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「中二病には、なるべき! あとで大人の階段を登る過程だったんだなって」

よりぬき『MIKU-Pack 03』ボカロPインタビュー Vol.1 ふるさん

2013年09月27日 18時00分更新

この記事は、好評発売中の初音ミクまるごとマガジン『MIKU-Pack music&artworks feat.初音ミク 03』(関連記事)に掲載したインタビュー記事を一部抜粋して再編集したものです。インタビューの全文ならびにふるさんのオリジナル楽曲『城壁の街ムカロベ』(付録CDに収録)については、MIKU-Pack 03本誌にてお楽しみください。

■ ふるさん
よりぬき『MIKU-Pack 03』ボカロPインタビュー
想像のはるか斜め上を行くポーズを決めてくれた、ふるさん。「若者はもっと積極的に恥ずかしいポーズをする(ことで目立つ)べき!」と力説した。会社員。本業と並行して、ボカロPとしても“ボカロクラシカ”のジャンルで活動中。ニコ動デビューは'08年に投稿した『RULE of ROSE ~ むかしむかしの章』の弾いてみた。'09年の『「ゲルマン讃歌」をジャズっぽくアレンジして歌ってみた』で一躍知名度を上げ、2作目のボカロ曲『ひよこと天秤』で10万再生超えの殿堂入りを果たす。美しい低音での歌ってみたも要チェックだ!


ピアノと吹奏楽を中心に
我流で音楽を覚えてきた


── ふるさんの曲は、ミュージカルや演劇で使われるような壮大さが感じられます。クラシック系の出身だったりされますか?
ふるさん そういうわけでもないんです。私ができる楽器はピアノが主なんですが、そもそも誰かに教わったわけでもないですし。
── 作曲はいつから?
ふる 高校生です。でも当時から邦楽は全然聴いてませんでした。今も変わっていませんが、やりたいことしかやってないんです。興味を持ったら試して、そこから必要な分野を足していく感じです。
── そういえば邦楽とも違う、オーケストラとゲーム音楽が融合したような不思議な曲調ですね。
ふる よく言われます。高校卒業後に音楽系の専門学校に入って、そこで機材やDTMについて学んだんですが、そのときに付いてくれた作曲系の講師に「お前の曲は邦楽では売れないね」って。
── ひどい(笑)。
ふる 自分でも「ハイ、わかってます」って思いました(笑)。散々オーディションに出したのに、全部突っぱねられたし。講師には「それがお前らしさだから、いいんだよ。いつか活かせるときが来るだろう」って言われてましたが、まさか20代後半になるとは。


私にとって歌詞は“呪い”
言えないことを出してます


── 今回の歌詞におけるポイントはどこになりますか?
ふる そうですね……。僕の歌詞って、解説したらマズいことを結構歌っているんです(笑)。
── ……なるほど(笑)。
ふる だいたい「みんな●ね!」っていう。私にとって歌詞は“呪い”で、自分のネガティブなところを入れている。普段言えないことをオブラートに包んで出したくて、分かる人だけ分かればいいやぐらいの気持ちで書いてます。あと意識してるのが「日本語をなるべく使おう」っていうことです。
── 曲がヨーロッパの民族音楽っぽいですが、テーマは学園祭なんですよね。
ふる 最初に高校の学園祭を思い出したんです。私は生徒会と文化祭実行委員会に所属していて、裏方をやってたんです。裏方が大好きでクラスの演し物には興味がなかった。学園祭を仕切る生徒会室や文化祭実行委員の部屋って、街の中で一番偉い場所というか、町役場のような感じで。そこで学校をひとつの街に見立てて、校門は街の城壁といった感じで置き換えていくと面白いかなと思って展開していったんです。
── スゴい! それだけで一冊のストーリーが作れそうです。
ふる あと文化祭って、他の学年や知らない先生の部屋に行く機会があったり、外部の人が来たりと、ある種冒険的な感じがしますよね。だから、歌詞も少年が町の中を駆け巡っていろいろ見聞きして成長するという流れになってます。
── MIKU-Packを読んでる小中学生に向けて?
ふる その年代だとそのうち“中二病”になると思うんです。僕の世代でいえば、「ホームページに載ってるお前のペンネームは何なんだ」みたいな(笑)。今だとボカロ曲でも中二病的な歌詞にやたらと強く反応する人がいますが、あえて避けないで、一度中二病になっておくべきだと思います。
── 超同意です!
ふる 他人に迷惑かけるのはダメですが、そうじゃなければ自分の世界にどっぷり入り込んでいくのって面白いし、絶対経験しておいてほしいんです。イタい体験をある程度したうえで、それとは反対の意見を知って、枕に顔埋めて足バタバタするみたいな。そういうのが大人の階段を登る過程だったんだなって後から思う。だから、ぜひ中二病になってください。
(インタビューの全文および本ボカロPさんのオリジナル楽曲は、MIKU-Pack 03本誌でお楽しみください)

このボカロPを知る3曲

■関連サイト
MIKU-Pack公式サイト
週アス×初音ミク Twitter

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