模が来場する欧州最大級のスタートアップイベント「VIVA TECHNOLOGY」(パリ・フランス)やテックスタートアップのネットワーク形成を目的とした「TECHDAY LONDON」(ロンドン・イギリス)、CESやMWCに継ぐ規模に成長した「websummit」(リスボン・ポルトガル)、エンタープライズ企業が参加するオープンイノベーション商談会(ドイツ・ミュンヘン)、MWCと併設された成長中のスタートアップイベント「4FYN(4 Year From Now)」(バルセロナ・スペイン)などがあるという。

 登壇したカタルーニャ州政府貿易投資事務所所長の木地谷裕子氏は、バルセロナのスタートアップ受け入れ状況やMWCや併設された4YFNについて説明した。

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カタルーニャ州政府貿易投資事務所所長 木地谷裕子氏

 スペイン カタルーニャ州の州都であるバルセロナは、欧州第5位のスタートアップハブであり、起業家からの人気も欧州3位を誇る。コンシューマー、EC、ライフサイエンスなどの分野で強みを持つスタートアップが1300社を超え、インキュベーターやアクセラレーターも多数存在し、大型買収も生まれているという。こうしたスタートアップの苗床になるのが世界最大級のモバイル通信イベントである「MWC」であり、MWC併設の4YFNになるという。

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投資額も急拡大するバルセロナのスタートアップ市場

 このMWCに9年連続で参加しているのが、アクアビットスパイラルCEOの萩原智啓氏。自身にもマイクロチップを埋め込んでいる萩原氏がモノと情報を結びつける「Hyperlink of Things」の事業を着想したのも、MWCへの参加が大きかったという。

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アクアビットスパイラルCEOの萩原智啓氏

 MWCと併催されている4FYNはスタート時から参加しており、参加者に刺激を受けた萩原氏は3回目のチャレンジでピッチまでたどり着いた。「日本代表くらいの気持ちでピッチをやりに行ったのに現地には日本企業はまったくいなかった」ということで2018年には萩原氏が独自に声がけをして7社で出展、そして2019年はジェトロの日本パビリオンの誘致に成功したことで20社が参加したという。

スタートアップにとっての展示会は修学旅行?

 では、なぜ展示会に参加するのか? 長谷場氏の問いに対して、萩原氏は「僕たちスタートアップは毎年状況が変化するので、リードなのか、認知度なのか求めるモノが変わる。僕らの場合は、自分たちのテクノロジーが世界で戦えるのか確かめる意味合いが大きい」と述べる。展示会では自分たちの技術の活用を披露し、見た人の意見を反映し、プロダクトに還元していくという。

 音声感情AIを開発するEmpath CSO 山崎はずむ氏は、長谷場氏が説明したイベントは全部参加しており、国際的なピッチコンテストにも5度優勝しているという強者。こうして稼いだピッチコンテストの賞金やアクセラレーターの支援で、欧・米・中東のイベントに出まくった。そんな山崎氏は、「われわれにとって展示会はあくまで修学旅行のような意味合いで、行くときは打ち合わせとセットにしています」と断言する。

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Empath CSO 山崎はずむ氏

 イベントでは周りからいろいろいいことを言われ、名刺もたくさんもらうが、帰国してメール打ってもほとんど戻ってこない。そのため、海外に行くことで打ち合わせをできる相手と関係を構築していくのを重視している。「大企業と打ち合わせすること自体がチームのレベルを上げる。1時間の打ち合わせで、きちんと交渉できる日本のスタートアップはそれほど多くない。でも、われわれは2年間通い続けることで、きちんと商談できるようになった。ジェトロさんのおかげ」と山崎氏は語る。

 スモールセル化を推進するショートレンジ無線バックホールにチャレンジするPicoCERA CEOの古川浩氏は、「エンタープライズのプロ向けに特化した市場なので、国内外問わず展示会のヒット率は高くない。でも、MWCというモバイル通信で最大のイベントに併設されている4YFNに出れば、ある意味“引き”もいい」と語る。

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PicoCERA CEO 古川浩氏

 ジェトロでは、日本のスタートアップが展示会に出る場合にメンタリングやビジネスマッチングのサービスも提供しているという。「現地のアクセラレーターとマッチングし、必要に応じてメンタリングしたり、打ち合わせをセッティングさせていただいている。単に展示会に出るだけじゃなくて、さまざまなサポートをやらせてもらっている」と長谷場氏は語る。

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