みなさん、こんばんは。MacPeople元・編集長の吉田でございます。1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。
7回目に取り上げるのは、68Kの一体型シリーズ。実は私が初めて購入した新品のMacはLC 575でした。学生だったので36回ローンを組んで。当時はHyperCardとかアイコンを差し替えたりして遊んでましたね。大学のレポート提出用に、純正プリンター「Color StyleWriter」も買いました。標準搭載メモリーが4MBだったので、RAM Doublerは手放せませんでしたね。購入1年後ぐらいに8MBのメモリーを7万円ぐらいで買った記憶があります。
68K一体型(LC520/LC550/LC575)
低価格化を目指して設計されたLCシリーズの一体型モデル。LCシリーズの最初の一体型としてLC 520が登場したは1993年だった。後期には同様の一体型Performaシリーズも登場した。
CD-ROMドライブ内蔵のマルチメディア機
一体型シリーズの先鋒であるLC 520は、その後に続く一体型のLCやPerformaシリーズの基本的なスタイルを確立していた。それまでのMacにない主な特徴としては、CD-ROMドライブとステレオスピーカーを本体に標準で内蔵していたことが挙げられる。CD-ROMドライブは、アプリのインストールだけでなく、当時の流行でもあった「マルチメディア」の担い手として重要な役割を果たしていた。アップルが開発したデジタルムービーの規格であるQuickTimeのファイルをCD-ROMから読み込みながら再生できたほか、Photo CD規格のCD-ROMからデジタルファイルとして保存された写真データを読み込むのにも使われた。もちろん音楽CDの再生も、パソコンの役割のひとつとなってきていた。
なお、この時代のCD-ROMドライブは、現在のトレー/スロットローディングではなく、専用のキャディーにセットしてドライブに挿入するタイプだった。
68LC040の33MHzを搭載した一体型マシン、LC575 |
Macintosh TVの登場
LC 520を置き換えて発売されたLC 550は、68030のクロック周波数を、520の25MHzから33MHzに向上させたモデルだ。日本国内では発売されなかったものの、LC 550をベースとして開発された「Macintosh TV」も登場し、ブラックボディーが大きな話題となった。
Macintosh TVは、付属のリモコンでテレビを操作できたが、Macの画面とテレビ面を同時に表示することはできず、Macとして使うかテレビとして使うかの二者択一だった。かろうじて、テレビの画面を静止画として保存することは可能だった。テレビの画面をMacのウィンドウ内に表示したり、その動画をQuickTimeのビデオとしてキャプチャーできるようになるのは、後に発売されたLC 630の拡張キット「Appleビデオシステム」を待たなければならなかった。
なお、LCシリーズが登場した1993年は、国内では富士通(株)がFMVシリーズを発売した年でもある。日本でもWindows 3.1が普及し、DOS/V規格のパソコンが一般的になっていた。NECのPC-9801が一種の業界標準のようになって市場を独占していた時代は終わりを迎えていた。
国内未発売だったものの、本体だけでなくキーボードやマウスまでもブラック仕様だったMacintosh TV |
さて、絶賛発売中のMacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!
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