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【旭山動物園の魅力ベスト5】マヌルネコがかわいすぎる! 廃園危機から奇跡の復活を遂げた北海道の人気動物園、その凄さを体感してきた

閉園の危機から年間300万人へ! 旭山動物園が起こした奇跡

独特の雰囲気にモフモフで同園でも大人気のマヌルネコ、グルーシャ

 かつて廃園寸前から奇跡のV字回復を遂げ、全国の動物園のあり方を変えた、旭川市旭山動物園。動物たちの生き生きとした生態や能力を間近に見せる「行動展示」という画期的なアプローチは、単なる地方の施設という枠を軽々と飛び越えた。

 具体的には、2004年夏には月間入園者数で上野動物園を上回り、2006年度には年間300万人を突破するなど、日本を代表する世界的な観光コンテンツとして圧倒的な輝きを放っている。

 さらに第1回「日本サービス大賞」(2016年)で地方創生大臣賞を受賞するなど、その進化は止まらない。コロナ禍を経て近年は年間130万人前後で推移しており、2023年には累計入園者数5000万人を達成。いつ訪れても私たちに新しい感動と極上のエンターテインメントを与えてくれるその凄さは、いかにして生まれたのだろう。

 かつて訪れる人もまばらで閉園の危機に瀕していた北の大地の動物園が、いかにして「奇跡の動物園」へと生まれ変わったのか。その原動力となったのは、檻の中に閉じ込めて見せる従来のスタイルを根底から覆し、動物たちが本来持っている生態や身体能力をそのまま来園者に魅せるという革命的な発想だった。

 この逆転のストーリーに強く興味を持っていた筆者は、念願かなって、初めて同園を訪れた。そして、実際に自由に生きる動物たちと出会って、大きな感動を得た……というわけだ。

17年ぶりに大阪―旭川の直行便が通年復活!
関西からも訪れやすく

 さて、JAL(日本航空)による大阪(伊丹)―旭川線の直行便の通年運航が2026年10月25日からスタートしている。これまで夏期や特定期間のみ(近年は主に8月など)の限定的な運航となっていた直行便が、1日1往復の通年運航へと変更されたのだ。関西と旭川を結ぶ通年の直行便としては、2009年以来、実に17年ぶりの復活となる。

 なお、旭川空港から旭川市旭山動物園はアクセス抜群で、以下の通り。

車・レンタカーの場合: 約14.9km、約22分(道道37号線経由など)で到着。

バスの場合: 空港から動物園への直通バスや、旭川駅を経由する路線バス・シャトルバスが運行されており、乗り継ぎ状況によるが概ね30分〜40分前後でアクセス可能。

 ペンギンが空を飛ぶように泳ぎ、アザラシが円柱の水槽を通り抜け、レッサーパンダが頭上の吊り橋をスイスイと渡る――。それは訪れる人々に純粋な驚きと最高の笑顔をもたらしてくれる。

 さらに園内では、そうした楽しい日常の裏側にある、エゾシカやエゾヒグマを巡る野生の現実や社会的な課題にもそっと光を当てており、楽しみながら自然環境や動物の生態に思いを馳せる豊かな時間を提供してくれている。

映画や絵本にも描かれた、旭山動物園の「命のドラマ」

 いつ訪れても新鮮なワクワクと深い感動をもたらしてくれるその圧倒的な魅力は、現場の飼育員たちが情熱を注ぎ込み、試行錯誤を重ねて守り抜いてきた「命のドラマ」の結晶にほかならない。 その奇跡の歩みや魅力は、KADOKAWAが製作した映画や書籍、元飼育員だった絵本作家、あべ弘士さんの壁画などを通じて広く知られてきた。

■映画『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』(2009年)

 2009年2月7日に角川映画の配給で公開された112分の作品である。監督は津川雅彦ことマキノ雅彦、主演は西田敏行さんと中村靖日さんが務めた。製作総指揮は角川歴彦、原案は小菅正夫、脚本は輿水泰弘、音楽は宇崎竜童、主題歌は谷村新司の『夢になりたい』が起用されている。ワンポイントガイドや夜の動物園といったワクワクするアイディアを軸に、ゴリラが病に倒れて閉園の危機を迎える実話も下敷きにして描かれており、角川文庫から蒔田陽平によるノベライズも刊行された。

旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ

あべ弘士さんが映画をイメージして「ぺんぎん館」に描いた壁画

■あべ弘士さんと著作

 あべさんは旭山動物園で25年間飼育員を務め、1996年に退職してからは世界各地の野生動物の取材を重ねるようになった。

 園内のオオカミの森の通路などに描かれたオオカミの壁画をはじめ、えぞひぐま館では壁一面にエゾヒグマの親子やオオワシ、サケなどを立体的に表現した「知床の自然」を描き上げており、館内の入口や順路を示す立体的な案内看板もあべさんのデザインによるものである。

 訪れる人々を楽しく迎えるこうした園内の至る所に、あべさんの足跡が息づいている。

 主な著作や受賞歴は次のとおり。

『あらしのよるに』(木村裕一文/講談社):講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞を受賞。

『ゴリラにっき』(小学館):小学館児童出版文化賞を受賞。

『クマと少年』(ブロンズ新社):北海道ゆかりの絵本大賞で大賞を受賞。

『旭山動物園物語 オオカミの森』(KADOKAWA):元園長の小菅正夫が文を手がけ、あべが絵を担当した三者の絆が結実した一冊。

『あてっこ どうぶつずかん だれ』(KADOKAWA):2023年7月26日に刊行された。

『ひぐま』(ブロンズ新社):2025年に刊行された、えぞひぐま館の展示とも深く呼応する著作。

ゴリラにっき

 今回は、そんな旭山動物園の楽しさと魅力を深掘りしよう。

 マヌルネコを筆頭にエゾシカ、エゾヒグマ、ペンギン館、レッサーパンダ、そしてアザラシが円柱水槽を通り抜ける「あざらし館」という個性豊かな動物たちの筆者の個人的なベスト5をご紹介。さらに、現場で生き生きとした動物たちの姿を支えるスタッフの言葉、園を彩る手書きパネルの温もり、門ごとに異なる限定グッズまでを網羅して一挙にお届けする。

旭山動物園を楽しむ3つの視点

動物の「行動」を引き出す、究極の空間づくり

 限られたスペースの中で、動物たちが持つ本来の能力や動きがいかに楽しく発揮されるかを追求。お互いの気配が伝わる立体的な工夫によって、来園者も動物たちも生き生きとした時間を共有できる。

「手書きパネル」が伝える、最新のライブ情報とメッセージ

 園内各所に掲示されるスタッフ手作りのパネルには、その時々の状況や動物たちへの愛情あふれる言葉が直筆で綴られており、読むだけで発見と感動が広がる。

野生の現実と向き合う「社会問題へのまなざし」

 エゾシカの増加やヒグマの出没といった地域社会が直面するリアルな現実にも触れながら、日々の暮らしの中で自然環境や動物との共生を優しく考えるきっかけを届けてくれる。

 
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