2015年03月18日15時30分

4Kゲーミング用グラボの決定版!『GeForce GTX TITAN X』速攻レビュー

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 2015年3月18日、NVIDIAは第2世代MaxwellをベースにしたシングルGeForceの最上位モデル、開発コード“GM200”こと『GeForce GTX TITAN X』を発表しました。年リリースされたMaxwellはそれまでのGeForce回路規模を抑えつつも性能も消費電力も抑えることに成功。特に昨年9月に登場したGM204ベースの“GTX980”“GTX970”、そして今年1月に出たGM206ベースの“GTX960”は、近年稀にみる人気を博したことで知られています。

GeForce GTX TITAN X

 今回登場したTITAN Xの価格は999ドル。昨今の為替事情&代理店税etcを考えると初値15万円コースはほぼ確実なので、とても気楽に買える製品ではありません。しかし今注目されている4Kゲーミング環境ではGTX980でも足りない状況。TITAN Xはコアゲーマーなら一度は試してみたい製品といえるでしょう。
 そこで今回は編集部が入手したTITAN Xのリファレンスカードを使って、これまでのハイエンドGeForce達と対決させてみようと思います。

■回路設計はGTX980の1.5倍でもTDP250W
 まずはTITAN Xの基本スペックからおさらいしましょう。これまでのGTXシリーズだと、メーカー独自のOC&強化クーラー仕様がほぼ当たり前のように存在していましたが、さすが999ドルのハイエンドだけあって、TITAN Xは基本的にリファレンスデザインの製品のみが流通します。メーカーが独自に交換用クーラーを添付した例もあるので、そういった変化球に期待しましょう)。

  GeForce GTX TITAN X
アーキテクチャー GM2xx
(Maxwell)
製造プロセス 28nm
SP数 3072基
コアクロック 1000MHz
ブーストクロック 1075MHz
メモリー転送レート(相当) 7GHz相当
メモリー搭載量(バス幅) GDDR5 12GB
(384ビット)
TDP 250W
外部電源 8ピン+6ピン

 

 TITAN Xのスペック比較。コアのクロックがGTX980よりも低くなっていますが、既存のTITANシリーズより高クロック動作です。

 注目すべきはSPが3072基と、Kepler世代最強だったTITAN Blackをも超える回路規模になっていること。第2世代Maxwellアーキテクチャは少ないSP数、狭いメモリーバスでも高い性能を上げられるというのがそもそものウリでしたが、TITAN Xでは性能を確保するためにその前提を捨て、回路を詰め込めるだけ詰め込んだことになります。その結果TITAN XのGPUコアはGTX960なら3基、GTX980なら1.5基分の規模になりました。L2キャッシュもSP数が増えただけリニアに増えています。

 しかしさらに驚くべきは、搭載ビデオメモリーが12GBとメガ盛り状態なこと。GDDR5の後継とされる超広帯域のHBAメモリーでないのがちょっと残念ですが、とにかく既存のものを使って“最強のGeForceを作ったぜ!”感がヒシヒシと伝わってきます。

 しかしそれだけ仕様を盛っても、TDPは従来のTITANシリーズとかわらぬ250Wをキープ。そのため外部電源も8ピン+6ピンと常識的な範囲に納まっているのは、さすがワットパフォーマンスに定評のあるアーキテクチャを使っただけあります。

GeForce GTX TITAN X
↑TITAN Xリファレンスカードの情報を『GPU-Z』でチェックしたところ。3072基のSPに12GB GDDR5メモリーという豪華なスペックが眩しすぎます。
GeForce GTX TITAN X
↑TITAN Xのカードはクーラーのカバーが黒っぽくなった以外は、既存のTITANと同じクーラーを採用しています。ちなみにシルバー一色なのが初代TITAN、シルバー+黒文字TITANがTITAN Blackです。

 GTX980のリファレンスカードの裏にはバックプレートが仕込まれていましたが、TITAN Xは基板がむき出し。そのため高負荷時では裏面メモリーチップの表面温度は80℃以上になります。それなりに冷却に気を使う必要がありそうです。

GeForce GTX TITAN X
↑映像出力端子はGTX980と同様のDisplayPort×3とHDMI2.0×1がメインで、DVIは1系統しかありません。4K液晶に接続することを考えたらDVIはあるだけ無駄という感じなので当然の仕様変更でしょう。外部電源は8ピン+6ピン。ハイエンドにしてはやや大人しい印象すら受ける仕様です。
GeForce GTX TITAN X
↑GTX900シリーズで超高フレームレート(個体差が大きいのですが300fps~)を出した時に発生する“コイル鳴き”を抑えるために、VR周りのパーツ選択や回路設計が見直されました。しかし完全にゼロという訳ではなく、500fpsも出せば多少は鳴きます。

ベンチ環境は?
 ではベンチの前に今回のテスト環境を紹介します。比較用に初代TITANと、Kepler世代ではシングル最速のTITAN Blackを準備。ただしGTX980は機材確保の都合上、MSI製のOCモデルになっています。

●検証用PC構成 CPU:Core i7-4670K(3.4GHz、最大3.8GHz)、マザーボード:ASRock Z97 Extreme6(Intel Z97)、メモリー:Corsair CMY16GX3M2A2133C11(DDR3-2133で使用、8GB×2)、SSD:Crucial CT512M550SSD1(512GB)、電源ユニット:Corsair RM650(80PLUS Gold、650W)、OS:Windows 8.1 Pro(64ビット)、ドライバー:GeForce 347.84(TITAN X)、GeForce 347.25(それ以外)
●比較用グラボ GeForce GTX TITAN Blackリファレンスカード GeForce GTX TITANリファレンスカード MSI『GTX980 GAMING 4G』(GeForce GTX 980)

■ 4K高画質プレイのキモはビデオメモリーにあった!

 まずは定番「3DMark」のスコアーをフルHD相当の負荷をかける“Fire Strike”と4K+超高画質設定の“Fire Strike Ultra”で比較します。

GeForce GTX TITAN X

 今回準備したOC版GTX980はGTX980の中でも結構速い方だと思っていましたが、その慢心TITAN Xの性能は見事に粉砕してくれました。さすがに4K相当のテストだとスコアーは相当に下がりますが、既存のTITANに比べても圧倒的なスコアー差をつけています。GTX960は1世代前のGTX760と比べると微妙に速いなー程度のGPUでしたが、スペックメガ盛りのTITAN Xになると、1世代前どころか既存のハイエンドも余裕でチギってくれました。

 では実際のゲームを何本かチェックしてみましょう。まずは軽量級代表ということで『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』の公式ベンチを使います。画質は一番高い“最高品質”に設定し、解像度は1920×1080ドット(フルHD)および3840×2160ドット(4K)の2通りを試しました。

GeForce GTX TITAN X

 さすがにフルHDだとスコアーが高すぎてどのグラボを使っても超快適プレイが約束されるレベルですが、TITAN Xはそれでも既存のGeForceに対し頭2~3個位突出しています。さらに他のグラボが4Kではなんとか“とても快適”評価を得られるのに対し、TITAN Xは最高評価である“非常に快適”評価。4KでFF14をガツガツ遊びたい人は、TITAN Xに突撃してみるのもいいかもしれません。

 続いては重量級ゲームである『ウォッチドッグス』を試します。画質関係は全て最大、GPU最大バッファフレームは“1”、アンチエイリアスは“テンポラルSMAA”に設定しました。ここでも解像度はフルHDと4Kで比較します。『Fraps』を使い、街中の一定コースを移動する時のフレームレートを計測しました。

GeForce GTX TITAN X
↑フルHD解像度でのテスト結果。
GeForce GTX TITAN X
↑4K解像度でのテスト結果。

 フルHD環境であればTITAN Black以上であれば平均60fpsキープは比較的楽ですが、解像度を4Kに上げるとTITAN Xの底力の高さがフレームレートとなって見えてきます。GTX980がやっとのことで出す平均fpsと、TITAN Xの最低fpsがほぼ同じ、という点にも注目です。

 ではもっと重いゲームはどうか? ということで筆者の手持ちのゲームの中で最重量級となる『アサシンクリード ユニティー』を試してみました。画質は“最高”に設定し、解像度を2通りでチェックしました。テスト方法はウォッチドッグスと同様ですが、このゲームはMobがやたら多いのが特徴です。

GeForce GTX TITAN X
↑フルHD解像度でのテスト結果。
GeForce GTX TITAN X
↑4K解像度でのテスト結果。

 アサシンクリードの最高画質設定ではアンチエイリアス設定が標準で“4X MSAA”になるためフルHDでも負荷が強烈。そのためTITAN Xでも平均60fpsに届きませんが、4Kにするとさらに酷い結果になりました。まあこのゲームが重すぎるだけ、という話ですがここで注目したいのはGTX980の性能が4Kで急激に落ち込むところです。これはSPの数が不足しているというよりも、ビデオメモリーが不足しすぎてそこがボトルネックになっているため。実際TITAN X環境下でゲーム中のビデオメモリー使用量をチェックしたところ(『HWiNFO64』使用)、最高画質の4K環境ではゲームを始めただけで5.5GB消費されていました。つまり4Kで高画質プレイをするには、ビデオメモリー4GBのグラボは向いていないということです。こうなるとGTX980の8GBモデルが欲しくなるところですがメモリーコントローラー数が少ないとメモリーを単純に増やしてもボトルネックになるばかりなので、GTX980の8GBモデルが将来出たとしても、TITAN X程には効率良く処理できないでしょう。12GBも扱えるのはTITAN Xがあってこそなのです。

 では最後に消費電力をチェックしてみましょう。システム起動10分後および3DMarkの“Fire Strikeデモ”実行中の消費電力を『Watts Up? PRO』で計測しました。

GeForce GTX TITAN X

 さすがにGeForce史上最大級の回路規模を誇るTITAN Xだけあって、高負荷時の消費電力はTITAN Blackとほぼ同等になりました。ただ前述の通り、描画性能は圧倒的にTITAN Xの方が上なのでワットパフォーマンスはしっかり向上しています。第2世代Maxwellの持ち味を殺すことなく仕上げた製品といえるでしょう。

■ まとめ:還付金やボーナス全額突っ込んでも後悔しないグラボだ!

 以上駆け足でTITAN Xのレビューをお届けしました。PCでゲームをする理由は様々ですが、そのひとつにハードを強化した分だけ“究極の高画質環境”を味わえるというものがあります。画質MAXで遊んでも飽き足らなければ、さらにRealistic系のModテンコ盛りにして家庭用ゲーム機では味わえない映像美を堪能することも可能です。こうしたコアな楽しみ方をする人にとっては、今回のTITAN Xはまさに欲しくてたまらない一品。コアゲーマーなら還付金やボーナスをまとめて突っ込んでも後悔しないはずです。 

 とりあえず財布に余裕ができた頃に為替がもうちょっと円高方向に動いてくれることを祈りつつ、筆者はひたすら待つことにします。TITAN Xと同等性能だとウワサされているAMDの“390X”の動きも気になりますしね!

■関連サイト
NVIDIA

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